ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

老老介護(15):過食から寡食へ

高齢認知症の母は,つい先日まで典型的な過食だった。三度のご飯,お菓子,果物など,とにかく手あたり次第,一日中,何かを食べている。食べ物が見当たらないと,いたるところを探し回る。

たまったものではないので,食品は全部隠し,冷蔵庫は鎖で縛り鍵をかけた。そして小型冷蔵庫を別に買い,食べてよいものだけ,その中に入れるようにした。

ところが,一転,今度はあまり食べなくなった。食事を出すと,以前なら,餓鬼のごとく,すぐむさぼり食べた。量も恐ろしく多かった。ところが,最近は,食事を出しても,おやつを出しておいても,なかなか食べない。しかも,量が減った。以前の半分から三分の一。

体調は悪くない。それなのに,以前のようには食べない。食べ物への関心はあるので,食事を拒否する「拒食」ではない。「ごはん」「ごはん」と言うので食事を出しても,なかなか手を付けない。そして,ちょっと食べたかと思うと,すぐ席を離れ,別のことをする。その結果,結局,ご飯を食べ残すことになる。状況からみて,これは「遅食」であり,結果として「寡食」となっている。

原因不明。とりたててどこが悪いわけでも,痛いわけでも,苦しいわけでもない。年齢相応に,いまのところ健康。病気ではないので,無理に食べさせる必要はあるまい。誰でも年とともに食は細くなる。過食は異常だが,これは自然。その自然に任せるのが,人間の本性=自然にかなうことになるであろう。

 認知症ONLINE

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2018/08/14 @ 11:14

カテゴリー: 健康

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