ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

京都の米軍基地(119):現場に切り込まない朝日「現場へ!」(4)

5.宗教活動としての「良き隣人」
「良き隣人」としての駐留米軍が,もう一つ熱心に取り組んでいるのが,宗教活動。そもそも「良き隣人」とは,換言すれば「隣人愛」のことであり,これはもともとキリスト教の最も大切な教えの一つだ。

「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」(マタイ 22:39)

「良き隣人」や「隣人愛」が一般的な意味を持つことはいうまでもないが,キリスト教文化圏で使用された場合,それが多かれ少なかれキリスト教的含意を持つことは,まず否定できないであろう。

したがって,「良き隣人」たれと教えられ,また地元からもお願いされた米軍が,これ幸いと自ら積極的にクリスマス,イースターなどのキリスト教関係イベントをしばしば開催し,地元住民,とりわけ子供たちを招き,ご馳走し,ゲームをし,聖歌を歌い,楽しく交流するのは当然といえよう。こうして駐留米軍は,キリスト教を利用して米国文化を地域住民に刷り込み,親米感情・親米軍感情を育んでいくのだ。

むろん,キリスト教それ自体は最も尊敬すべき宗教の一つだし,米軍人・軍属の中には他宗教や無宗教の人もいることは,言うまでもない。米軍人・軍属の宗教は,無宗教も含め,私人としては,その自由を尊重されなければならない。問題は,彼ら軍隊による宗教の政治利用。これは極めて危険であり,断じて許されてはならない。


■クリスマス会ポスター/米軍サンタがプレゼント(14MDB:FB2019/12/15一部修正)

6.お願いではなく権利の主張を
このように見てくれば,治外法権的米軍基地を受け入れ,米軍人・軍属に様々な特権を認めたうえで,その彼らに地域住民の「良き隣人」であってほしいとお願いするのは,自尊心なき植民地根性,あまりにも卑屈と見られても致し方あるまい。

地域住民は,最高法規たる日本国憲法により人および国民としての諸権利が保障されている。それらの権利は,「お願い」ではなく,法的な「権利」として主張されるべきだ。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」(憲法12条)

■災害復旧支援も米語会話教室も軍服(朝日夕刊2020/4/30,一部修正)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2020/05/11 @ 11:02

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