ネパール評論 Nepal Review

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祝,ホリエモン仮釈放!

ホリエモン(堀江貴文氏)が,3月27日,仮釈放となった。まずは,めでたい。仮釈放メッセージを見ると,獄中ダイエット成功で,スマートな「超健康体」になられていた。メッセージ内容も,驚くほど謙虚で健康的。本心かなぁ?

130327 ■ホリエモンTwitter

私は,ホリエモンを高く評価し,出所を心待ちにしていた。その筋の方々の出所も顔負けの,ド派手な「出所祝い」となるかと思っていたら,少なくとも今日のところは期待はずれ。しかし,ホリエモンは,こんなモンではないはずだ。脂ギラギラ不健康こそ,氏の魅力。きっと,出所でたちまちリバウンド,賭博バブル経済を手玉にとり,無節操マスコミをこづき回し,世間を楽しませてくれるにちがいない。ホリエモン出所,万歳!

【ホリエモン関連記事】
ホリエモンの自立自尊とメディアの追従卑小
ネパールとホリエモンに学ぶ恐慌時代の生き方
ホリエモンの高貴さ,政財界の卑俗さ
ホリエモン・バブル破裂とネパール的生活再説
ホリエモンの偉さとネパール的生活再々説

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/03/27 at 20:47

ホリエモンの自立自尊とメディアの追従卑小

ホリエモン(堀江貴文氏)が,証取法違反有罪確定により,6月20日,東京拘置所に出頭した。

ホリエモンは,いつものように,今回も出来事の一部始終を劇画化し,エサ(ネタ)を哀願するメディアの鼻面を引き回し,自分のために利用し尽くした。

哀れなメディア。ぺこぺこ,両手もみもみしながら,「堀江受刑者」と猫なで声でレポートする。エサはほしいが,お上も怖く,「堀江さん」とも呼べないのだ。なんたる哀れ。惨めで,卑小で,矮小なメディア。

ホリエモンは自立自尊の人。私はホリエモンが大好きで,当初から支持してきた。ちょっとやり過ぎ,政財界の急所を突いてしまったため,政財界既成体制(establishment)にはめられ,罪を着せられてしまった。本物の陰険な巨悪は,既成体制の側にある。

ホリエモンの偉大は,それらをすべて見通し,自らの下獄・入牢さえも劇画化し,卑俗下賤な大衆の娯楽として提供し,もって大衆とともに既成体制の巨悪を嗤いものにしようとしているところにある。

ホリエモンの前では,「暴力装置」としての刑務所も下賤卑俗な大衆を楽しませるための格好の舞台装置となる。政財界既成体制が,こけおどしの「暴力装置(警察,検察,裁判所,刑務所)」を動員すればするほど,役者ホリエモンの演技は引き立つ。

勝負あり。偉大なホリエモンの完勝だ。出所が楽しみだ。派手な「出所祝い」でまたまた大衆を楽しませてくれるだろう。メデイアは,その日のため,差し入れにこれつとめるべきこと,いうまでもない。

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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/06/21 at 14:28

カテゴリー: 社会, 情報 IT, 文化

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ブログ引越を検討中

谷川昌幸(C)
このブログの引越を検討しています。
 
Googleの商法もかなりえげつないが,それでもマイクロソフトよりはまし。ほとんどの人が,マイクロソフトに見切りをつけ,引越準備を始めたので,とりあえずアドレスを確保しました。
 
ホリエモンを以前から尊敬しているので,やはりこのブログがよいかもしれない。
 
ヤフーは,以前はデザインがあまりにも幼稚で気恥ずかしかったが,最近はかなりシンプルになった。
 
(4)自前のサーバー
素人には難しいかもしれないが,結局は,自分のサーバーをもつのがよいかもしれない。これも検討中。
 

Written by Tanigawa

2010/06/12 at 15:28

カテゴリー: 情報 IT

ネパールの自力更生から学ぶ

谷川昌幸(C)

1.バクチ資本主義に茫然自失
アメリカ自由市場経済は,しつこく指摘してきたように,いかさま賭博である。
  ネパールとホリエモンに学ぶ恐慌時代の生き方
  ホリエモンの高貴さ,政財界の卑俗さ
  ホリエモン・バブル破裂とネパール的生活再説
  ホリエモンの偉さとネパール的生活再々説
  ギャンブル経済とネパール的生活
  通貨植民地日本とワルとネパール

胴元のアメリカは,いかさまがばれたとたん,さっさと保護主義に転向したが,お目出たいのが日本,しこたま非兌換ドル札を握らされ,右往左往するのみ。

2.搾取され放題の日本労働者
その日本でも特にお目出たいのが,われら小国民。先輩たちが,汗と血を流し獲得してくれた労働者の諸権利を,資本家どもに手もなく騙され,あっさり放棄してしまった。いま話題の派遣労働など,人間を「有声の道具」(古代ギリシャの奴隷の別称)としてしか見ていない。

少なくとも10年前頃までは,労働者の権利保障のため闘うことが出来た。不肖私も,仲間と協力し,非常勤職員の地位を期間の定めのない雇用として認めさせることが出来た。

3.闘わない労働者
ところが,いまの日本の労働者には,団結し闘うだけの才覚も気力もない。丑年の労働者たちは,従順そのもの,「生」を支配する「生権力」の命ずるままに日比谷公園から厚労省講堂に移され,次は講堂から廃校の体育館に移され,そして・・・・。

なぜ,生存権保障義務のある厚労省の講堂をそのまま占拠し,生存権を勝ち取るまでそこで闘わなかったのか? なぜ,他の労働者たちは,もっと連帯し,彼らの救済のために立ち上がらないのか?

4.労働者の自己責任
あえて言おう。いまの日本の労働者たちの苦境は,闘うことを忘れた私たちの自己責任,自業自得だ。政府や企業に救済をお願いするなどといったみっともないことは,やめよ。そんな暇があったら,団結し,闘え。自力更生だ!

5.ネパールの自力更生
自己責任,自力更生といえば,本場は何といってもネパール。政府が全く頼りにならないので,ほぼすべて自己責任,自力更生の毛沢東精神が自然発生的に生まれ,人々に共有されている。実にたくましい。

自力更生のネパールでは,政府はセーフティネットなど張ってくれないので,それぞれの人が血縁・地縁を総動員し,自前のネットを何重にも張っておく。病気や怪我,あるいは土地争いや交通事故でも,原則として自力救済,ときにははた迷惑ではあるが,そうしなければ生きられず権利も守られないのだから,仕方ない。

ネパールの生活は不安なように見えるが,血縁・地縁のセーフティーネットをもっているので,見方によれば,将来への安心感は日本よりもむしろ大きいのではないか。

6.権利のための闘争
権利のために闘う気力のない人や社会は,自己責任により,無権利の「有声の道具」状態に陥る――ネパールでも日本でも。

(参照)イエーリング『権利のための闘争』岩波文庫

Written by Tanigawa

2009/01/06 at 22:27

カテゴリー: 経済

ネパールとホリエモンに学ぶ恐慌時代の生き方

谷川昌幸(C)

金儲けなど、古代・中世の人々が信じていたように、非人間的な卑俗な活動だ。現代最大の哲学者の一人、ハナ・アーレントによれば、金儲け労働は、消費の必然への隷従であり、エサを求める動物と同じこと、人間の尊厳に値しない。

ちょっと言いすぎでは、と思わないではなかったが、「時は金なり」の低俗資本主義思想を広めたベンジャミン・フランクリンを建国の父とし、100ドル紙幣に刷り込み、その思想をドル札とともに世界中に広め刷り込んだアメリカが、「時」と「金」を「情報」と読み替え、バーチャル資本主義化し、世界をいかさま賭博に引き込み、バブルをふくらませ、そして破滅させるに及び、やはり哲学者は偉いと改めて感心した。

81011dollar  

100ドル札は「紙切れ」であり、ましてや「電子化マネー」は「電子のバブル(泡)」にすぎない。それらは、だまされ、信用している限りで、価値を持つ。が、誰かが、それは「紙切れ」だよ、「電子記号」だよ、と言ったとたん、化けの皮がはがれ、無価値となる。世界でもっとも信用ならない経済専門家たちが、株暴落を「信用収縮」などと物知り顔で解説しているが、そんなことは自明の理だ。

この恐慌時代においてもっとも参考になるのは、「ネパール的生活」か「ホリエモン的生活」である。下記参照。

ホリエモン的生活

ネパール的生活

Written by Tanigawa

2008/10/11 at 12:13

カテゴリー: 経済

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wikiでkumariで金儲け

谷川昌幸(C)

wikiはスゴイ。2,3日前からアクセス急増。ハテナ?と思ってリンク元を見ると、wiki。誰かが、wikiの「クマリ」記事の隅に小さく、わがブログへのリンクを張ってくれていたのだ。 (わがブログは不評だが、クマリは人気者。)
81009kumari
大人気の新クマリ(参考写真。本文とは無関係。nepalnews.com, 2008.10.7)

常々、欧米学界の権威を笠に着て、wikiは使用厳禁、もし使用したら0点と申し渡しているが、こんなにありがたいものなら、こっそり利用してみようと思う。

wikiに記事を書き、わがブログをそれとなく宣伝するのだ。こうすれば、アクセス急増は間違いない。それがどうした、と笑われるかもしれないが、なかなかどうして、アクセス増は絶好のチャンスなのだ。

わたしはかねてよりホリエモンを大いに尊敬しており、ネット商売で億万長者になることを夢見てきた。そして、ついに某社から「金1500円也」の広告仲介料が入ったのだ

しかも、いまや大学は全教員に対し、研究の社会への還元を名目に、ベンチャー起業を奨励している。要するに、冒険的金儲けをやれということ。

常識で考えれば、まったくもってバカげている。武士の商法丸出し。大学の世間知らずの先生方がベンチャー起業に手を出して成功するはずがない。しかし、米ギャンブル資本主義に目がくらんだ大学当局は、ベンチャー起業で社会貢献せよと強要してくる。

というわけで、私も起業家精神を大いに鼓舞され、楽して金を儲けることを考えた。そして、ついに金1500円也を儲けたのだ!

これでギャンブル資本主義世界での成功の秘訣を会得した。アナーキー・ネット世界で情報操作すればよいのだ。旧資本主義時代は「時は金なり」であくせく働いたが、いまは「ネット情報は金なり」で濡れ手に粟である。スゴイ時代になった。グーグル万歳!

Written by Tanigawa

2008/10/09 at 22:51

カテゴリー: 文化

ホリエモンの高貴さ,政財界の卑俗さ

谷川昌幸:

ホリエモンが勾留され,四面楚歌,非難の大合唱だ。卑怯ではないか! 口封じに閉じこめ,安全圏から一方的に糾弾するとは。ホリエモンに反論の自由があるとき,なぜ批判しなかったのか?

▼犠牲の子羊,ホリエモン
これは陰謀ではないか? ホリエモンは,巨悪を隠すためのスケープゴートにされたにちがいない。巨悪に骨までしゃぶられている庶民は,ゆめゆめ政財界やマスコミにたぶらかされ,ホリエモン非難の楚歌を合唱してはならない。

すでに何回か指摘したように(1/11,1/18,1/25),ホリエモン・バブルを煽ってきたのは政財界や朝日等のマスコミであり,それに便乗して一儲けしようとしたのは投機家たちだ。株や金融商品取引は,本来,投機家たちの化かし合いの世界,それこそ自民党のいう「自己責任」の下にある。額に汗することなく,指先一本で,巨万の富を得ようとすること自体,庶民倫理にもとる。それを承知で始めたくせに,いまになって騙されたと泣きつくのは,何ともみっともない。

▼朝日のホリエモン糾弾特集
みっともないばかりか,許せないのが,朝日だ。2月26日から「ホリエモンはなぜ生まれたか」という糾弾特集の連載を始めた。

「ライブドアが・・・・急成長できたのは,なぜなのか。拝金主義をあおるような言動も辞さなかった堀江貴文社長は,なぜ時代の寵児になれたのか。」(朝日2/26)

あれあれ,それは朝日新聞社のおかげではないか。大朝日が,はやし立てなければ,堅気の庶民が株バクチなんかに手を出すはずがない。

その朝日が,自分の大罪にほおかむりして,ホリエモン糾弾を始めたのは,なぜか?

▼搾取のからくり
ホリエモンは,根が正直,本物の美意識が災いして,小汚く騙しきれなかった。これに対し,巨悪は老獪であり,卑屈をものともせず庶民や途上国から富を搾り取っている。

健忘症の日本人はもう忘れたかもしれないが,前回バブルのころ,日本の金融機関は,アメリカに騙され,マスコミに煽られ,節税対策アパート経営,地上げなど,詐欺師かヤクザまがいのことを日本中で繰り広げた。ホリエモンの比ではない。挙げ句の果て,バブル破裂で,金融機関は負債まみれになり,とても返済できない,と誰もが思った。

ところが,いまやそれらの金融機関は,ぼろ儲け,儲かりすぎてカネの使い道に困っている。あの天文学的負債は,誰が穴埋めしたのか?

もちろん,庶民だ。時給700円,月給12万円(某米系保険会社の例)の中から,新自由主義の生み出した将来不安に備えコツコツためた貯金に,銀行は0.001%程度の利息しか付けない。ただ同然。そして,そうして集めた金を銀行は内外の株,債権,不動産に投資し,莫大な利益を得ている。自己責任には頬被りし,税金で尻ぬぐいしてもらい,さらに庶民からも,日々,かすめ取っている。

仕掛けが巨大すぎて,実直な庶民には見えないだけ。政財界ぐるみの国家的詐欺といっても,言い過ぎではあるまい。

▼実のなる花の卑俗さ
この詐欺同然の巨悪をカモフラージュしているのが,政財界の「心」や「心の教育」だ。ホリエモンは,その「心」でさえ,金で買えることを天下に知らしめたため,そう,あまりにも正直であったため,巨悪の仕掛けをバラされては困る政財界の怒りを買ったのだ。

政財界の「心」は,おいしい実をつける花である。いや,もっと正確に言うと,巨利を産み出す仕組みをごまかし,美化する卑俗な花に他ならない。

ホリエモンは偉い。実(利得)が尊いものなら,なぜ花で隠す必要があるのか,と語り,実践した。子(利益)が本当に大切なものなら,子を産む行為も子を生み出す部分も,恥部ではなく,隠す必要はないではないか。

これは逆鱗に触れた。政財界の利得行為は恥ずかしい行為,生み出す部分は恥部であり,花でもって覆い隠さなければ,とてもじゃないがやっていけない。

その卑俗な花を,ホリエモンはむしり取ろうとした。恥部丸出しでは,恥ずかしくて巨利は生み出せない。政財界が一致団結してホリエモン抹殺に動いたのはそのためである。

▼あだ花の高貴さ
その提灯持ちが,朝日だ。26日のホリエモン糾弾シリーズ(1)の見出は「あだ花」。これはまた,何たる浅はかさか!

ホリエモンは,資本主義社会で利潤を生むことは恥ずかしいことではなく,隠蔽するための花など必要ない,と喝破した。そして,儲けはどうせ浮利だから,浮利の論理に徹したらよいと開き直った。ここにホリエモンの偉さがある。

花は,本来,昆虫などを騙すためのものだ。うまく騙せば,受精し,実が稔る。だから,花を咲かせ,おいしい実をたわわに稔らせている政財界のお歴々は,本心(受精)を隠し,庶民をうまく騙していることになる。

ところが,その反面,実をつける花は,実をつけるという,後ろめたい不純な動機を持っているので,つまり恥部隠蔽の卑小な原罪意識に災いされ,美に徹しきれず,美しくはなりきれない。

これに対し,実のならない「あだ花」は,美しく騙すことそれ自体が目的であり,したがって純粋であり,絶対的に美しい。観賞用の花が実をつけなくても,誰も「騙された」といって怒りはしない。あだ花の美と戯れ,美しさに騙され,これを楽しめば,それでよい。

▼ホリエモンの美しさ
ホリエモンは,善良な庶民を騙すつもりは,毛頭なかった。彼は,政財界の卑俗な「心」(実のなる花)の本性を暴露した上で,バーチャル金融の花札に参加した。そして,そこで「株式時価総額」という「あだ花」で投機家たちを誘った。

ホリエモンは,政財界のように「心」で「利得」を隠すような卑小な詐術は弄していない。カネはカネだと明言した上で,「時価総額」という美しい「あだ花」で投機家たちを誘惑した。最初から「あだ花」だよ,といって金融投機の花札をやっているのだから,ウソはついていない。

ところが,皮肉なことに,「あだ花」の方が,実のなる花よりも圧倒的に美しい。花札だと分かって始めた投機家たちも,そのあまりの妖艶さに魂を奪われ,我を忘れ,のめり込んでしまったのだ。

ただ,それだけのこと。バーチャル金融世界は,本来そういうところであり,魂を奪われたのは,奪われた方が悪い。自己責任に決まっている。それなのに,失恋の責任を恋人の美しさになすり付け,権力に泣きつくとは,何とも情けない話しだ。

▼小姑的嫉妬に負けるな!
政財界や朝日などのホリエモン糾弾は,ホリエモンの「あだ花」的美しさへの,小姑的な醜い嫉妬に由来する。ホリエモンの美しさは,彼の罪ではない。遊び心を忘れ,本気で惚れ,振られた。自業自得だ。

ホリエモン頑張れ! 出獄したら,もう一度同じことをやり,その美しさで朝日や投機家どもを魅了し,そして,もう一度捨ててやれ!

Written by Tanigawa

2006/03/01 at 19:01

カテゴリー: 経済

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通貨植民地日本とワルとネパール

.谷川昌幸:

ホリエモン弁護論の中で,本物のワルは他にいると書いたら,「それは誰だ」との質問(詰問)が殺到した。大和銀行(りそなHD)株で10倍儲けるくらいの才覚しかなく,本物のワルを自分では説明できないので,ここでは他人のフンドシをかり,説明することにする。

●三國陽夫『黒字亡国』文春文庫,2005

この本を読めば,全くの素人でも,本物のワルの前では,ホリエモン氏がいかに微笑ましく見えるか,そして,ホリエモンにすらなれない自分がいかに脳天気なおバカさんかを,思い知らされるだろう。そして,この本でも,救いはやはりネパール(正確にはチベット)にあり,とされている。

植民地インドの教訓
かつて大英帝国は,インドを植民地とし,ポンドを決済通貨とした。

  <インド>     <イギリス>
 資源,産物など →   輸入

 代金        ←   ポンド
 国内使用困難
 運用難      →   貯蓄・投資

つまり,イギリスは,ポンド決済を認めさせることにより,公正な商取引を装いながら,インドの富を略奪する巧妙な仕組みを作り上げたのである。

インド人は,せっせと働き,自国の資源や産品をいくらイギリスに輸出し黒字を稼いでも,代金のポンドはインド国内では運用できず,結局は,イギリスに環流する。インドは名目的にはポンド資産を蓄積していても,それはシティ(ロンドン)にあり,実質的にはイギリスのものであり,イギリスを豊かにするために使われた。いかにも英国紳士らしい,上品かつ冷徹なやり方ではないか?

通貨植民地日本
この歴史から何も学ばなかったのが,日本。第2次大戦後,独仏は米の通貨奴隷になることを警戒し,ドルを外貨準備としてして蓄積することを止め,結局は,ユーロ圏をつくりあげた。これに対し,日本はバカの一つ覚えのようにドル=紙切れをため込んだ。

  <日本>      <アメリカ>

 アリ国民          キリギリス国民

 工業製品等   →  輸入

 輸出代金     ←  ドル
 貿易黒字
 ドル資産
 国内運用困難 →  国債,社債,株式
     ↓           ↓
 デフレ,生活苦      好景気,消費拡大
 過労死           生活向上

日本名義カード使いまくり
インド植民地と同じではないか。日本人は,休みも取らずコマネズミのように働き,輸出に励み,賃金は不安な将来のために貯蓄や保険にあてる。

しかし,そうして得た黒字もドルで日本では使えないし,銀行や保険会社がかき集めた金も低金利の日本では運用できず,結局は,高金利のアメリカに環流する。

アメリカは,国際収支がいくら赤字になっても平気だ。いや,赤字になればなるほど,アメリカ国民の生活は豊かになる。

赤字になっても,日本(や中国など)が黒字をドル資産で蓄積しているので,頃合いを見計らって,ドル安にすれば,アメリカの借金は棒引きになる。

著者の三國氏は,アメリカは夫(日本)名義のクレジットカードを無際限に使い,贅沢三昧している悪妻のようなものだという。

独仏は,このカラクリを見抜き,本気でアメリカと渡り合い,ドル依存から脱出した。お人好しの日本は,働き過ぎ,不公平貿易と非難されながら,せっせとアメリカに奉仕している。まるで,奴隷が働き過ぎを詫びながら,ご主人様のために身を粉にして働いているようなものだ。

このカラクリが分かれば,黒字国の日本がなぜこれほどまでに貧しく,赤字国のアメリカが豊かなのかが,容易に理解できる。わが長崎大学を見ても,学生は高い授業料にあえぎ,奨学金はほとんど無く,教職員は競争で脅され,こき使われ,校舎もぼろぼろで,まるで古びた倉庫のようだ。アメリカの快適な大学生活とは雲泥の差だ。

救いはネパールに
このワルの悪巧みから脱出する最善の方法は,先述のように,ネパール的生活にある。三國氏は,バタイユの説として,こう述べている。

「まずチベットの例である。過剰な消費の担い手は仏教だった。成人男子3人につき1人の割合で聖職者であり,寺院の予算額は国家予算額の2倍,軍隊のそれの8倍に達した」(p.149)。

つまり,黒字をため込むほど働くな,ということ。輸出向け生産や海外投資ではなく,国内の生活や文化のためにもっと金を使えと言うことだ。

60年代までの日本
わが故郷の丹後では,少なくとも60年代までは,ネパール的生活とほとんど変わりはなかった。いまの日本人は,ネパール人は遊んでばかりいて働かないと憤慨するが,日本も同じであった。

わが村では,大人にも子供にも十二分に時間があり,暇つぶしに様々な遊びをしていた。寄り合い,村仕事(遊び半分のボランティア活動),運動会,祭り,囲碁将棋,釣り,海水浴,スキー・・・。そして,遊びは文化だから,文化も多様で豊かだった。

その村の豊かな時間,多様な文化が,高度成長とともに失われ,いまやわが村はサラリーマン化した村人が,低賃金・長時間労働で疲れ果て,帰宅し,翌朝まで寝るだけのベッド・ビレッジとなりはてた。

幸福を尺度として計れば,いまのわが村は,60年代以前よりも,そしていまのネパールの(紛争下にない)村よりも,貧しい。

やはり,救いは,ネパール的生活である。

Written by Tanigawa

2006/01/29 at 22:20

カテゴリー: 経済

ホリエモンの偉さとネパール的生活再々説

谷川昌幸:

ITバブルをふくらませたホリエモン氏が1月23日,本物のワルにはめられ,逮捕された。氏には,詫びなど入れず,オレを否定するのなら,資本主義を否定してからにせよ,と大向こうをうならせてほしい。頑張れ,ホリエモン! 

▼心による粉飾
ホリエモン氏の粉飾は,即物的で見やすいが,本物のワルは,粉飾を「欲望」+「契約の自由」+「自己責任」=「資本主義の精神」により飾り,弱者から無慈悲にありとあらゆるものを搾り取っている。そして,その粉飾を指摘しようものなら,警察や軍隊を差し向け,黙らせる。さらにワル中のワルは,愛国心で国家を粉飾し,庶民の財産ばかりか,身体・生命までもだまし取る。

たとえば,富士火災海上保険は,男性社員(53歳)との自由意思による労働契約に基づき,2005年6月分月給を2万2632円支払った(朝日2006.1.22)。これが,「契約の自由」による粉飾でなくて何なのか? あるいは,同じ仕事をさせて,賃金を半分も支払わない派遣労働や非正規社員。こんな契約がどうして正当なのか?

▼暴力による粉飾
もっと大規模で不安を禁じ得ないのが,米系を中心とする金融機関の怪しげな宣伝,集金だ。テレビ,新聞,チラシなどで「安い掛け金」「お得」「有利」と大々的に金融・保険商品を宣伝し,日本庶民のなけなしのお金を吸い上げ,どこかに持ち去っている。経済は素人なので詳しくは分からないが,ホリエモンとは比較にならないほど怪しい。ホリエモンに投資したのは投機家であり,自業自得ともいえるが,こちらは投機家ではなく,ごくまっとうな庶民相手であり,それだけにタチが悪い。

集めた金の行き先は,おそらく本国アメリカであろう。日本庶民の労働の成果をアメリカに持ち帰り,見返りに,紙切れ(ドル)をくれる。日本だけでなく,世界中の貧乏人から,お金をかき集め,贅沢三昧し,やはり紙切れを押しつける。もし,そんな紙切れはいやだといえば,世界最強最大の暴力団,米軍を差し向け,爆弾の雨を降らせる。アメリカ・グローバル粉飾決算は,核兵器で隠蔽されているのだ。

▼心はお金で買える
そんな本物のワルに比べれば,ホリエモン氏は,怪しげな「心」やら「愛国心」を持ち出さないし,ましてや核兵器で脅したりはしていない。投機家の裏をかこうとして,少々やりすぎただけだ。

そう,これが資本主義なのだ。ホリエモンは「人の心はお金で買える」(朝日社説2006.1.25)と喝破した。名言であり,わが授業でも大いに称賛している。資本主義では,お金で買えないものはない。「心」にも値段を付け,お金で買える。当然だ。

▼心を売った自民党と経団連
事実,ホリエモンは,お金(利益供与)で自民党を買い(自民党は「心」を売り),そして日本資本主義の総本山,経団連を買った(経団連は「心」を売った)。ごくまっとうな商取引ではないか?

▼心で契約ホゴに
ところが,「自己責任」で自分の「心」を商品化し売却したはずの自民党と経団連が,いまになって「心」は商品化できないと,「自己責任」を棚に上げ,無理矢理,契約をホゴにした。卑怯ではないか!

資本主義において,「心」は,ワルの粉飾決算を美しく飾る造花にすぎない。ダマされてはならない。

▼心で買われる生命・財産
ホリエモンは,「人の心はお金で買える」と公言し,堂々と,そのとおり行動した。これに対し,本物のワルは,自分はコソコソお金で心を買っていながら,バレそうになると,「人の心はお金で買えない」とウソをつき(心による粉飾),それでもだましきれなくなると,権力で黙らせる。お金で心を買うのよりも,「心」で粉飾し,財産ばかりか,身体・生命までもかすめ取る(搾取する)方が,悪いに決まっている。お金で心を買われても,少なくとも代金と身体・生命は残る。粉飾用のまがいものの「心」で買われたら,お金はおろか身体・生命までも無くなってしまう。

▼朝日の粉飾記事
「心」でいま「節」を売っているのが,大朝日。25日の社説は「自民の責任 『わが息子』だったのでは」と「堀江社長逮捕 お金で何が買えたのか」の2本立て。よくもまあ,こんな恥ずかしい社説を書けたものだ。お金で心を売っていたのは,他ならぬ朝日など,商業ジャーナリズムではないか!

▼見苦しい後知恵
いつものことながら,朝日の「後知恵」は,あまりにも見苦しい。逮捕以前にこの趣旨の批判をしていたのなら,評価できるが,逮捕後の無反省な時流便乗は,情けない。こんなことをしていると,またまた「時流に乗り遅れるな」と進軍ラッパを吹くことになる。許せない。

▼見えていたバブル破裂
バブルが危険水域に入っていることは,全くの素人である私ですら,容易に見て取れた。ライブドア強制捜査開始前の1月11日に,
私がバブル警告をしたのは,偶然でも何でもない。素人でも,いや素人だからこそ,これは危ないと感じたからだ。この1年余りの株相場は。サルに買わせても,2倍,3倍の儲けになる。時給700円,月給2万円余(富士火災)の時代に,どうしてこんなバカなことが,まかり通るのか? 続くわけがない。

そして,もっと危ないのが,国民総投機家になっている現状だ。こんなことをしていると,30万人(ライブドア株投資家数)ではすまない。国民総破綻となりかねない。

▼絶対安全確実,有利な投資先,マル秘情報
もしいま投資する気なら,最も安全かつ有利な投資先を,こっそりお教えしよう。他言無用,マル秘情報だ。それは,自分自身への投資。これは,死ぬまで絶対に無くならない。いや,投資の成果が上がれば,それは死後も,尊敬,敬慕となって永く残るに違いない。

▼お金で買えない物の宝庫,ネパールへ
お金で買えるものがあるのは資本主義社会だとすれば,お金で買えないものがあるのは,当然,非資本主義社会である。ネパールがその典型だ。いまこそ,自分への投資のために,お金で買えないものの宝庫,ネパールへ行こう。

お金に目のくらんだ資本主義人間には不合理としか見えないだろうが,ネパールには,お金で買えない(だから不合理な!)ものが無数にある。

 <ネパール>       <日 本>
 子供             大人子供
 時間             時は金なり,多忙
 静寂・自存(地方)     情報洪水,自己疎外
 密な人間関係       孤独,独居老人
 生と死            生死からの疎外(病院での生死)
 敬老             現代版姥捨て山
 安定,保存         進歩,不安,破壊,革新
 共生             競争
 不潔(ばい菌との共生)  清潔,潔癖症
 余裕,遊び,いい加減   合理化,管理,ムダ排除

むろん,お金で買えないものにも,善いものと悪いものがある。たとえば,人間関係も度を超すと,窒息しそうになる。不潔も度を超すと,危険だ。しかし,ネパール的生活の極意である「いい加減」をまず体得しておけば,ネパールの「お金で買えないもの」は現代の不幸な日本人の救いになる。

「お金で買えないもの」は自民党や経団連にはない。「心の教育」は文部科学省にはない。そもそも「科学」は「心」ではない。まがいものではない「心」,本物の「お金で買えないもの」――それはネパールにある。さぁ,いまこそ希望の地,ネパールに行こう!

ギャンブル経済とネパール的生活 (2006.01.11)
ホリエモン・バブル破裂とネパール的生活再説 (2006.01.18)

Written by Tanigawa

2006/01/25 at 23:59

カテゴリー: 経済

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ホリエモン・バブル破裂とネパール的生活再説

予言的中。1月11日付「ギャンブル経済とネパール的生活」で指摘したギャンブル経済の病理が,ネット・バブルの象徴,ホリエモン氏のライブドアへの東京地検強制捜査,ライブドア錬金術の破綻となって現実のものとなった。残念なのは,神のような予言能力を持ちながら,マモン批判に気をとられ,バブル破裂によるぼろ儲け――マモン神への復讐――の絶好のチャンスを失したこと。あの予言の時点で株の空売り(投機の極意!)をやっておれば,一瞬にして何十億と儲け,ホリエモン氏退去後の六本木ヒルズに入居し,都下を睥睨していたはずなのに,残念!

▼ホリエモンと大衆
しかし,私はホリエモン氏を高く評価している。授業でもホリエモンは偉い,と公言してきた。そもそも,株,いや資本主義とはそんなものだ。その原理を知り抜き,投機で急成長してきたのが,ホリエモン氏。どこが悪い! 資本家やその寄生者のくせに反資本主義的封建徳目を唱える政財界の親玉よりも,はるかに立派ではないか。

愚かなのは,そんな見え透いたカラクリにだまされ,時給700円前後(長崎市最低賃金,パート実勢時給)で細々貯めたなけなしの金や,「非文化的で不健康な生活」を保障する国民年金を元手に,一攫千金を夢見て,株バクチに投資した多くの国民だ。ホリエモン・バブル破裂で茫然自失,狼狽しているのではないか?

▼朝日新聞の大罪
大衆投機家は愚かだが,同情には値する。これに対し,許せないのは,先に指摘した高級紙のバブル扇動だ。今日1月18日の朝日新聞を見よ。1面で,ホリエモンが株操作によって2004年11月8日から12月16日の間に株価総額を37倍にした疑惑を報じ,権威ある社説では「ライブドア『勝ち組』暗転の衝撃」の見出しの下に,ホリエモン氏への刑事責任追求を高飛車に要求している。ところが,8面の「アエラ」広告では,堂々と,「一周遅れ人のための株入門,上昇銘柄予想の仕方/平均株価2万円の壁超す時期」とバブルを煽っている。これは何だ! 社説に従い,バブルに乗るのを止めるべきか,アエラに従い,株投機一周遅れを取り戻すべきか?

株投資で一番危険なのは,「一周遅れ」を唱え,「乗り遅れ」不安をかき立て,投機へと大衆を誘い込むことだ。大衆は株知識がないから,煽られるとたちまち不安になり,一斉に株投機へと走り出す。信じられないことだが,最近では,郵便局までが,郵便配達の特権を利用し(これは違法ではないか?),投機商品をさかんに勧誘している。多少慎重な人であっても,大朝日や郵便局が勧めておれば,まあ安全かと思い,投機へと傾くであろう。

しかし,大衆が走り出した頃には,バブルを仕掛けたワルは,そっと退却し始めている。そして,バブル全面破裂で大衆が気づいた頃には,もう手遅れ,どうにもならない。しかも,ワルは悪知恵が働くから,「自己責任」の論理で何の責任もとらない。

ギャンブルで儲けるのは胴元だけ,ということは江戸の昔から,分かり切っている。資本主義ギャンブルの胴元は,誰か? それも,ちょっと冷静になれば,すぐ分かる。だったら,投機には手をださにことだ。

▼ネパール的生活で億万長者に
そして,敬愛するネパールへ行き,しばらくネパール的生活の修行をすることだ。そうすれば,資本主義ギャンブルの胴元の手が透けて見え,マモン神の裏をかき,一攫千金の夢を実現できるかもしれない。

*『朝日新聞』2006年1月18日

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2006/01/18 at 10:51

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