ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

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強制失踪,脛に傷の体制エリート

8月30日は「強制失踪被害者の日(International Day of the Victims of Enforced Disappearances)」。ネパールでも,強制失踪者の家族や支援者らが,失踪事件の解明と被害家族の救済を訴えた。

 

1.強制失踪防止条約
「強制失踪」とは,国家機関等が不法に人の自由を奪い,強制的に失踪(行方不明に)させること。国連は,このような行為を「強制失踪犯罪」と定め,それを処罰するため,「強制失踪防止条約」を採択した(総会採択2006年,条約発効2010年)。

この条約は,締約国に次のことを義務づけている。
 ・強制失踪は「人道犯罪」であり,刑法で「犯罪」と規定すること。
 ・強制失踪を調査し,責任者を訴追すること。
 ・強制失踪申し立ての権利を保障し,速やかに当該の件につき調査すること。
 ・強制失踪調査機関に必要な権限と財源を付与すること。
 ・秘密拘禁の禁止。
 ・強制失踪の被害の回復。

強制失踪防止条約は現在,署名96か国,批准57か国。日本は2007年署名,2009年批准したが,ネパールは未署名。(米英ロ中なども未署名。)

2.人民戦争期の強制失踪
ネパールでは,人民戦争(1996-2006)において,死者約1万3千人のほかに,強制失踪者も千数百人だしている。(失踪の訴えは多数あり,実数はまだ不明。)

人民戦争は,王国政府とマオイストが国民を巻き込んで戦った内戦であり,強制失踪には交戦両当事者のいずれもが関与している。政府側(王国軍,武装警察,警察など)はマオイスト容疑で,逆にマオイスト(人民解放軍など)は反マオイスト容疑で,人々を連行し,多くの場合拷問を加え,おそらく殺害し,そのまま行方不明にしてしまった。強制失踪である。

現在,「強制失踪者調査委員会(CIEDP: Commission for the Investigation of Enforced Disappeared Persons)」(後述)には,強制失踪の訴えが2870件だされているという。このうちバルディア284件,ダン124件,バンケ121件。

バルディアが最多だが,ここには王国軍のチサパニ基地があり,ここが反政府派の取り調べに利用された。連行されてきた人々の大半がタルー族の若者で,拷問され殺害されたとされるが,詳細不明。これに対し,マオイスト側もバルディアで十数名を連行,行方不明にしてしまったとされる。まさしく強制失踪の応酬,こうしたことが人民戦争期には極西部,中西部を中心に全国各地で行われたのである。

3.強制失踪者調査委員会の機能不全
強制失踪については,「包括和平協定」(2006年11月)でも「2007年暫定憲法」(33(q)条)でも解決への努力が規定されていた。そして2014年には,「失踪者調査および真実和解委員会法」が制定され,これに基づき2015年2月には「強制失踪者調査委員会(CIEDP)」と「真実和解委員会(TRC)」が設立された。両委員会の任期は当初2017年2月10日までだったが,1年延期され2018年2月10日までとなっている。

しかし,CIEDPやTRCが設立されても,強制失踪問題への取り組みは,一向にはかどらなかった。人民戦争を戦い強制失踪に何らかの形で関与したとされる政府側とマオイスト側の幹部が,ほとんどそのまま和平後新体制の中枢にいる。したがって,強制失踪の解明を進めると,責任追及が彼ら自身にまで及びかねない。そのため,CIEDPやTRCには権限も予算も十分には与えられず,委員会の政治的独立も十分には保障されていない。強制失踪の解明が進まなかったのは,当然といえよう。

 ■CIEPD / TRC

4.新聞各紙の強制失踪問題報道
ネパール各紙も,この状況を次のように批判している。

「彼らはどこに?」ネパリタイムズ,8月29日(*1)
強制失踪者調査委員会(CIEDP)は,任期あと半年のため,任期再延長を求めているが,犠牲者家族はCIEDPには失望してしまっている。「いまや政府は,われわれの家族の拘束・拉致を命令した人々により動かされている。政府に従っているだけのCIEDPには何の期待もできない」(失踪者家族全国ネット議長ラム・バンダリ)。調査できないなら,委員は辞職せよ。

「正義の失踪」ネパリタイムズ,9月1日(*2)
強制失踪は,革命や反乱鎮圧を名目として行われた犯罪である。ところが,当時首相だったデウバ[首相在職1995-97, 2001-02, 2004-5, 2017-]やマオイスト党首のプラチャンダ[首相在職2008-09, 2016-17]が,いまや政府を率いており,ともに相手の罪を水に流そうとしている。

CIEPDとTRCには,彼らの息のかかった人物が送り込まれている。「任命された彼らの仕事は,調査を失速させ,指導者らを免罪にすることだけだった。」最高裁が有罪としたケースですら,TRCは無罪とした。「これら2委員会は,正義を実現する政治的意思をもたず,したがって当然,任期延長の理由もない。」

RK・バンダリ「失踪」カトマンズポスト,8月30日(*3)
「CIEDPは真実と正義を追求する政治的意思を持たず,もっぱら政治的利害に奉仕する弱々しい機関のようだ。・・・・この2年半,委員会は公平な犠牲者調査を怠ってきた。委員の大半が政党により忠実な代理人として任命された事実をみれば,これはなにも驚くべきことではない。」

「足跡もなく」カトマンズポスト社説,9月1日(*4)
「強制失踪は重大な人権侵害であり,国際法では犯罪とされている。ネパールは,この犯罪の重大さを認識し,それに見合う刑罰を定めねばならない。ネパールの移行期正義の問題点の一つは,まさにそれを定めた法がないことにある。・・・・」

「CIEDPとTRCが設立されて3年が過ぎようというのに,重大な人権侵害や虐待の犠牲者たちに正義はまだもたらされていない。ネパールの移行期正義は,制度的にも運用においても,国際基準にははるかに及ばない。」

「いまネパールでは,強制失踪を犯罪と定める法案が準備されている。・・・・しかし,この法案には欠陥があり,国際基準にははるかに及ばない。ネパールには,強制失踪に関する明確な国法がぜひとも必要である。」

5.改正刑法の強制失踪罪
ネパール政府は,強制失踪被害者の要求や国際社会からの圧力を受け,刑法(ムルキアインの刑法部分)を改正し,そこに強制失踪を犯罪とする規定を組み込むことにした。改正刑法案は8月9日,立法議会で可決され,あとは大統領の署名を待つだけとなっている。

この改正刑法の正文はまだ見ていないが,報道によれば,強制失踪に関する規定は不十分で,国際基準にも2007年の最高裁判決にもはるかに及ばないものだという。もしそうだとすると,皮肉にも,強制失踪が現体制にとっていかに敏感な問題かを,改正刑法が如実に物語っているとみてよいであろう。

(注)刑法改正について
8月の刑法改正では,強制失踪のほかに,チャウパディ(生理中女性隔離),ダウリー(持参金),奴隷労働,環境汚染などが犯罪として規定された。また,人身売買,重婚,強制結婚,レイプ,結婚年齢20歳以上,ハイジャック,ジェノサイドなどについても規定された。大幅な改正であり,特にチャウパディ禁止が注目された結果,皮肉にも,強制失踪規定からは目が逸らされる結果となってしまった。

*1 Om Astha Rai, “Where are they?,” Nepali Times, 29 Aug 2017
*2 “Disappearance of justice,” Editorial, Nepali Times, 1-7 Sep, 2017
*3 Ram Kumar Bhandari, “The disappeared,” Kathmandu Post, 30 Aug 2017
*4 “Without a trace,” Editorial, Kathmandu Post, 1 Sep 2017
*5 Om Astha Rai, “Toothless commission,” Nepali Times, 23-29 Aug 2016
*6 Nepal’s Transitional Justice Process, ICJ, August 2017
*7 “Nepal’s transitional justice mechanisms have failed to ensure justice for victims: ICJ,” Kathmandu Post, 8 Aug 2017
*8 Profile of Disappeared Persons, INSEC, 2011
*9 Ashok Dahal, “Landmark legal reform bills passed,” Republica, 10 Aug 2017
*10 “Criminal code passed, Chhaupadi criminalized,” Republica, 9 Aug 2017Nepal
*11 真実和解委員会の構成と機能(4)
*12 真実和解委員会任期,最高裁判決無視し1年延長

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/09/11 at 15:25

カテゴリー: マオイスト, 人権, 人民戦争

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真実和解委員会任期,最高裁判決無視し1年延長

プラチャンダ内閣は2月9日,「真実和解委員会(TRC: Truth and Reconciliation Commission)」と「失踪者調査委員会(COID: Commission on Investigation of Disappeared Persons)」の任期を1年延長し,2018年2月10日までとした。

TRCとCOIDは,マオイスト人民戦争(1996-2006)終結のため締結された包括和平協定(2006年11月)に基づき制定された「TRC法(強制失踪者調査および真実和解委員会法)2014年」(2014年5月11日公布施行)の規定に従い,2015年2月10日に設置された。当初の任期は,2017年2月10日まで。

ところが,TRC(とCOID)は,任期満了のこの2月10日までに,その任務を果たすことが出来なかった。幾度か指摘したように(参照:真実和解委員会),人民戦争期には,重大な人権侵害が多数行われ,加害者は政府側にもマオイスト側にもいた。しかも,包括和平協定後の現体制は,人民戦争を戦った主要諸勢力がすべて参加して構築し,維持してきたものだ。したがって,人民戦争期の人権侵害を追及していけば,必然的に主要政党政治家や政府高官など,現体制下の有力者の責任が問われることになるのは避けられない。調査を担うTRCそれ自体ですら,有力諸政党代表により構成されているといっても過言ではないのである。

そのため,TRCとCOIDは設置されたものの,調査は遅々として進まなかった。被害の受付こそ2016年2月から始められ,約6万件を受け付けたものの,2017年2月10日の任期切れまでに調査を完了したものは1件もない。重大事件であればあるほど,加害者は現体制下の有力者だからである。

この状況に被害者たちは不満を募らせ,国際人権諸団体の支援も得て,政府に対し実効的な正義の実現を強く迫っていった。プラチャンダ内閣は,この要求に押され,TRC任期を1年延長し,調査の継続を図ることにしたわけである。

しかし,この泥縄のTRC任期延長には,人民戦争被害者やその支援諸団体が,厳しい批判を加えている。たとえば,サム・ザリフィ国際法律家委員会アジア局長は,次のように指摘する。

「被害者らは正義を求め10年以上待ち続けており,もはや移行期正義の手法への希望を失いつつある。・・・・ネパール政府が,TRC法を最高裁判決と国際法に沿うよう改正し,かつ両委員会の任務遂行を2年間にわたり阻害してきた根本的諸要因を除去する具体的な対策をとらなければ,両委員会の任期延長は無意味となるであろう。」(IJC「ネパール:実効的権限付与なしの移行期正義委員会任期延長は犠牲者の信頼への裏切りである」IJC, 10 Feb. 2017)

【参照1】TRC法,2014年
第26条 アムネスティ(要旨) 委員会は,十分に合理的な理由があると認めた場合,重大な人権侵害についてもアムネスティ(赦免)を政府に勧告することが出来る。

【参照2】最高裁判決(2015年2月26日)要旨
(1)重大な人権侵害を赦免するTRC法のアムネスティ条項は不当。
(2)同意なき和解は認められない。
(3)法廷係争中の事件をTRCに移送してはならない。
(4)TRC法,特に上記(1)は,ネパール国家の国際法上の義務に違反。

また,ネパール立法議会でも,「社会正義・人権委員会」が2017年2月9日,政府に対し,TRC法を最高裁判決に沿うよう改正し,委員会には必要な予算と人員を配分せよ,と勧告している。

しかし,それでもなお,プラチャンダ内閣は,そうした要請をことごとく無視し,TRC任期の1年延長だけにとどめた。これでは,移行期正義の手続きを進め,人民戦争被害者を救済し,和解を実現していくことは,困難であろう。

 170214a

*1 ICJ, “Nepal: extending transitional justice commissions without granting real powers betrays trust of victims,” International Commission of Jurists, February 10, 2017
*2 Alexandra Farone, “Nepal extends deadlines for war crimes investigations,” jurist.org, Friday 10 February 2017
*3 “Nepal extends term of war crimes probes by one year,” Himalayan Times, February 10, 2017
*4 “AI, HRW call to extend mandates of TRC, CIEDP,” Himalayan Times, February 05, 2017
*5 LEKHANATH PANDEY, “Conflict victims question TRC’s efficacy,” Himalayan Times, February 07, 2017
*6 “House panel tells govt to amend TRC and CIEDP Act,” Republica, February 11, 2017
*7 “Nepal: Supreme Court Strikes Down Amnesty Provision in Truth and Reconciliation Law,” The Library of Congress (USA), Mar. 17, 2015
*8 Wendy Zeldin, “Nepal: Supreme Court Rules Government Ordinance on Truth and Reconciliation Commission to Be Unconstitutional,” The Library of Congress (USA), Jan. 8, 2014
*9 Monica Moyo, “Nepali Supreme Court Rejects Amnesty for War Crimes,” The American Society of International Law, March 6, 2015

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/02/14 at 19:52

戦時犯罪裁判要求,プラチャンダ首相の覚悟は?(3)

3.父母のハンスト闘争
(1)ハンスト闘争へ
クリシュナを虐殺されたアディカリ一家は,警察に捜査を求め,容疑者を告発していった。主な容疑者は,後日告発も含め,以下の通り(*3,*20)。
 Chhabilal Poudel, 55, Fujel, Gorkha
 Januka Poudel(マオイスト女性リーダーでバブラム・バタライの妻ヒシラ・ヤミの側近)
 Meghnath Poudel, 57, Fujel, Gorkha
 Bishnu Tiwari, 40, Fujel, Gorkha
 Subhadra Tiwari, 48, Fujel, Gorkha
 Sita Adhikary, 30, Fujel, Gorkha
 Kali Prasad Adhikary, 50, Fujel, Gorkha
 Himlal Adhikary, 34, Fujel, Gorkha (Kali’s son)
 Ram Prasad Adhikary, 27, Fujel, Gorkha (Kali’s son)
 Ram Prasad Adhikary, 30, Fujel, Gorkha
 Bhimsen Poudel, 30, Ratnanagar Municiplaity, Chitwan
 Parashuram Poudel a.k.a. Ajib, 35, Bharatpur Municipality
 Baburam Adhikari
 Shiva Prasad Adhikari
 Rudra Acharya(英国在住)

政府は,父母の訴えを受け捜査に着手したものの,進展はせず,結論はずるずる先延ばしにされた。それどころか,マオイスト議長のプラチャンダが首相になると(在職2008年8月15日‐2009年5月4日),紛争関係被害の訴えをすべて棄却させてしまった(*2,*3)。また,後日首相(在職2011年8月29日‐2013年3月14日)になるバブラム・バタライも,捜査や裁判に繰り返し介入し圧力をかけた(*5,*6)。

そこで父母は2013年1月,カトマンズに移り,首相官邸前で息子殺害犯の裁判を求め,ハンストを始めた(当時の首相はバブラム・バタライ)。これに対し,政府は警察を動員し,父母を署に連行,拘置した。しかし,何回排除されてもハンストをやめないので,警察は父母を無理やりジープに乗せ,ゴルカに連れ戻した。あるいは,2013年6月には父母を精神病院に強制入院させたが,医師は異常なしと診断,40日後,父母は退院した(*2,*5)。

この間,マオイスト中央執行委員会は,政府に対し「真実和解委員会」の設置を要求し,紛争時諸事件を蒸し返すのは「包括和平協定」に違反すると非難した。またプラチャンダは,政府がクリシュナ虐殺事件を利用しプラチャンダとバブラムを逮捕しようとしているとして,政府を攻撃したという(*2)。

▼Sam Zarifi(ICJ) 「アディカリ夫婦は,マオイストや政府部隊の暴力行為による被害の救済を求める何千人もの人々の象徴である。」(*6)

(2)父のハンスト死
このようにして父母は不屈のハンスト闘争を繰り返してきたが,2014年9月22日,父ナンダが11か月に及ぶハンストの末,骨と皮になり,ビル病院で衰弱死した。52歳。

父ナンダのこのハンスト死は,衝撃的であった。
▼Brad Adams(Human Rights Watch’s Asia Division) 「ナンダ・プラサド・アディカリの死は,ネパールの紛争期犯罪に対する和解や補償の取り組みの欠陥を明るみに出した。」(*6)
▼カナク・マニ・デグジト 「われわれは,ナンダ・プラサドの命を救うため出来る限りの努力をした。彼は,正義を求めて闘い,そして命を失ったのだ。」(*4)
▼Damakant Jayshi  「ナンダ・プラサド・アディカリは,2004年にマオイストに虐殺されたとされる息子のため裁判を求め,決死のハンストを断行し,死んだのではない。かれは,過去を葬り去ろうとする非情な国家と諸政党により虐殺されたのである。」(*5)

(3)母のハンスト闘争
母ガンガは,父(夫)ナンダがハンスト死しても,正義への訴えを決してあきらめなかった。ガンガは,息子殺害責任者が法により裁かれ正義が実現するまでは葬儀はできないとして,父ナンダの遺体の引き取りを拒否,そのため遺体はいまでもビル病院遺体安置所にそのまま保管されている。

2014年10月,母ガンガは政府と10項目合意を取り交わし,息子殺害事件の捜査促進を約束させた。その結果,2015年12月には,最高裁がチトワン郡の関係機関に容疑者の取り調べを命令した。

しかしながら,政府や関係諸機関は,またしても実際には捜査・取り調べに真剣に取り組まず,はぐらかし,先送りを始めた。

そこで母ガンガは,再び首相に就任したプラチャンダ首相(マオイスト)にたいし,息子殺害責任者の裁判の実現を求め,2016年8月11日から,6回目のハンストに入ったのである(*27)。

今回の母ガンガのハンストは,先述のように,水も食塩水も拒否する文字通りの決死のハンストである。残された時間は長くはない。

160819■ハンスト中のガンガ:8月11日(INSECOnline)

4.移行期正義の試練
プラチャンダ首相は,母ガンガの突きつける移行期正義の問題から,今度こそ目を逸らすことができないかもしれない。

移行期正義は,プラチャンダ首相自身にとっても,極めて微妙な難しい問題である。政権交代に至るこの数か月,連立相手をUMLからNCに乗り換えようとしていたマオイストに対し,UMLは,プラチャンダや他のマオイストを戦時犯罪容疑で逮捕投獄する策を練っていたとされる(*27)。真偽は定かではないが,以前にも同じような謀略はあったのであり,まったく根も葉もない話ではない。

このように,母ガンガがいま突きつけている移行期正義は,プラチャンダ首相自身の政治生命にもかかわりかねない重要問題である。プラチャンダ首相は,就任早々,大きな試練に直面しているといえよう。

[2013]
*1 Killers Roam Free in Nepal, http://www.ipsnews.net/2013/09/
*2 KRISHNA ADHIKARI, Advocacy Forum[AF], Sep. 2013
[[2014]
*3 Death of justice, Nepali Times, September 22nd, 2014
*4 NANDA PRASAD ADHIKARI: Justice Denied, After 329 days of hunger strike, Nanda Prasad Adhikari died at Bir Hospital, Spotlight, Vol: 08 No. 8 September. 26- 2014
*5 The sad saga of the Adhikari family, It was murder, not a fast-unto-death, Nepali Times 26 Sep – 2 Oct 2014 #726
*6 Nepal: Adhikari Death Highlights Injustice; Investigate, Prosecute Conflict-Era Crimes, https://www.hrw.org/news/2014/09/26/nepal-adhikari-death-highlights-injustice
*7 Govt urges Ganga Maya to end hunger strike, Ekantipur, Oct 15, 2014
*8 The Resident Coordinator of the United Nations in Nepal, Jamie McGoldrick expressed his concern for the life of Ganga Maya Adhikari, Press Statement–16 October 2014, UNITED NATIONS
*9 Gana Maya ends hunger strike, Ekantipur Report, Oct 18, 2014
[2015]
*10 Ganga Maya gets Rs 2m in relief, Kathmandu Post, Feb 16, 2015
*11 Govt to release relief fund to Ganga Maya, Kathmandu Post, Mar 9, 2015
*12 Save Ganga Maya’s life: Rights activists, The Himalayan Times, June 16, 2015
*13 Ganga Maya files RTI application at Nepal Police Headquarters, The Himalayan Times, June 17, 2015
*14 Address Ganga Maya’s demand: Rights activists, The Himalayan Times, June 22, 2015
*15 Nepal Police replies to Ganga Maya Adhikari, The Himalayan Times, June 27, 2015
*16 Adhikari murder case in apex court, Kathmandu Post, Jul 3, 2015
*17 INSEC: Supreme Court orders judicial remand for accused murderer of Krishna Adhikari, Dec 21 2015, https://nepalmonitor.org/reports/view/8622
[2016]
*18 12 human rights activists briefly detained, The Himalayan Times, February 19, 2016
*19 She believes that Chabilal Paudel is under protection of the Home Minister himself, http://www.southasia.com.au/2016/03/03/
*20 NEPAL: State silence on Ganga Maya Adhikari screams murder (Press Release: Asian Human Rights Commission), Saturday, 9 July 2016
*21 Ganga Maya’s wait for justice continues, The Himalayan Times, July 18, 2016
*22 Ganga Maya Adhikari serves 5-day ultimatum to Dahal govt, warns of hunger strike, The Himalayan Times, August 05, 2016
*23 PARLIAMENTARY PANEL VISITS GANGA MAYA, REPUBLICA, 08 Apr 2016
*24 Ganga Maya Adhikari begins fast-unto-death again, The Himalayan Times, August 11, 2016
*25 INSEC news, August 11, 2016
*26 Gangamaya resumes fast-onto-death; keeps herself away from saline, medicine, Kathmandu Post, Aug 11, 2016
*27 Do or die, Nepali Times, August 12th, 2016
*28 Activists continue Save Ganga Maya campaign, The Himalayan Times, August 15, 2016
*29 NHRC asks govt to address Ganga Maya’s demands, Kathmandu Post, Aug 15, 2016
*30 No govt support for probing conflict-era cases: TRC chair, Republica, August 15, 2016
*31 A conflict-era ‘bourgeois’ teacher victim, Republica, August 15, 2016

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/08/19 at 09:54

真実和解委員会の構成と機能(4)

4.正義か平和か
「真実和解(Truth and Reconciliation)」は,もともと法的正義(法による裁き)の貫徹を断念し,和解による平和回復を求めるものである。和解には真相(真実)の解明と受け容れが前提とされているが,それは建前,現実には,真実は一つではなく,和解による平和は妥協による平和とならざるをえない。

ネパールでも,人民戦争は,国王政府かマオイストのいずれかが完勝すれば,勝者の裁判により妥協なき法的正義が実現されていたはずである。しかしながら,現実には,人民戦争は泥沼化し,いずれかの完勝は見込めなくなり,終戦には,法的正義をあきらめ,妥協による「平和」を選択せざるをえなくなった。かくして,「真実和解」が戦後処理の基本方針となったのである。

この「真実和解」は,妥協であり「正義」ではないから,人民戦争被害者にとっては,おいそれと受け入れられるものではない。生命,身体,精神そして財産への加害行為の責任を断固追及し,加害者を処罰せよ,という要求が出るのは当然だ。

ネパールの「真実和解委員会(TRC)」が直面しているのは,まさにこの被害者の「法的正義」実現への要求だ。国際社会や平和諸団体も,戦時中は“とにかく停戦,そして平和を!”と大合唱していたのに,いまでは宗旨替えし,“平和より正義だ”と叫び,TRCを,罪赦免の要件をあいまいにし法的正義をないがしろにしているとして激しく非難している。

これを受け,ネパール最高裁も,2014年5月4日判決において,旧TRC法(2012年)の罪赦免規定を違憲とし,その厳格化を命令した。さらに,改正TRC法(2014年5月11日)についても,最高裁は2015年1月26日,TRCに罪赦免の裁量権を認める規定や起訴済みの事件のTRCへの移送を違憲とする判決を下した。

最高裁とTRCのこの対立は,結局は,「正義」と「平和」の対立だ。これら二つの理念を,有力者から庶民まで様々な多くの利害関係者がいる現実政治の場で,どのように折り合いをつけるか? 難しいが,避けては通れない重い課題である。

 160623■南アフリカ真実和解委員会

[参照]
*1 “Nepal: Government must implement landmark Supreme Court decision against impunity,” International Commission of Jurists, February 27, 2015
*2 “OHCHR hails SC verdict on TRC amnesty provision,” Kathmandu Post, Mar 6, 2015
*3 Om Astha Rai, “Who doesn’t want a TRC? Conflict victims fear the TRC serves only the interests of a state made up of former enemies,” Nepali Times, 20-26 February 2015
*4 David Seddon, “TRC and Col Lama: Truth and reconciliation, but not without justice,” Nepali Times, 20-26 February 2015.
*5 KUNDA DIXIT, “Irreconcilable truths,” Nepali Times, 11-17 April 2014
*6 “Nepal: Supreme Court Strikes Down Amnesty Provision in Truth and Reconciliation Law,” The Library of Congress(USA), Mar. 17, 2015
*7 “Nepal: Reject Draft Truth and Reconciliation Bill, Proposed Measure Contravenes International Law,” Institute of Peace and Conflict Studies (IPCS), APRIL 17, 2014
*8 GOPAL SHARMA, “U.N. warns Nepal against amnesty for civil war crimes,” Reuters, Apr 15, 2014
*9 Kamal Dev Bhattarai, “Justice for Nepal’s War-Era Victims? Nepal struggles to form a mechanism that would deal with cases of wartime human rights violations,” The Diplomat, April 15, 2014
*10 Alison Bisset, “ TRANSITIONAL JUSTICE IN NEPAL, The Commission on Investigation of Disappeared Persons, Truth and Reconciliation Act 2014,” Bingham Centre for the Rule of Law, London, September 2014.
*11 “OHCHR Technical Note: The Nepal Act on the Commission on Investigation of Disappeared Persons, Truth and Reconciliation, 2071 (2014) – as Gazetted 21 May 2014,” OHCHR

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/06/23 at 20:12

カテゴリー: 平和, 人権, 人民戦争

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真実和解委員会の構成と機能(3)

3.真実和解委員会の職務
真実和解委員会(TRC)の具体的な職務については,上述の「合意」や法令に細々と詳細に規定されている。記述が錯綜し,わかりにくいところもあるが,要点をまとめると以下の通り。

(1)重大な人権侵害の調査と結果報告
重大な人権侵害事件を調査し,加害者と犠牲者を特定。犠牲者には調査結果を通知し,「犠牲者証明書」を発行する。調査結果報告書は公表する。

(2)損害賠償および被害救済の勧告
委員会は,加害者に対し妥当な損害賠償を勧告する。財産被害については,当該財産の返却または損害相当額の賠償の勧告。

また,政府に対しては,必要な被害者救済の実施を勧告する。
 ・犠牲者への損害賠償。上限30万ルピー。
 ・無償教育。大学まで。
 ・医療支援。上限10万ルピー。
 ・リハビリ支援。
 ・雇用保障,職業訓練。
 ・失業者への無利子貸与金。上限50万ルピー。
 ・無利子事業資金貸与
 ・住居支援。上限50万ルピー。
 ・その他,必要な措置

(3)和解の勧告
委員会は,被害者または加害者が和解を申し出,和解が合法である場合は,和解を勧告する。
 ・加害者は,人権侵害を反省し,損害を賠償し,謝罪をする。

(4)罪の赦し(アムネスティ)
委員会は,加害者の申し出と被害者の同意がある場合,調査のうえ,罪の赦免(アムネスティ)を勧告する。罪の赦免には,次のことが必要:
 ・加害者が,重大な人権侵害を犯した事実を認めること,
 ・加害者が,加害行為に関する事実をすべて委員会に申し出ること,
 ・加害者が,加害行為を反省し,犠牲者に謝罪し,それを犠牲者に受け入れられていること,
 ・委員会は,被害者への妥当な損害賠償を勧告すること。

(5)訴追の勧告
加害者に対し罪の赦免(アムネスティ)が認められない事件の場合,または被害者との和解が不可能な場合は,委員会は,加害者の訴追を勧告する。

「重大な人権侵害」の場合,和解手続きに入っている者,および罪の赦免の勧告を受けた者を除き,委員会は,政府(法務長官)に対し,加害者の訴追を勧告する。

 160622

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/06/22 at 14:38

真実和解委員会の構成と機能(2)

2.真実和解委員会の設置目的
真実和解委員会(TRC)は,同委員会HPによれば,次のことを目的としている。

(1)「2007年暫定憲法」と「包括和平合意」の精神に則り,国家政府とマオイストとの間の武力紛争(1996年2月13日~2006年11月21日)の期間における「重大な人権侵害」(下注参照)を調査し,結果を報告すること。
(2)関係者相互の信頼と寛容の精神をはぐくみ,和解・平和のための環境を整えること。
(3)犠牲者への損害賠償の勧告。
(4)重大な人権侵害に関与した人々に対する法的措置の勧告。

(注)重大な人権侵害(gross violation of human rights)
非武装の人や民間人に対する次のような行為:
 ・虐殺
 ・拉致,人質として拘束
 ・強制失踪
 ・手足切断,身体障害を結果する加害行為
 ・身体的・精神的拷問
 ・私有財産または公有財産の略奪,不法占有,損壊,放火
 ・家屋または土地からの強制的追い出し
 ・国際人権や国際人道法に反する行為,あるいは他の人間性に反する犯罪

[参照]
What amounts to ‘a serious violation of international human rights law’?, Geneva Academy of International Humanitarian Law and Human Rights, August 2014
  160621

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/06/21 at 19:13

真実和解委員会の構成と機能(1)

ネパールの「真実和解委員会(सत्य निरुपण तथा मेलमिलाप आयोग, Truth and Reconciliation Commission)」は,人民戦争期における重大な人的・物的被害の「真実(真相)」を解明したうえで,「謝罪」と「罪の赦し(免罪)」,あるいは必要な場合には「提訴(裁判)」や「損害賠償」を勧告し,これらをもって加害者と被害者の「和解」を図ることを目的としている。

1.真実和解委員会の設置
真実和解委員会は,内閣により2015年2月10日設置された。
 委員長: Surya Kiran Gurung
 委 員: Lila Udasi Khanal, Shree Krishna Subedi, Madhabi Bhatta, Manchala Kumari Jha
 事務局長: Narendra Man Shrestha

委員会設置・運用の根拠法:
 ・「包括和平合意」2006年11月21日
 ・「暫定憲法」2007年1月15日
 ・「ネパール共和国憲法」2015年9月20日[暫定憲法の関連規定継承]
 ・「強制失踪調査・真実和解委員会法」2014年5月21日
 ・「真実和解委員会行動規範」2015年7月25日
 ・「真実和解委員会規則」2016年4月17日

 160620a■真実和解委員会

また,「強制失踪」調査のためには,別に「強制失踪調査委員会(बेपत्ता पारिएका व्यक्तिको छानविन आयोग, Commission of Investigation on Enforced Disappeared Persons)」が設置されている。
 ・「強制失踪調査委員会規則」2016年3月13日

 160620■強制失踪調査委員会

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/06/20 at 14:48

真実和解委員会への被害申し立て期限,1か月延長

「真実和解委員会(TRC)」と「拉致不明者調査委員会(CIEDP)」は,人民戦争期の人権侵害告発や被害救済申し立ての期限を1か月延期し,7月16日までとした。
 【人権侵害告発・被害救済申し立て期間】2016年4月17日~7月16日

しかし,これで決着とはいきそうにない。人民戦争期の人的・物的被害は無数といってよく,しかもすでに終戦後10年余り経過している。証拠は散逸し,既成事実は出来上がりつつある。人民戦争期の諸事件につき,これから刑事的・民事的正義をどこまで回復するか? これは難しい。

160617
 ■SK・グルン委員長と就任宣誓する4委員

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/06/17 at 10:01

元国王,元内相らの戦時人権侵害,告発

人民戦争期の被害者による加害者告発が続いている。いま注目を集めているのが,ドランバ虐殺(ハチャカンダ)事件。

1.ドランバ虐殺
2003年8月17日,ラメチャプ郡ドランバ村の教師宅でマオイスト30人余が地域委員会を開いていた。このころ,休戦が成立し,ダン郡では和平交渉中であった。そのためマオイスト側は警戒を緩めていた(非武装だったともいわれている)。

そこを,ラム・マニ・ポカレル隊長率いる治安部隊(王国軍と警察)が急襲,会議中の民家を包囲し,その場で2人(1人?)を射殺,女性4人を含む20人(19人?)を捕らえた。捕らえられた20人は,ダンダガテリに連行され,そこで全員が後ろ手で縛られたまま,至近距離から射殺された。いわゆる「ドランバ・ハチャカンダ」だ。

160616b■ドランバ村

2.TRCへの告発
この事件の被害者家族は,犠牲者一人当たり12万5千ルピーの補償金を受け取っているが,それ以上の保障はなく,また虐殺事件責任者の処罰も行われていない。そこで,これを不当として,4家族が「真実和解委員会(TRC)」に責任者を告発し,また他の家族も地方平和委員会を通して告発する準備を進めている。さらに「拉致不明者調査委員会(CIEDP)」への告発も予定されている。

告発されたか告発されることになっているのは,ドランバ・ハチャカンダ事件に責任があるとされる次の人々(肩書は事件当時のもの)。
 ・ギャネンドラ国王
 ・カマル・タパ内相
 ・AR・シャルマ内務省事務局長
 ・PJ・タパ軍総監
 ・SB・タパ警察総監
 ・ラム・マニ・ポカレル王国軍少佐(Major)
 ・チュダマニ・バシュヤル ラメチャプ郡事務所長
 ・RP・シュレスタ副警視
 ・その他,事件関係者

160616c■TRC

3.問題解決の難しさ 
こうした告発は,告発される側にとっては脅威であり,そのため告発関係者を脅したり,告発期間を短縮し幕引きを図ろうと画策したりしている。人民戦争期の加害者と被害者は,政府とマオイストの双方におり,しかも特に加害者には有力者が少なくないため,問題解決は複雑かつ難しいものになっている。

[参照]
*1 DEWAN RAI, “Transitional justice: Plaint against former king, DPM Thapa,” Kathmandu Post, Jun 10, 2016
*2 “Doramba victims move TRC against ex-king, security officials,” Republica, 09 Jun 2016
*3 “Conflict victims call for protection,” Kathmandu Post, Jun 9, 2016

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/06/16 at 17:56

戦争犯罪免責と移転土地登記:ネパール与党の「9項目合意」

マオイスト(UCPN-M)が5月5日,CPN-UMLと「9項目合意」を締結し,マオイスト=UML連立によるオリ政権継続を確認した。

1.「9項目合意」の概要
「9項目合意」にはオリ首相(UML)とプラチャンダ議長(UCPN-M)が署名した。各紙報道によれば,主な合意事項は次の通り。
 ・国民的合意を形成し憲法を施行していく。
 ・人民戦争犠牲者の救済。
 ・「移行期正義」および「真実和解委員会」に関する諸規定を改め,人民戦争関係訴訟を終わらせる。
 ・人民戦争中に移転した土地の登記。
 ・以上の事項が遵守されれば,マオイストはオリ政権支持。
 ・[予算案が成立したら,首相職をプラチャンダ議長に禅譲。(紳士協定とも言われているが,真偽不明。)]

2.戦争犯罪免責と移転土地登記
この「9項目合意」は,装飾的な部分を除けば,核心部分は人民戦争中の人権侵害や反人道的行為の免責と,人民戦争中に移転(強奪?)された土地の登記ということになろう。ちなみに,人民戦争中の死者2万人弱,土地移転5000件以上。

これらの死者や土地移転に関係する人々は,人民戦争中の体制側にもマオイスト側にもいた。それらの人々のうち,この合意により利益をえられそうな人々が,合意締結に動き,締結後はその実行を求めているのではないかと思われる。

しかし,犠牲者,被害者の側からすれば,戦争犯罪免責や移転土地登記は,とうてい受け入れられるようなことではない。そこで彼らは,首相官邸前などで抗議活動を始める一方,最高裁にも「9項目合意」違法の訴えを出した。これらの反対闘争は,今後,さらに激化しそうである。

3.人権諸団体の反対声明
この「9項目合意」については,人権諸団体も厳しく批判し反対する声明を出し,撤回運動を始めた。たとえば,「人権監視(HRW)」と「アムネスティ・インターナショナル(AI)」と「国際法律家委員会(ICJ)」は,連名で,「9項目合意は移行期正義を損なう」(*)と題する声明を発表した。そこでは,このようなことが指摘されている。

「与党間のこの政治取引は,移行期正義手続きの信頼性を著しく損なうものだ。」(ICJアジア太平洋局サム・ザリフィ局長)

「ネパールの与党は,犠牲者の真実・正義・賠償への権利を取引材料とすべきではない。」(AI南アジア事務局チャンパ・パテル局長)

「与党は,紛争期の人権侵害の責任者たちを免責する政治取引をしたが,これは適正な救済を受けるべき被害者の権利を侵害し,ネパールの国際法上の義務を無視する非情な行為である。」(HRW南アジア局ブラッド・アダムズ局長)

 160513

[参照]
*1 HRW, ICJ & AI, “Nepal: 9-Point Deal Undermines Transitional Justice,” May 12 & 13.
*2 “CPN-UML, UCPN-M ink 9-pt agreement,” Himalayan, May 06.
*3 “Rights bodies concerned over 9-point agreement,” Himalayan, May 13.
*4 “Conflict victims, rights activists stage protest in Baluwatar,” Himalayan, May 11.
*5 “Writ against UML-Maoist deal,” Nepali Times, May 9.
*10 “SC moved against nine-point pact,” Himalayan, May 10
*11 “UCPN-M working to amend laws as per nine-point agreement,” Himalayan, May 10.

Written by Tanigawa

2016/05/13 at 21:00