ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

Archive for the ‘文化’ Category

奄美の自然とその破壊(1)

9月初旬,2泊3日で奄美大島に行ってきた。大阪・伊丹空港から直行便で1時間半ほど,大変便利で,ちょっとした息抜き旅行には最適だ。

奄美は初めて。予備知識ゼロ。航空券+ホテル+レンタカー(軽)セットの旅行社格安個人旅行。11時すぎ奄美空港に着くと,すぐ空港前でレンタカーに乗り,島の北部を見て回り,夕方,空港南方20分ほどの海岸沿いのホテル「ばしゃ山村」に入った。

1.濃い自然と人情
わずか半日の見分だが,奄美の自然も人々も実に素晴らしかった。自然は,亜熱帯のはずなのに,草も木も,磯の生き物たちも生気に満ち満ち,まるで熱帯のようだ。

人々は親切で,ある小さな集落で民家横の大きな木を眺めていると,通りがかりの村人が「ガジュマルだよ」と声をかけてくれ,そればかりか自宅庭先の木に鈴生りのグァバも見せてくれ,収穫してあった実をたくさんビニール袋に入れ,「おいしいよ」といって,分けてくださった。

■潮溜まりプール。太平洋側にはこのような潮溜まりがあちこちにある。

■ソテツの群生(笠利町)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2019/09/10 at 16:50

カテゴリー: 自然, 文化, 旅行

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AI化社会の近未来(5)

(5)教育のAI化
教育は,積極的かつ継続的に個々の対象に関与するという点では,裁判よりもAI向きかもしれない。

もともと「学ぶ」は「まねる」ことであり,「習う」も「なれる」「まねる」ということ。AIは,つねに蓄積・更新しつつある膨大な学習情報の中から,それぞれの学習者個々人に最適なものを選んで与え,学ばせる。そして,学習者が失敗したら,その原因を分析し,誤りを修正させる。AIは怒ることも倦むこともない。人間の教師よりもはるかに懇切丁寧な個別指導が可能だ。

入試は,人間によるよりもAI入試の方が迅速,公平,安価であることはいうまでもない。AIには受験生の「人間性」が判断できないなど非難されるかもしれないが,要するそれは採点者の個々人の根拠なき「好み」による選考の自己弁護にすぎない。入試は,公正たろうとすれば,AI丸投げでよい。採点者の主観が排除されるから。


Keith Lambert, Education World, nd. / KRISTIN HOUSER, Aug. 27, 2018

Andrew George,Jul 27, 2019

(6)AIによる翻訳,文章作成,作曲,ゲーム対戦など
AIは,これまで人間にのみ可能と信じられてきた文学や音楽や絵画の創作にさえ進出し始めた。

翻訳では,AIはすでに実用レベルに達している。たとえばGoogle翻訳。無料だが,瞬時に世界のいくつもの言語に翻訳し,文字や音声で結果を知らせてくれる。まだ不自然な部分が少なくないが,いずれ日常レベルでは問題なく使用できるようになるだろう。音声翻訳機も多数販売されている。外国語学習はもはや不要。


POCETALK / Easy Talk

文章作成も,マニュアルのような実用文であればほぼ問題なく,またニュースのような報道記事であっても相当のところまで,すでにAIでやれる。むろん主観的要素の強い小説や詩ともなると,もう少し難しいだろうが,それでもAIが古今東西の作品を手あたり次第読み込み,人間心理と合わせ分析を深めていけば,いずれ人間よりもAIの方がより感動的な小説や詩を書くことができるようになるだろう。

 *「ここまでできる!AI(人工知能)によるライター代行ツール4選」2019.01.05
 *David Ibekwe & Fraser Moore, “AI will soon write better novels than humans, according to a computer scientist,” Bussiness Insider, Mar. 18, 2018,

作曲については,すでにAI作曲アプリがいくつも開発され,使用されている。音楽は,音階,和音,リズム,音色等の組み合わせだから,文章よりもはるかにAI向きだ。もしAIが既存の曲を網羅的に読み込み,音楽を聴くときの脳波変化等と組み合わせ分析していくと,人間作曲以上に人間を感動させる名曲を作曲することがAIにはできる可能性が高い。すでにAI作曲の作品を収録したCDも相当数発売されている。たとえば,”I Am AI”。

絵画についても,同じこと。「AI画家」が描いた肖像画、4800万円超で落札(CNN, 2018.10.26)。

AI勝利が明確になったのが,ゲーム対戦。チェスに始まり,将棋,囲碁でも,人間はAIには勝てなくなった。しかも,敗北後,人間側がAIの差し手をいくら分析しても,なぜ駒をそのように動かしたのか理解しきれない場合が少なくない。AIがブラックボックス化し,人間支配の外に出始めたことは明らかである。

 *「チェスではロボットに決して敵わないことを人間はほぼ受け入れたが、今度はそのロボットですら、他のロボットには決して敵わないことを受け入れざるを得なくなった。」JACKSON RYAN, CNET Japan, 2018年12月10日 

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2019/08/23 at 15:33

AI化社会の近未来(2)

1.AIの自律化と人間支配
AI(Artificial Intelligence人工知能)の発達は日進月歩,いまや大抵のことは人間よりも効率的に情報収集し,分析し,的確に判断を下しうる。いずれ人間がAIを道具として使うのではなく,AIが人間を分析し,人間に働きかけ,人間を操作する,つまり人間を使う時代が来るであろう。ほんの少し前までであれば,SF夢物語にしかすぎなかったようなことが,いまや正夢になろうとしている。

(1)近代社会の大前提としての自立的個人
われわれ人間は,とりわけ近代以降,一人一人がそれぞれ独自の自我をもち,自己を意識し,最終的には自分が自分のことを決定する自由な行為主体であると信じてきた。日本国憲法も,そうした近代的個人の存在を大前提として,「すべて国民は,個人として尊重される」(13条)と規定している。

われわれは,最終的には自分の意思で決定し約束して(「契約の自由」),様々な人間関係をつくり運用する。夫婦,各種団体,会社,組合そして国家など,近代的であればあるほど個人の主体的な自由と責任を当然の前提として組織され,運用されている。

われわれは,この主体的な自由を行使し,その結果への責任を果たすため,情報収集(学習)し,比較分析し,評価する。そして,その学習し分析評価した結果に基づき,われわれは,自分にとって最善と考える選択肢を選び,それを実行し,その結果への責任を引き受ける。

むろん,そのような主体的自由の行使や責任の引き受けは容易なことではなく,それゆえ「自由からの逃走」が多かれ少なかれ現実には生じる。が,たとえそうであったとしても,近代社会がわれわれを本質的には自由な行為主体と認め,「個人として尊重」することを大前提として組織され運用されてきたことは,紛れもない事実である。

(2)AIによる情報収集と人間支配
ところが,最近のAIの驚異的な性能向上により,この自立的主体的個人の大前提が,たとえ建前としてであれ維持し続けることが困難となり始めた。<様々な情報の学習や分析評価は,個々人本人よりもAIの方がはるかに迅速かつ的確に行う。自分自身のことも,本人よりAIの方がよく知っている。いや,自分の自我と信じているものそれ自体でさえ,すでにAIにより形成され,コントロールされている。> ――もしこのような状態になってしまえば,人々を自由な行為主体とみなし「個人として尊重」せよと言ってみても,それは無意味である。そんな「主体的個人」など,もはやどこにも存在しないからだ。

われわれは,すでにグローバル情報化社会の中で生きており,いたるところで個人情報を取られている。情報に関し国境はもはや無意味。世界中の公私様々な機関が,絶え間なく情報を収集し,蓄積し,いまやその量は誰にも確認できないほど膨大な量に達しているはずだ。

しかも,そうした現代における個人情報収集は,情報を取られる本人が全く,あるいはほとんど意識していない場合が少なくない。たとえば日々の買い物,スマホ位置情報,ネット利用など。あるいは,現在ではすでに監視カメラがいたるところに設置されており,顔認証システムと組み合わせると,本人にほとんど気づかれることなく個々人を特定し,その行動を逐一記録保存することさえ可能だ。いやそれどころか,表情等の分析により個々人の感情,ひいては心の中の動きですら読み取り記録保存できるようになるであろう。自宅の「スマート化」(常時ネット接続自宅管理)や,常時ネット接続により体温・血圧・心拍数等の自動計測・管理ができる「スマート時計」を身に着けるのは,自ら個人情報を放棄しているようなものだ。グローバル情報化社会では,人は丸裸,プライバシーはなくなる。

AIは,われわれ人間自身ではもはや到底不可能となった,このような膨大な情報の迅速な収集・分析・評価を行う。「知は力だ」とすると,われわれ自身はもはや無力であり,AIの指示に従い,行動せざるをえない。そこには,自由な行為責任主体たる個人,尊厳を認められるべき個人は,存在しない。

このAIは,むろん人間がつくり出し,運用を始めたものである。しかし,AIが「機械学習」,「深層学習」など,高度な「自動学習 」を始めると,その情報収集・分析能力は人知を超え,AIそのものがブラックボックス化する。そして,AIがブラックボックス化すると,AIがなぜそのような判定をしたのか,どのようにしてそのような結論に達したのか,その根拠が知りえなくなる。それを知ろうとすれば,われわれ自身がAI以上に迅速かつ的確な情報収集・分析能力を持っていなければならないからだ。

アメーバのように無限に拡大し,複雑化し,不眠不休で超高速で働き続けるAI――人間に勝ち目はない。自動学習AIの事実上の自律(自立)と,そのAIによる人間支配!

The Dawn of AI

谷川昌幸(C)

晩春の山村:丹後半島最深部

翌4月22日も快晴の好天。せっかくなので丹後半島の,これまで訪れたことのない最深部に行ってきた。

丹後半島は,この数十年で道路網が拡充されるまでは,文字通り秘境であった。海沿いは急峻な断崖絶壁が多く,道路はあっても狭く曲がりくねった難所が至る所にあった。半島の内陸側は太鼓山(683m)など数百メートルの山々が連なり,冬には数メートルの雪が積もる日本有数の豪雪地帯。丹後半島が,日本三大秘境の一つと呼ばれてきたのも,もっともである。

その丹後半島も,道路整備で見違えるほど便利になった。特に海沿いは「丹後松島」などとも称賛されているように,たいへん美しく,いまでは多くの観光客が訪れる観光名所になっている。私も何回か行ったことがある。

これに対し,丹後半島の内陸部分は,道路こそよくなったものの,これといった名所はなく,訪れる人も少ない。私自身,これまで一度も行ったことはなかった。そこで今回,どのようなところか見に行ってきた。

天橋立・宮津湾側から山に向かって登っていくと,峠頂上付近に小さな集落「上世屋」があった。大江山中腹ほどではないが桜がまだ残り,野の花や新緑と相まって絵のように美しい。地上の楽園!

車を降り,村の中に入ってみると,空き家や廃屋が目についた。急斜面のため田畑が少なく,冬の豪雪など気候も厳しいからであろう。バスは火・水・金にそれぞれ2便のみ。

観光レジャー施設が,おそらく行政主導で,いくつか集落近辺につくられているが,いかにもとってつけた感じで,ほとんど使用されているようには見えなかった。このようなところであれば,安直なミニ・レジャー施設よりも,美しい伝統的家屋の修復保存を進めた方が観光開発には有効と思うのだが,いかがであろうか。

この小集落からさらに上にのぼり,尾根筋に出て,反対側の谷に少し降りると,そこに,さらに小さな集落「木子」があった。ここでも空き家や廃屋が目につく。周囲はほとんど自然林で,新緑が鮮やかだ。秋の紅葉は,さぞや見事であろう。

ここには,古民家のほかには,おしゃれなログハウスのペンションがあるだけ。あまりに小さな集落だからか,ミニ・レジャー施設のようなものは見当たらない。周囲はあふれるばかりの自然。秋には再訪してみたいと思っている。


■丹後半島(Yahoo地図)/上世屋バス停


■上世屋から望む宮津湾/世屋高原より望む伊根湾


■上世屋/同左


■上世屋/同左

■防獣鉄柵(上世屋)


■木子/同左

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2019/05/27 at 15:17

カテゴリー: 社会, 自然, 農業, 文化, 旅行

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桜の宝塚

7日の日曜は,絶好の花見日和。最近は身内の介護で遠出できないので,自転車で近くの桜を見に行ってきた。

今年の桜は,完璧な一斉開花。美しいというよりは,たじろぎ,息をのむほどの生命力の噴出発現。その一気に咲いた無数の花々を見ると,いやでも散り際の潔さ,美事さを思わずにはいられない。

桜は,厳しい冬を耐え忍び,本格的な春の到来を待ち望む日本人の心情に,たしかに最も自然に,最も力強く訴えかける日本の花である。それだけに,利用価値も,むろん絶大だったのだが・・・・。(参照:花の宝塚とゼロ戦と特攻顕彰碑


■「宝塚大歌劇場・花のみち」入口/宝塚大歌劇場


■花のみち(歌劇場前)


■宝塚音楽学校(TMS)/阪急電車


■宝塚大橋東詰/同左

■宝塚大橋西詰/伊和志豆神社

■平林寺/同左

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2019/04/08 at 10:46

カテゴリー: 自然, 宗教, 平和, 文化

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早春の六甲山麓植物園

快晴に誘われ,近くの「北山緑化植物園」に行ってきた。六甲山中腹。サクラ,ツツジはまだだが,高山性や平地早咲きの花々は,早や満開,驚いた。まるで夏山のようだ。

この植物園は小規模だが,入場無料で,しかも管理がよく行き届いている。直接的経済効果はさほどないであろうが,文化的に西宮市を大いに豊かにしていることに疑問の余地はあるまい。

*自生?

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2019/03/19 at 10:22

カテゴリー: 自然, 文化

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師走の西播磨

兵庫県南西部,西播磨の龍野と赤穂に12月10日,行ってきた。宝塚からだと,中国道・山陽道経由で2時間強ほど。

高速道を降り海岸沿いの一般道に入ると,瀬戸内海には無数の小島が浮かび,くねくね入り組んだ小さな湾の奥には古い港が見られる。

陸側には,お椀を伏せたような独特の形をした小山が連なっている。ほとんどが落葉樹で,師走中旬というのに,ほぼ全山がまだ茶や黄色に彩られている。ところどころに,ウルシであろうか,真っ赤に紅葉した灌木も見られる。紅葉盛りや新緑の頃は,さぞかし華やかなことであろう。

龍野は,山際のこじんまりした城下町。月曜は,三木露風生家,矢野勘治記念館など,ほとんど休館で見学できなかったが,外からだけでも醤油醸造所など伝統的な落ち着いた町並みが十分楽しめた。

赤穂も城下町で,広大な城址が残っている。温泉のある赤穂御崎からは,瀬戸内海の景観,とくに夕日が見事だ。


 ■龍野城/旧地名図


 ■醤油醸造所(龍野)/はんこ屋さん

■室津港


 ■赤穂城址前/塩販売看板


 ■早朝の瀬戸内海(赤穂御崎より)


 ■夕陽の瀬戸内海(赤穂御崎より)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2018/12/16 at 11:30

カテゴリー: 自然, 文化, 旅行

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