ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

Archive for the ‘社会’ Category

イタリアの旅(6):印象的な街の造形

イタリアはいうまでもなく古い伝統を持つ芸術の国,審美眼の乏しい私でさえ思わず立ち止まり見入るようなものが街のあちこちにあった。

といっても,特に計画し街を歩いたわけではない。アルプス山麓に行く前後にミラノとトリノに立ち寄り,ついでに街に出たに過ぎない。しかも日中は大変な猛暑,日陰に入ったり,あちこちの教会に入ったりして休んだので,歩いたのはわずか。それでも,こんなものに出くわした。

これらはいずれも,特別なものではなく街にたくさんあるものの一つであろう。それがそれぞれ印象的だということに感心した。なお,最後の自動車宣伝は,クールマイユールのもの。たしかに「伝統破壊」ではある(参照:イタリアの旅(1): 規則は知ってから破れ)。

●街の造形(ミラノ)

●街のポスター

 ▼ミラノ:ピッコロ座/ミラノ: GAN MANZONI

▼トリノ:ビバルディ展

●店舗/地下鉄ポスター

 ▼トリノ:ロリポップ/ミラノ:「共和国」駅のペット食品広告

●らくがき?(ミラノ)
▼交差点機器箱のイラスト

●景観独占(クールマイユール)
▼モンテビアンコ(モンブラン)を背に宣伝

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/07/23 at 19:30

カテゴリー: 社会, 文化, 旅行

Tagged with , , ,

イタリアの旅(5):神をもカメラ監視

イタリア北部は比較的治安が良いとされ,事実,ミラノで多少用心したものの,トリノではほとんど不安を感じなかったし,ましてやアルプス山麓のアオスタ谷ともなると平和そのものだった。

しかしこれは,顕在的警備の成果かもしれない。都市では,軍隊や警察が,要所要所で,その存在を顕示する形で警備していたし,地方の町や村でも警官の姿をよく見かけた。

こうした顕在的警備の典型が,監視カメラ。空港,駅,道路,広場などはむろんのこと,地下鉄車内や田舎の農作業小屋前などにも設置されている。

いや,それどころか,教会にすら監視カメラがあった。いまや全知全能のはずの神をもカメラで監視せざるをえない時代となったのだ。いやはや何ともバチ当りな,恐れ多いことではないか!


 ▼ミラノ中央駅前:銃を構え24時間警備

▼ミラノ大聖堂(ドゥオーモ)


 ▼クールマイユール:後方はモンテビアンコ(モンブラン)(監視カメラ)


 ▼クールマイユール古道/Saxe村はずれ(監視カメラ)


 ▼トリノ: 教会入口扉の掲示「ビデオカメラ監視区域」


 ▼トリノの街角

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/07/22 at 17:44

カテゴリー: 社会, 情報 IT, 旅行

Tagged with , , ,

監視カメラの警察使用,朝日が肯定的に報道(2)

朝日新聞は,大阪版夕刊に前述の記事を掲載した3日後の2月19日,今度は総合ページに大野博人編集委員のコラム「日曜に想う」を掲載した。タイトルは「『安全のため』奪われる自由」。これは,夕刊記事とは全く対照的な内容であり,その意味では,朝日新聞はバランスがとれている。

大野委員はこのコラムにおいて,オリバー・ストーン監督映画「スノーデン」や思想家ツベタン・トドロフ著『屈服しない者たち』を引照しつつ,「安全のため」という口実を認めることが,特に現代において,いかに危険かを鋭く指摘している。

≪[映画「スノーデン」において]「たいていの米国人は自由より安全を望んでいる」と米情報機関の幹部が話す。・・・・自分も監視されている,どこで何を見られているか分からない,丸裸にされている――。・・・・テロ対策という当初の目的からはみ出して,政治権力の監視活動はどこまでも暴走する。「安全のため」という口実を人々が受け入れ続ける限り。≫

≪トドロフ氏によると,政治権力が市民監視にのめり込むのは「すべてを知ることは,すべての権力を握ることにつながる」と考えるから。また,だれかが自分を監視しているとつねに意識する社会では,人と人との間の信頼が消滅するとも指摘する。人々が連帯しない社会。それこそ権力が思いどおりにしやすい社会である。」≫

≪政治家が声高に「安全のため」を語るとき,本当は自らの権力強化のためではないのか。「安全のため」なら仕方がないと思ったとたん,からめ取られているのかもしれない。なぜなら,あなたも私も普通の市民の大半は監視する側ではなく,監視される側になるのだから。≫

ここで大野委員は,権力による監視への警戒を訴えている。たしかに,それはそのとおりであり,その重要性はいくら強調しても強調のし過ぎではない。しかし,現代における行動監視の恐ろしさは,権力による監視が万人による監視とあい手を携えて進行し始めたところにあるのではないか? 

いまでは,情報技術の革命的進歩により,行動監視は一般市民でも容易に実行できるようになった。小学生程度の知識と技術があれば,お小遣い程度の費用で,いつでも,どこでも他人の行動を簡単に監視できる。万人による万人の監視社会――その夢が今まさに実現しつつあるのだ。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/03/08 at 15:40

カテゴリー: 社会, 情報 IT, 人権

Tagged with , , ,

監視カメラの警察使用,朝日が肯定的に報道(1)

朝日新聞(大阪版夕刊2月16日)が,監視カメラ記録映像の警察捜査利用に好意的な記事を1面に大きく掲載している。見出しは次の通り。
 防犯カメラ 捜査の目に
 大阪府警,自治体と異例の協定
 映像入手 事前連絡は不要
 夜間の初動に効果的

これらの見出しだけで,記事の趣旨は明確だ。記事によれば,大阪府内の自治体設置または設置補助の監視カメラは1万9944台(2016年3月末)。その記録映像を,大阪府警は,必要な時には事前連絡なしに自由に引き出し,見ることが出来るのだそうだ。

この記事には,専門家2氏のコメントも付されているが,いずれもごく短く,検証の仕組みや法整備を求めてはいても,警察による自治体設置・補助監視カメラの使用そのものを否定するものではない。朝日お得意の,公平のみせかけためのエクスキューズのようにみえる。

大阪圏の街頭監視カメラは,これまで幾度か指摘してきたように,急速に増大している。その記録映像を警察が,事実上,自由に使えるとなれば,市民は可能的には常に警察に監視されていることになる。しかも,顔(身体)自動識別技術の革命的進歩により,映像の個々人を瞬時に特定し,その行動を記録し追跡できるのだ。

むろん大部分の人は「善良な市民」であり,警察が彼らすべてを常時監視することはない。しかし,問題はむしろ,この「可能的監視」そのものにある。警察が事前連絡すらなく監視カメラ映像を利用できるとなれば,市民すべてが,警察により,いつ,どこで見られ,記録され,追跡されているか分からない,という状況に置かれる。

ここには,もはやプライバシーはなく,プライバシーを前提とする個人の自由も権利もない。われわれは,自分たちの自由や権利を守るため国家をつくり,個々人の安全保障のための権力行使を国家諸機関に信託した。ところが,いまや国家諸機関が「国民の安全」のために個々人のプライバシーを奪い,自由や権利を否定しようとしているのだ。

ブラックユーモアのようだが,いまや大朝日ですら,大真面目に,万人監視カメラの効用を一面トップで大々的に報道するに至った。もはや「隠れて生きる自由」は取り戻せないのではないか?

 170304■朝日大阪版夕刊2月16日

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/03/04 at 12:07

トランプ「世界ギャグ規則」が脅かすネパール女性の生命

著名なジャーナリストでハーバード大学ニーマン・フェローのスビナ・シュレスタが,トランプ大統領による「世界ギャグ規則」復活を批判する記事をニューヨークタイムズ紙(2月9日)に寄稿している。

記事によれば,ネパールでは,2002年3月の中絶合法化以前には,多くの女性が堕胎罪で終身刑を含む重罪に処せられていた。1990年代末,堕胎罪で投獄されていたのは80人。1996年の妊産婦死亡率は,無理な出産もあり,10万出産当たり539人。

中絶合法化以降,FPAN(Family Planning Association of Nepal)などが,「性と生殖の健康」のための活動を展開し,その結果,2015年には妊産婦死亡率は10万出産当たり258人となった。まだまだ死亡率は高いが,改善はみられる。ちなみに,日本の妊産婦死亡率は36人(2013年)。

FPANは,米政府(USAID)から多額の援助を受け(2015年は500万ドル)事業を展開してきたが,「世界ギャグ規則」復活により,そうした活動が出来なくなった。FPANは職員60人を解雇し,地方での移動保健医療活動も中止せざるを得なくなった。こうして,「トランプのギャグ規則がネパール女性の生命を脅かす」事態になったというのである。

170210■スビナ・シュレスタ ツイート(10 Feb)

*1 SUBINA SHRESTHA, “How the Trump Gag Rule Threatens Women’s Lives in Nepal,” New York Times, FEB. 9, 2017
*2 トランプ「世界ギャグ規則」への危惧,ネパールNGOも

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/02/10 at 19:55

カテゴリー: 社会, 人権

Tagged with , , ,

カトマンズの公害,世界第7位

NUMBEOによれば,カトマンズの公害は世界290都市の中で,堂々の第7位。カブール,カイロ,ダッカ,カラチなどとほぼ同水準。ラトナ公園のPM2.5濃度は最悪部類で,健康にはなはだよろしくないとのこと(Himalayan, 5 Feb)。

細菌うようよ,野良犬ごろごろだったが,少なくとも大気は清らかだった地上の天国,シャングリラは,今は昔。

170208■NUMBEO HP

【参照】ゴミのネパール
   121130c

谷川昌幸(C)

 

Written by Tanigawa

2017/02/08 at 10:27

カテゴリー: 社会, 経済, 自然

Tagged with ,

雪中の仏像とバス停

丹後の雪も,地球温暖化で,以前とは比較にならないほど少なくなったが,それでもお地蔵さんやバス停が埋まるほどには積もる。見る分には情緒があるが,生活は大変だ。

170120b170120a
 ■雲原バス停付近

170120c
 ■長尾公民館横

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/20 at 16:08

カテゴリー: 社会, 自然, 旅行

Tagged with , , ,