ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

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活気あふれるベトナム

ベトナムのホーチミン(サイゴン)に行ってきた。3泊4日の激安観光旅行にすぎないが,それでも現地に行くと,そこ特有の雰囲気が体感され,興味深い。

ホーチミンやその周辺には,商業ビル,マンション(集合住宅),工場など,巨大な建物が多数みられ,建設中のものも少なくない。街は活気に満ち,デパート,専門店,スーパー(ファミマなど)から商店や露店まで,どこも繁盛しているように見えた。

街は,繁華街はむろんのこと路地裏でも,見た限りでは整然とし,人々も勤勉で,バイク運転を除けば,温和で親切であった。

これが,あの悲惨な戦争から,ほんの半世紀足らずの社会主義国,ベトナムとは,とうてい信じられない。もしこの第一印象が全くの的外れでないなら,ベトナムは今後,急速に発展していくのではないかと思われる。

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■謹賀新年2017年(大聖堂裏)/高層ビルと国旗

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■中央郵便局正面/局内のホーチミン

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■戦争証跡博物館/下町の教会

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■美しい街とゴミ箱

170112f■バイクで子供送迎

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/13 at 16:27

クリスマスを国民祭日に,泥縄決定

ネパール政府は24日,キリスト教会からの圧力に押され,翌25日のクリスマスを「国民祭日(国家祭日)」とすると発表した。キリスト教会にとってはありがたいクリスマス・プレゼントだが,それにしても何ともみっともない泥縄の朝令暮改か!

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■Republica,24 Dec. / バブラム・バタライNS党首ツイッター(12月25日)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/12/24 at 23:23

カテゴリー: 宗教, 憲法

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クリスマスを国民祭日に戻せ,キリスト者連盟

ネパールでは,クリスマスは,世俗国家宣言後,全国民的な「国民祭日(国家祭日)」とされていたが,ナショナリスト対外硬オリ内閣が2016年4月2日,これを取り消し,キリスト教徒公務員だけの祭日に格下げしてしまった。(参照:クリスマスを国民祭日から削除:内務省

ビクラム暦2073年祝祭日(「ネパールの空の下」)
 [祝祭日の種類]ネパール政府を中心に、全国的に休日となる祝祭日/女性だけ休日となる祝祭日/カトマンズ盆地だけ休日となる祝祭日/公務員だけの休日/教育機関だけの休日
 12月25日 クリスマス(キリスト教徒公務員休日)

この格下げにキリスト教会は激しく反発し,政府に対し,以前と同じ「国民祭日」に戻すことを要求している。ネパールのクリスマスは,華々しい実利主義商戦のチャンスであると同時に,重苦しい政治的宗教闘争の季節でもあるのである。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/12/17 at 18:01

カテゴリー: 宗教, 憲法

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タルーのキリスト教改宗も急増

ネパールでは,キリスト教は,クリスマス商戦用には大歓迎だが,本来の宗教としては,昨日も指摘したように,まだ強く警戒されている。タルーのキリスト教改宗に関するこの記事も,その一例。

▼Devendra Basnet, “Conversion to Christianity high among Dang Tharus,” Republica, 14 Dec. 2015.

記事によれば,ダン郡のタルー居住地域では,人民戦争終了以降,キリスト教徒が急増している。そのため,タルー社会の規範が守られなくなり,伝統的な文化や儀式の維持が困難になりつつある。

キリスト教布教は,タルー長老らによれば,ポスターを貼り教会へ誘う,カネや外国援助で釣る,など。むろん,これらの非難は繰り返し用いられてきた常套句だが,少なくとも伝統的社会の側からは,そのようなものと見えるのだろう。

開発格差,経済格差の大きいところでは,神々の争いもカネ絡み,利権絡みと見られる。難しい。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/12/16 at 20:43

カテゴリー: 宗教

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キリスト教絵本配布事件,無罪判決

ネパールの裁判所が12月6日,イエス・キリストを描いた絵本(コミック)を生徒に配布したとして6月に逮捕された8人のキリスト教徒に対し,無罪の判決を下した。キリスト教会にとっては何よりの吉報であり,クリスマス集会では神の栄光が大いに称えられるであろう。

1.事件概要
この事件の概況は以下の通り。(参照:キリスト教徒,逮捕

2016年6月,Teach Nepal(カトマンズ本拠NGO)が,地震トラウマの生徒たちのため,ドラカ郡チャリコットのキリスト教系2校(Modern Nationl School; Mount Valley Academy)において,カウンセリングを実施した。その際,生徒たちにギフトバッグを配布したが,その中にイエス・キリストを描いたコミック絵本が入っていた。

これが地元で問題にされ,警察が6月9日,憲法26条(3)の禁止する改宗勧誘に当たるとして,2校の校長とTeach Nepalのメンバー5人を逮捕した。さらに6月14日には,チャリコット・キリスト教会の牧師まで逮捕してしまった。

2.無罪判決
逮捕された8人は,9日後保釈されたが,裁判は続き,ようやく12月6日になって,裁判所が無罪判決を言い渡した。メルヴィン・トマス(Christian Solidarity Worldwide代表)は,こう語っている。

「チャリコットの8クリスチャン無罪判決を歓迎するが,新憲法26条は改正されるべきであり,このことをネパール政府に対し,ネパール市民社会の人々と声を合わせ要求していきたい。」(*6)

3.キリスト教徒激増への反発
今回の事件は無罪判決で一応決着したが,この事件の背後には,キリスト教徒の増加,特に国家世俗化以降の激増へのヒンドゥー教徒多数派のいら立ちがある。

1951年 0人(記載なし)
1961年 458人
2001年 102,000人
2011年 375,699人

しかし,こうした国家統計は,キリスト教徒を過少集計しているという。「キリスト者連盟(Federation of National Christians Nepal)」によれば,現在,キリスト教会は国内に約1万あり,そのうち2千はカトマンズ盆地3郡にある。信者は,約300万人。その60%がダリットだという。

このキリスト教徒激増は,伝統的支配勢力たるヒンドゥー教徒多数派を警戒させ,キリスト教攻撃に向かわせている。「社会福祉委員会」は,キリスト教系外国援助をしばしば禁止しているし,また政府役人がキリスト教系の学校や孤児院を,キリスト教関係の本が1冊でもあれば閉鎖させるとか罰金を科すとかいって,脅すこともあるという。

こうしたキリスト教会との対立の激化は,宗教が大きな力を持つネパールにおいては,対応が極めて難しい。

ヒンドゥー教徒多数派は,新憲法において世俗国家規定を受け入れさせられはしたものの,生命線たる改宗勧誘禁止ないし布教禁止を第26条(3)に書き込むことには成功した。現行憲法の矛盾の象徴ともいうべきこの憲法の宗教規定を,今後どう扱うか? これは州区画以上に難しい政治課題とみてよいであろう。

Teach Nepal HP
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 ”Equipping Children and Teachers for the Glory of God“(表紙掲載スローガン;引用者顔消去)

【参照】
*1 “Christian population shoots up under secula state,” Republica, Dec 9,2016.
*2 Lorraine Caballero, “Christianity in Nepal rising since 2008 secular democracy,” Christian Daily, 5 Dec. 2016.
*3 Andre Mitchell, “More People Turning to Christ in Nepal,” Christian Today, 8 Dec. 2016.
* Kaley Payne, “Nepali Christians freed after court drops case,” Eternity News, 8 Dec. 2016.
*4 “Crackdown on Christians in Nepal hits snag,” Morning Star News, 7 Dec. 2016
*5 Sarah Stone,”Christians Accused of Proselytising in Nepal Cleared of Charges,” Christian Today, 7 Dec. 2016.
*6 Stefan J. Bos,”Nepal Aquits 8 Christians Over Conversion Children,” Bos News Life, 7 Dec. 2016.
*7 ガガン・タパ議員(NC)ツイッター(12月20日)
 161217

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/12/15 at 22:38

カテゴリー: 宗教, 憲法, 政治

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改宗の自由の憲法保障,米大使館が働きかけ

アメリカ国務省が8月10日,「宗教の自由報告2015」を発表した。その中には,ネパールに関する重要な報告も含まれている。
 ▼“International Religious Freedom Report for 2015,” Bureau of Democracy, Human Rights and Labor, U.S. Department of State.

   160812■「報告」公告(米大使館FB)

この「報告」が,ネパールについて特に問題にしているのが,宗教に関する憲法規定。表現は抑制されているが,内容的には驚くべき事実が,そこには記述されている。核心部分は以下の通り。

「憲法起草過程を通して,米国大使,公使および大使館員は,刑事罰の恐れなき改宗の権利を含む完全な宗教的自由を憲法で保障するよう,ネパール政府高官らに対し,繰り返し強く要請した。米大使と大使館員は,ヒンドゥー教,仏教,イスラム教およびキリスト教の指導者らとも会い,憲法草案に対する彼らの考えを尋ねた。

また大使館員は,カトマンズや他の地域の少数派宗教の地域代表らとも会い,キリスト教徒やイスラム教徒が直面している諸問題につき,話し合った。そこでは,キリスト教徒が改宗を強要しているとするメディアや地域社会による糾弾,キリスト教徒やイスラム教徒の墓地取得が困難なこと,改宗禁止強行実施への懸念,そしてヒンドゥー教国家主義者によりキリスト教諸集団の社会的調和が乱される恐れ,につき議論した。」

ネパール憲法には,たしかに,この「報告」が指摘するような諸問題があることは事実だ。それはそうだが,だからといって独立国家の憲法問題につき,外国が大使や大使館員を動員し,もろに圧力をかけるのはいかがなものか? 内政干渉ではないか?

「報告」は,イスラム教や他の少数派宗教にも言及しているが,全体としてみると,アメリカが政府として,キリスト教のために,布教の権利や改宗の自由をネパールに対して要求している,という印象を禁じえない。

イギリス大使は,自ら改宗の権利の憲法保障を要求し,大問題になると,さっさと辞任し,帰国した。アメリカは,この「報告」が問題にされたら,どうするのだろう?

【参照】
(1)改宗勧奨: 英国大使のクリスマス・プレゼント
(2)「改宗の権利」勧告英大使,辞任
(3)宗教問題への「不介入」,独大使
(4)”Statement on the Promulgation of Nepal’s Constitution” (By John Kirby, Department of State Spokesperson, September 22, 2015)
 The United States congratulates the people of Nepal on their steadfast commitment to democracy. The promulgation of the constitution is an important milestone in Nepal’s democratic journey. The government must continue efforts to accommodate the views of all Nepalis and ensure that the constitution embraces measures consistent with globally accepted norms and principles, including gender equality, religious freedom, and the right to citizenship. ……(http://nepal.usembassy.gov/pr-09-22-2015.html)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/08/12 at 08:55

カテゴリー: 宗教, 憲法

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新憲法による初の宗教裁判

ドラカ郡チャリコットで6月9日,憲法26(3)条により禁止されている布教活動(改宗勧誘・他宗教妨害)の容疑で逮捕され,勾留取り調べ後,保釈されたキリスト教徒8人の裁判は,7月23日開始のはずだが,ネパールのメディアは,いまのところ全く報道していない。まだ裁判は始まっていないのだろうか? (参照:キリスト教徒,逮捕

ネパール・メディアとは対照的に,キリスト教系メディアは新憲法下での初の宗教裁判について,繰り返し報道している。この裁判がネパールのキリスト教会の存亡にかかわると危惧しているからである。

この問題は,間もなく発足するプラチャンダ政権(コングレス=マオイスト連立)にとっても,ジャナジャーティの包摂参加と並ぶ,難しい課題となるであろう。

▼ネパールの教会関係HP
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[参照]
(1)Vishal Arora, “Nepal Christians await trial in first religious freedom case under new constitution,” World Watch, July 20, 2016
(2) Julia A. Seymour, “Eight Nepalese Christians Arrested for Illegal Proselytizing: The Country’s Controversial New Constitution Bans Converting Someone to Another Faith,” Christian Headlines, July 25, 2016
(3) Suzette Gutierrez Cachila, “Christians arrested for proselytising face trial in Nepal,” Christian Times, 26 JULY, 2016

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/08/01 at 18:40

カテゴリー: 宗教, 憲法

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