ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

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ポーデル元下院議長に旭日大綬章

日本政府は4月29日,2020年度春の叙勲において旭日大綬章をポーデル(राम चन्द्र पौडेल)氏に授与すると発表した。受賞外国人2人のうち,他の一人はマイクロソフトのビル・ゲイツ氏。親授式はコロナ感染流行のため延期。

ポーデル氏は現在76歳,コングレス党の長老であり,下院議長,副首相などの要職を歴任した。ネパール・日本友好議員連盟初代会長(在任1999-2017)として,森首相ら日本側要人の訪ネ受け入れや,両国における議員交流の促進に尽力された。また昭和62(1987)年には,皇太子(現上皇)夫妻の訪ネのお世話もされている。

このようにポーデル氏の日ネ友好への貢献は大きく,当然,ネパールでは大きく報道されているが,日本では有力メディアはほぼ完全に無視,叙勲の詳細は在ネ日本大使館のプレスリリースやネパールのメディア報道によらざるをえない。コロナ騒動のせいだけであろうか?
ポーデル氏FB(4月30日)

*1 2020 Spring Conferment of Japanese Decorations on Foreign Nationals,在ネパール日本国大使館,2020年4月29日
*2 Congress leader Ram Chandra Poudel to receive Japanese honours, Kathmandu Post, 2020/04/30
*3 NC senior leader Poudel among 117 to receive 2020 Spring Imperial Decorations, Republica, 2020/04/29

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2020/05/02 at 11:24

プラチャンダの愛娘,ごり押し市長当選

ネパール地方選では女性が大躍進,全ポストの40%を占めるに至ったが,その中には,あまり関心しない事例もみられる。その典型が,マオイスト(MC)議長プラチャンダの娘,レヌ・ダハルさんが市長に当選した8月4日のバラトプル市再選挙。

 ■レヌ・ダハル(同FBより)

チトワン郡バラトプル市(28万人)は全29区。ここはプラチャンダ議長の地元だが,もともとコングレス党(NC)の地盤であり,また統一共産党(CPN-UML)も強い。マオイストは人民戦争の悪イメージが残り,はるか引き離された第3勢力。

ここに,当時首相だったプラチャンダ議長が,娘のレヌさんを市長候補として押し込んだ。レヌさんはプラチャンダ議長の第2子で1976年生まれ。マオイスト政治局員であり,第1次制憲議会比例制選出議員だったが,バラトプルでは知名度は低く不人気。
 【市長候補
   MC=レヌ・ダハル
   UML=デビ・ギャワリ
 【副市長候補
   NC=パルバティ・シャハ
   UML=ディビヤ・シャルマ

投票は5月14日。投票終了後,開票作業が行われ,28日深夜には全29区のうち第19,20区の2区を残すのみとなった。この時点で,レヌ候補(MC)はギャワリ候補(UML) に784票負けていた。

この経過を見ていたマオイストは,もはや逆転勝利は不可能と判断,開票所に来ていたマオイスト2人が開票作業中の第19区の投票用紙90枚を奪い破り捨ててしまった。そのため,開票はここでストップ。マオイスト2人は逮捕されたが,1週間後,1人10万ルピーで保釈された。

これに対し,リードしていたUMLは,当然,激怒,開票再開を要求した。ところが,MCとNCは第19区の投票やり直しを主張した。これを受け中央選管は審議した結果,再投票を決定,そして最高裁も7月30日,それを合法と認めた。こうして,バラトプル市第19区は8月4日再投票と決まった。この間,MCやNCが,再投票に向け,与党として様々な影響力を行使したことは想像に難くない。

その一方,レヌ陣営は,再投票を見越し,猛烈な働き掛けを続けた。父のプラチャンダ(MC党首,7月7日まで首相)は,連立相手のNCと手を組んで野党UMLと対抗,市長にはレヌ・ダハル,副市長にはディビヤ・シャルマを当選させるという作戦を一層強化した。また首相や与党党首の地位を利用し,様々な地元支援をも約束したという。

その結果,コングレス支持者の相当数が,再投票ではレヌ候補に投票し,結局,僅少差でレヌさんが勝利を収めた。副市長もコングレス候補が勝利。
 【バラトプル市長選・開票結果】
  ▼市長
   レヌ・ダハル(MC)43,127 当選
   デビ・ギャワィ(UML)42,924
  ▼副市長
   パルバティ・シャハ(NC)47,197 当選
   ディビヤ・シャルマ(UML)39,535

こうして,バラトプル市長選は,政権与党MC=NCの思惑通りとなったが,これはどう見ても選挙の公正に反する。こんなことが前例となれば,開票状況不利な陣営が開票妨害をし,再投票に持ち込むことが許されてしまう。

今回のバラトプル市長選では,伝統的な有力者の身内えこひいき(アフノマンチェआफ्नो मान्छे)が,依然として健在であることを改めて強烈に印象づけられた。イデオロギーや法の取り決めよりも,身内の方がはるかに優先されるということ。

 ■チトワン郡投票用紙(選管HP)

*1 “PM Dahal’s daughter files nomination for Bharatpur mayor,” Kathmandu Post, 2 May 2017
*2 “Re-polling in Ward 19”, Nepali Times, 30 Jul 2017
*3 “Will Renu Dahal be able to turn the tables on Devi Gyawali in Bharatpur?,” Setopati, 4 Aug, 2017
*4 “Renu Dahal wins Bharatpur mayoral race,” Republica, 5 Aug 2017
*5 “Bharatpur re-election: Renu Dahal turns the tables on Devi Gyawali,” Kathmandu Post, 6 Aug 2017
*6 “Renu Dahal elected mayor of Bharatpur metropolis,” Himalayan, 6 Aug 2017
*7 “Renu’s victory fails to impress Maoist leaders,” Kathmandu Post, 7 Aug 2017

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/08/11 at 17:19

NC党役員,それでも包摂不足の批判

コングレス党(NC)新役員は包摂的選挙で選出されたが,デワン・ライ氏らは,それでも包摂不足と批判している。
 * DEWAN RAI, “Congress puts marginalised communities on the margins,” Kathmandu Post, Mar 15, 2016

記事によれば,新しい党中央執行委員会の女性委員数は,以前の17人から14人に減少した。その14委員のうち,一般枠選出は一人だけで,他の13委員は留保クォータ枠から選出。憲法は女性議員33%を定めているのに,党女性役員は17%だけ。党では女性が周縁化されている,というわけだ。

また,マデシからは,マデシ住民の多い第2州を含め,州選出委員は一人も選ばれていない。このように,NCは「周縁化されているダリット,女性,ジャナジャーティおよびムスリムを代表させることに大きく失敗した」。

“マデシ住民多数州からはマデシを代表として選出しなければならない”――そうとも言えるし,そうでないとも言える。ここで,包摂民主主義の評価は分かれる。

160316■たしかに男ばかり(コングレス党FB)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/03/16 at 11:29

カテゴリー: 政党, 民族

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コングレス党の包摂民主主義選挙

コングレス党(NC)が,第13回党大会(3月3-7日)において,次期党役員を選出した(途中経過既述)。

1.憲法の政党規定
ネパールの政党は公党であり,憲法第29編第269-271条において,その構成・運営が厳密に規定されている。
 ・政治イデオロギーや政治哲学を共有する人々が政党を組織・運営する。(某国“野合”政党はネパールでは失格?)
 ・党綱領は民主的でなければならない。
 ・全国および州の党役員は少なくとも5年ごとに選挙で選出。
 ・党の各レベル執行役員は,国民の多様性を反映させるため,比例制としなければならない。

2.NC選挙結果
党 首: S.B. デウバ (शेरबहादुर देउवा Sher Bahadur Deuba)
書記長: S. コイララ (Shashank Koirala)
会 計: S.T. ヤダブ (Sita Devi Yadav,女性)

中央執行委員(85)
 一般選出(25): デウバ派14,ポウデル派11
 州代表(14[各州2]): デウバ派7,ポウデル派7
 クォータ(22): デウバ派14,ポウデル派8
   [留保クォータ: 女性6,先住民5,マデシ5,ダリット5,ムスリム1] 

▼開票途中結果図解(Republica,14 Mar 2016)
160315

3.包摂民主主義の功罪
ネパール政治は,いまや一種の包摂民主主義原理主義といっても言い過ぎではあるまい。政治的に最大限自由であるべきはずの政党についてさえ,憲法でこまごまと規定し,党運営には包摂原理の厳守が求められている。

包摂民主主義には,むろん功罪両面がある。ある段階までは“功”の方が大ということは,たしかにいえる。これは認めなければならないし,事実十二分に認められる。

しかし,それにしても,ネパールはスゴイ! これから先,ネパール政治はどうなるだろう? 世界注視の政治実験とすら,いってもよいだろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/03/15 at 11:23

NC党首にデウバ氏,コイララ「王朝」退潮

コングレス党(会議派,NC)は,第13回党大会(2016年3月)において,党の主要役員を選出した。
 党 首:शेरबहादुर देउवा Sher Bahadur Deuba
 書記長:Shashank Koirala
 会 計:Sita Devi Yadav

1.微妙なバランス
党の新三役を見ると,党首のデウバ氏は,長らく反コイララ・反主流派で,一時はNCを分派,NC-Dを結成し党首となっていた。今回のNC党首選では,決選投票で主流派ポウデル氏を破り当選した。新憲法の連邦制や世俗制を評価。マデシに好意的。

これに対し,書記長のシャシャンカ・コイララ氏は,BP・コイララの末の息子で,コイララ「王朝」嫡流。連邦制や共和制に批判的。会計のシタ・デビ・ヤダブさんは,マデシ女性。十数年前,夫をマオイストに殺害され,それを機に政治家となる。政治経験は比較的浅い。

これら三役以外の役職の多くはまだ決まっていないが,デウバ体制の要職を占めるとみられている人々の多くは,連邦制や世俗制に批判的といわれている。特に,デウバ体制のキーパーソンと目されているクム・バハドウル・カドカ氏は,強硬なヒンドゥー国家主義者として知られている。NCデウバ体制は,微妙な力関係のもとにあるといってよい。

2.コイララ「王朝」退潮
コングレス党は,1947年の設立以来,事実上,コイララ一族の支配下ないし影響下にあった。この間,スバルナ・シャムシェルやKP・バタライが何回か党首になったが,いずれもコイララ家がバックにあった。

ところが,今回,党大会で反主流派のデウバ氏が,コイララ家の支援なしで,党首に当選した。コイララ「王朝」の退潮は明らかだ。これがNCの今後の動きにどう影響するのか,注目される。

3.デウバ党首の略歴
1947 6月17日極西部ダデルドゥラ郡生まれ。チェットり。
1971 ネパール学生組合(NSU)委員長
1991 内相
1995 首相
2001 首相
2002 NC-D結成,党首
2004 首相
2007 NC-D,NCと再統一
2016 NC党首
トリブバン大学政治学部卒,LSE(英)留学
パンチャヤト王政反対闘争で9年間投獄
2005年,汚職容疑で在宅逮捕(政争がらみとの説あり)

▼歴代党首(デウバ党首FB,NCホームページ)
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【参照】
*KAMAL DEV BHATTARAI,”Deuba may be surrounded by persons opposed to federalism, secularism in NC nucleus,” Kathmandu Post,Mar 10, 2016
*”The rise of Deuba,” Nepali Times Monday, March 7th, 2016
*Kathmandu Post Editorial,”To new NC leadership: Resolution to key issues will lead to stability and growth, which in turn leads to long-term stability,” Mar 7, 2016
*The Himalayan Times Editorial, “It is Deuba,” March 09, 2016
*KAMAL DEV BHATTARAI,”Deuba defeats Poude: Eighth Nepali Congress president takes party leadership out of the Koirala family after two decades,” Kathmandu Post,Mar 8, 2016

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/03/11 at 16:55

カテゴリー: ネパール, 政党

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スシル・コイララ前首相,憲法史に名を残すか?

スシル・コイララ前首相が2月9日,亡くなられた。77歳。1939年8月12日生まれ。首相在職2014年2月11日~2015年10月10日。

スシル前首相は,名門コイララ一族出身で,いずれも元首相のMP・コイララ,BP・コイララ,ギリジャ・コイララのいとこ。1954年頃からネパール民主化運動に参加。インド亡命16年間。反政府活動資金獲得のためのロイヤルネパール航空機ハイジャック事件(1973)に関与し,インドで逮捕,3年間投獄。

スシル前首相は,BPやギリジャのような雄弁なカリスマ的指導者ではなかったが,決断すべき時には果敢に決断し実行する,ネパール政界では数少ない「清貧政治家」だったという。その彼の最大の業績は,いうまでもなく2015年9月16日,首相として主要諸政党を説得し,制憲議会において「2015年憲法」を可決成立させ,9月20日大統領の名により公布施行したこと。

この2015年憲法については,マデシ諸党を中心に反対も少なくないが,歴史的にみると,それこそが長きにわたるマオイスト紛争を法的に決着させたことに疑いの余地はない。今後,この憲法が,必要な場合には適切に改正され,永続化することになれば,スシル・コイララ前首相の名はネパール憲法史に長く残ることになるであろう。

140211b 140211a
■コングレス党HP/スシル・コイララ首相フェイスブック

【参照】第37代首相はスシル・コイララNC議長

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/02/14 at 10:56

「実」より「名」,プラチャンダの連邦制提案

マオイストのプラチャンダ議長が10月15日,民族名結合の州名とするのであれば,10州以下の連邦制でもよい,と語った(Republica,15 Oct)。2013年11月の制憲議会選挙では,マオイストは12州を提案していた。

141015 ■マオイスト12州案(प्रतिबद्धता पत्र)

連邦制は,いうまでもなく新憲法制定への最大の懸案の一つ。連邦を構成する州の数が少なければ,州区画が大きくなり,民族/カーストごとの州をつくれず,相対的多数派の民族/カーストの力が大きくなる。州名も多数派民族/カーストの名前か,民族/カーストとは無関係の,たとえばコングレス提案の「東州」とか「西州」といった民族/カースト中立州名になるであろう。この場合,前者はいうまでもなく,後者であっても,現実政治においては多数派民族/カーストが実際にはヘゲモニーを握ることになる。

世間では,名前など符号にすぎないとか,「名」より「実」だなどいわれることも少なくないが,実際には「名」が「実」を左右する。夫婦同一姓強制への固執がそうだし,会社合併で「三菱東京UFJ」とか「三井住友」のように旧会社名継承にこだわるのも,「名」が「実」を規定すると信じられているからである。その意味では「名」は「実」より重要だ。

ネパール連邦制の議論において,プラチャンダが,州名を複数の民族/カーストの名を結合したものにするなら,州の数は10以下でもよいと述べ,コングレス党の6~7州案に大きく歩み寄ったのも,とりあえずは「実」を捨てるふりをして「名」を取る作戦だろう。被抑圧諸民族/カーストの権利実現をスローガンとして民主化運動を闘ってきたのだから,彼らのメンツ(名前)だけはつぶさないでやってくださいね,と情に訴える高等作戦。

もともとネパールでは,どの民族/カーストであれ,単独で独自の州をつくることは困難なのだから,結合名の州という提案は少数派民族/カーストにも受け入れられやすいものだ。そして,「名」を取れば,いずれ「実」をも取れるという希望も,少数派民族/カーストはもつことができるであろう。さすが策士,プラチャンダ!

しかし,果たして,それでうまくいくのであろうか? 結合名にするとして,では実際に,民族/カーストの名をどう結合するのか。プラチャンダは「キラト-ルンビニ-コシ州」といった例を出しているが,本当にこの程度で済むのだろうか? 

日本には,「三井住友海上あいおい生命」といった長~い社名や「損保ジャパン日本興亜」といった珍妙な社名があるが,いくら長くても珍妙でも丸く収まっているのであれば,それはそれでよい。

しかし,ネパール連邦制は,もっとはるかにやっかいだ。西洋諸国が焚き付けた民族アイデンティティ政治は,民族/カースト名をいくつ連結してみても,とうてい丸く収まりそうにはない。パンドラの箱を開けたツケは,ここでも地元住民に付け回されることになるのであろう。

[参照]火だるまのバタライ博士: マオイスト14州案

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/10/15 at 20:15

コングレス党の憲法骨格案

コングレス党(NC)が10月11日,憲法骨格案を作成し,「憲法に関する政治的対話と合意形成委員会(Constitutional Political Dialogue and Consensus Committee [CPDCC])」(バブラム・バタライ議長)に提出することになった。分かりにくいところもあるが,要旨は以下の通り(Nepalnews.com & Repuiblica, 11 Oct)。

1.連邦制
(1)6州又は7州。タライは2州に分割。下図参照。
(2)州の名称:州議会において2/3の多数により決定。
(3)州首都:州議会で決定。
(4)州公用語:ネパール語と,州民使用の他の2言語。
(5)州内自治体:州議会が1年以内に区画と名称を決定。区画は民族/カーストを考慮。必要な場合は,特別区を設定。
(6)州議会:議員定数25~50。大臣25人以内。

2.立法
(1)上院(連邦院):議員定数75以内。各州選出10,内閣の助言に基づき大統領任命5。
(2)下院(代議院):議員定数175。小選挙区選出。ただし,75人は包摂比例原則により候補者選出。(75人は比例制選出かもしれない。後日確認。)

3.行政
(1)大統領:儀礼的国家元首。連邦議会と州議会から選出される選挙人団が選出。
(2)首相:議会の多数により選出。不信任案は,首相就任1年経過後,現首相に代わりうる別の首相候補の名を明記した場合にのみ,提出可能。
(3)内閣:10人以内。

4.司法
(1)最高裁判所:長官と裁判官は「憲法会議」が指名。憲法解釈,司法記録保存。
 *憲法会議=最高裁長官(長),法務大臣,最高裁長老裁判官2,弁護士会指名1
(2)憲法裁判所:新憲法制定後10年間設置。連邦制に関する紛争の裁判。
 *憲法裁判所裁判官=最高裁長官,最高裁長老裁判官2,「憲法会議」又は「司法会議」推薦の専門家2。
(3)州裁判所

▼コングレス党の6州案と7州案(Repuiblica, 11 Oct)
141014

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/10/14 at 11:14

カテゴリー: 憲法, 政党

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第37代首相はスシル・コイララNC議長

1.首相選挙
ネパール制憲議会=立法議会は2月10日,コングレス党(NC)のスシル・コイララ議長(सभापति शुशिल कोइराला)を首相に選出した(सभापति =chairman, president)。第37代首相。

 首相選挙立候補:スシル・コイララNC議長のみ。
 議員総数:571(2月10日現在)
 政党別議席数:NC196, 統一共産党(UML)175, マオイスト(UCPN-M)80, 国民民主党(RPP)24, 他96(2月10日現在)
 出席議員数:533
 賛成:405(NC,UML,RPP,共産党ML,MJF-L,他)
 反対:148(マオイスト,他)

 140211b ■コイララNC議長(NCホームページ)

2.NC=UML連立政権
スシル・コイララ首相選出は,選挙で大勝したNCとUMLの「7項目合意」(2月7日)により,実現した。

▼NC=UML7項目合意(2月7日)
 (1)新憲法は1年以内に制定。
 (2)第1次制憲議会における憲法関係各党合意事項の承認・継承。
 (3)新憲法施行前に大統領と副大統領を新たに選出。
 (4)現大統領と現副大統領の任期は,制憲議会=立法議会において暫定的に延長する。
 (5)UMLは,首相選挙において,スシル・コイララNC議長に投票する。
 (7)制憲議会議長はUMLとし,NCはこれを支援する。

3.コイララ首相の公約
コイララ首相は,NC=UML連立内閣首相であり,当然,「7項目合意」が基本となる。この合意に基づき,彼は,首相選挙立候補演説において,つぎの「12項目目標」を公約した。

▼12項目目標(2月10日)(nepalnews.com, 10 Feb)
 (1)和平プロセスの継続・完了。
 (2)新しい民主的・共和的憲法の1年以内の公布施行。
 (3)地方選挙の6か月以内の実施。
 (4)経済発展と社会正義のための基本政策の作成。
 (5)インフレ抑制。
 (6)すべてのバンダ(ストライキあるいは閉鎖)の規制。
 (7)紛争被害者の救済。
 (8)法の支配による平和と秩序の確立。
 (9)内外資本の投資環境の改善。
 (10)インフラ建設および社会サービスの可及的速やかな促進。
 (11)印中および他の友好国との関係の強化。
 (12)すべての政党とつねに協力し,コンセンサスによる統治を目指す。

 140211a ■コイララ首相フェイスブック

4.勇猛にして清貧
スシル・コイララ氏は,1939年生まれで74歳。独身で,質素な生活を好み,「清貧指導者(saint leader)」などとも評されている。

一方,スシル氏は,名門中の名門,コイララ一族の一員であり,パンチャヤト期にはBP・コイララ,ギリジャ・コイララらとともに激しい民主化闘争を闘っている。

特に有名なのは,1973年のギリジャをリーダーとするハイジャック事件。1973年6月10日,NC党員3人がビラトナガルを離陸したロイヤル・ネパール航空機をハイジャックし,インド・ビハール州に強制着陸させ,ネパール政府公金3百万ルピーを強奪した。反パンチャヤト武装闘争の軍資金とするためだった。スシルは,このハイジャック事件の支援メンバーの1人として逮捕され,デリー監獄に投獄されたが,1975年,保釈された(wiki)。

政党活動が禁止されていたパンチャヤト期には,ガネッシュマン・シン,KP・バッタライなど激しい実力闘争を闘い長期間投獄された政党政治家が,たくさんいた。スシル首相もその1人なのである。

 140211c ■NCトロイカ(NCホームページ) 

5.揺り戻し
NC=UML連立コイララ内閣が,「行きすぎた」民主化革命体制からの揺り戻しとなることは間違いない。「12項目目標」を見ても,バンダ規制や「法の支配」強化があげられている。

NCとUMLは旧1990年体制の中心勢力だったし,コイララ首相に賛成投票したRPPも今回の選挙で26議席を獲得し勢力を回復しつつあ。

さらに,マオイストは野党を選択したものの,幹部らはこの数年で戦利品を十分すぎるほど手中にし,体制内化している。プラチャンダ議長自身,「1年以内の新憲法制定というコイララの公約は評価できる。われわれは,憲法制定を建設的な立場から支援する」と明言している(Republica, 10 Feb)。

だから,2007年暫定憲法体制からの揺り戻しは避けられないだろうが,問題は,それがどの程度になるか。たとえば,「12項目目標」の公約では,新憲法は「民主的・共和的」とされている。「連邦制」はない! たまたまなのか,それとも意図的なのか? もし意図的に落としたとすれば,これは大問題になる。

歴史的に見ると,イギリス革命,フランス革命など大きな革命はたいてい「行きすぎ」,それへの揺り戻しが起こり,結局,状況から見てそこそこ妥当なところに落ち着く。巨視的に見れば,ネパール革命も,そのような経過をたどるのではないだろうか?

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/02/11 at 19:43

制憲議会選挙2013(36):比例制-2

5.当選者名簿の作成
比例制獲得議席数の選管発表後,各党は,拘束式候補者名簿掲載候補者の中から,「党中央執行委員会」において獲得議席数に見合う数の当選者を選考して当選者名簿を作成し,それを選管に提出する[7(7)]。

この当選者名簿が選挙令の包摂規定に適合していない場合は,3日以内に訂正し,再提出する。ただし,各社会集団につき,10%以内の過不足は認められる。しかし,それでもなお規定に適合していない場合は,選管は,その党提出当選者リストを選挙令の包摂規定に適合しているものとみなす[7(8)-(12)]。

以上が,比例制当選者の選考方法らしい。「らしい」というのは,選挙令のこの部分,つまり第7条(7)-(12)は,何回読んでもよく分からないから。ネパール法実務家であれば分かるのだろうが,私にはお手上げ。だから,上記は,たぶん,そのような意味だろうというにすぎない。もし間違っていたら,後日訂正する。

6.当選者名簿:コングレス党の場合
当選者名簿の選管提出期限は,2013年12月30日。各党とも当選者選考でもめにもめたが,たとえば大勝し第一党となったコングレス党(NC)は,下記のような当選者名簿を作成し選管に提出した。

 ▼NC比例制当選者の社会集団別配分
  獲得議席数:91[100%]
  ・女性:46[50.5%]
  ・周縁的民族/先住民族:34(女17)[37.4%]
  ・マデシ:26(女13)[28.6%]
  ・ダリット:12(女6)[13.2%]
  ・後進地域:3(女2)[2.2%]
  ・カス・アーリア他:30(女15)[33.0%]

この社会集団別割当は,後進地域はやや少ないが,それを除けば選挙令の規定にほぼ適合している。

こうした社会集団別割当,ないしクォータ制が,根深い政治的・社会的差別の是正に大きな効果を発揮することはいうまでもない。たとえば,女性50.5%やダリット13.2%などは,人民戦争以前であれば夢のような考えられない数字であろう。日本でも,女性の力を本気で活用したいのであれば,ネパールに学び,議員定数の半分を女性とすべきであろう。

しかし,その一方,ネパールの包摂的比例制には問題も多い。たとえば,NC青年指導者ガガン・タパらによると,コイララ議長とデウバ幹部は比例制議席を5:4ないし6:4で山分けする密約を結んでいたという。事実,ほぼその通り,獲得議席91がコイララ派に55,デウバ派に36配分された。また,地域的にみると,25郡がゼロであるにもかかわらず,ヤダブ大統領やB・ニディの地元ダヌサ郡8,コイララ議長地元バンケ郡5,ポウデル副議長地元タナフ郡3となっている(ekantipur & Republica, 31 Dec.2013)。

身内優遇も相変わらず。デウバ幹部の妻アルズ・ラナ・デウバやコイララ一族のスジャータ・コイララなどが比例制から選出されている。

包摂的クォータ制は,構造的差別是正に有効な反面,議員選出過程が複雑となり,それだけ不透明となりやすい。また,アイデンティティ政治の危険性もつきまとう。この点については,別に論じる。

▼コングレス党比例制候補者・当選者
(候補者名簿番号-候補者名-[当選者名簿番号] 赤字=当選者

1 Chitra Lekha Yadav [1]
2 Gopal Man Shrestha [2]
3  Kul Bahadur Gurung [3]
4 Lila Koirala [4]
5 Dil Bahadur Gharti [5]
6 Narendra Bikram Nembang [6]
7 Pradeep Giri [7]
8 Gyanendra Bahadur Karki [8]
9 Minendra Prasad Rijal [9]
10 Prakash Sharan Mahat [10]
11 Man Bahadur Bishwakarma [11]
12 Sujata Koirala [12]
13 Manmohan Bhattarai [13]
14 Mahalaxmi Upadhyay Dina [14]
15 Anandaprasad Dhungana [15]
16 Suryaman Gurung [16]
17 Kamala Panta [17]
18 Ambika Basnet [18]
19 Dhanraj Gurung [19]
20 Mahendra Yadav [20]
21 Surendraraj Pandey
22 Ratna Sherchan [21]
23 Min Bahadur Bishwakarma [22]
24 Badri Prasad Pandey [23]
25 Jeevan Pariyar [24]
26 Ishwari Neupane [25]
27 Sita Gurung [26]
28 Kavita Kumari Sardar [28]
29 Minakshi Jha [28]
30 Sujata Pariyar [29]
31 Rajan Prasad Panta
32 Kumari Laxmi Rai [30]
33 Mina Subba
34 Baburam Rana
35 Chinkaji Shrestha [31]
36 Ram Chandra Pokhrel [32]
37 Sukraraj Sharma
38 Ashok Koirala [33]
39 Laxman Bahadur Basnet
40 Shivaraj Joshi
41 Jeet Bahadur Puri
42 Narayan Prasad Koirala
43 Ganesh Prasad Bimali [34]
44 Harihar Acharya (Birahi)
45 Shyam Kumar Ghimire
46 Jagadishwar Narsingh KC [35]
47 Haribol Bhattarai
48 Narayan Prasad Gaudel
49 Sunil Rana
50 Tarani Datta Chataut [36]
51 Madhu Prasad Acharya
52 Tilak Bahadur Rana Bhat
53 Rameshwor Prasad Khanal
54 Yadunath Khanal
55 Yubaraj Sharma
56 Bharat Bahadur Khadka [37]
57 Shanker Prasad Pandey
58 Krishnalal Sapkota
59 Jagannath Paudel
60 Kedarnath Koirala
61 Mohan Gyawali
62 Shankar Giri
63 Dhruba Wagle [38]
64 Chandra Bahadur KC
65 Baldev Bohara [39]
66 Mohan Raj Malla
67 Keshav Prasad Bhattarai
68 Lalit Adhikari
69 Mangal Bahadur Shahi
70 Giriraj Gautam
71 Krishna Singh Nayak
72 Sunil Kumar Bhandari
73 Narendra Bahadur Singh
74 Arjun Kumar Pokhrel
75 Dharmaraj Neupane
76 Jagat Prasad Joshi
77 Khuma Prasad Aryal
78 Rama Paudel (Guragain)
79 Krishna Kumari Paudel (Khatiwada)
80 Taradevi Bhurtel
81 Sarita Prasain [40]
82 Rukmini Devi Koirala
83 Shanta Rijal
84 Tulasa Acharya
85 Madhu Shahi Thakuri [41]
86 Kalyani Devi Rijal
87 Ambika Subedi
88 Laxmi Thapa
89 Kamala Thapa
90 Bijula Kumari Barma
91 Bishnu Devi Pudasaini
92 Dhan Kumari Khatiwada
93 Srijana Adhikari
94 Sushila Dhakal (Acharya)
95 Saroj Malla
96 Rama Aryal
97 Anita Devkota [42]
98 Kiran Koirala
99 Juna Kumari Dani
100 Rita Shahi [43]
101 Mithu Malla [44]
102 Parbati Chand
103 Leela Kumari Nepal
104 Chandra Devi Joshi [45]
105 Maina Karki
106 Dr Arzoo Rana Deuba [46]
107 Dipsikha Sharma Dhakal [47]
108 Uma Regmi
109 Dr Dila Sangraula
110 Omkala Gautam
111 Rama Koirala Poudel
112 Sheela Sharma Khadka [48]
113 Kalpana Devi Chokhal
114 Saraswoti Aryal Tiwari
115 Amrita Shahi
116 Nirmala Chhetri
117 Prasis Mahara
118 Narayani Rayamajhi
119 Urmila Nepal
120 Manju Khand
121 Parbati Devi Jaishi
122 Divyaswori Shah
123 Karobati Danuwarni
124 Ramkumari Malahin
125 Mukta Kumari Yadav [49]
126 Sangeeta Mandal Dhanuk [50]
127 Saraswoti Giri
128 Basmati Devi Giri
129 Kaushar Shah [51]
130 Anju Singh Chaudhary
131 Jamila Miya
132 Malati Devi Srivastav
133 Rashmi Thakur [52]
134 Mohammadi Siddiki
135 Lakhi Kumari Ganesh
136 Sarwat Ara Khatun Haluwaini [53]
137 Prameswori Pathak
138 Richa Dwebedi
139 Rekha Kaur Prasain
140 Saroj Kumari Yadav
141 Jibachhi Kumari Yadav
142 Mamata Srivastav
143 Laxmina Devi Rauniyar
144 Munni Kumari Gupta
145 Geeta Kumari Yadav
146 Tapeswori Devi Yadav
147 Surya Mati Upadhya
148 Fulkaliya Kurmini
149 Nagina Yadav
150 Kunti Kumari Yadav
151 Saraswoti Devi Harijan
152 Kunti Pasin
153 Mira Kumari Nepali
154 Prameela Devi Das [54]
155 Kumari Devi Musahar
156 Mohani Safi
157 Shyam Devi Pasman
158 Usha Gurung [55]
159 Krishna Amatya
160 Maji Gurung (Akala Gurung)
161 Sarita Gurung
162 Rajya Laxmi Shrestha [56]
163 Chandra Laxmi Tamrakar
164 Man Kumari Gurung
165 Saraswoti Bajimaya [57]
166 Pushpala Lama [58]
167 Dhan Kumari Thapa
168 Devaki Shrestha
169 Anu Gurung
170 Bishnu Kumari Limbu (Dahal)
171 Renuka Kaucha
172 Jeevan Dangol
173 Binda Devi Ale Rana [59]
174 Kusum Devi thapa
175 Uma Thapa
176 Deepak Roka Magar
177 Hari Prabha Khadgi
178 Hari Maya Gurung
179 Hira Gurung
180 Anjana Tamli [60]
181 Chandra Maya Limbu
182 Hema Laxmi Rai
183 Yamuna Devi Shrestha
184 Subarna Jwarchan [61]
185 Urmila Thapa
186 Anjani Shrestha [62]
187 Leela Subba
188 Lalita Kingring Magar
189 Lalitkala Gurung
190 Mahendra Kumari Limbu [63]
191 Rajani Amatya Jonchhe
192 Bijaya Shrestha KC
193 Manorama Sherchan
194 Maya Rai
195 Om Devi Malla Joshi [64]
196 Sunayana Palikhe Shrestha
197 Chiude Lama
198 Tika Kumari Budha
199 Sita Shrestha
200 Sita Kumari Rana
201 Bharati Gurung
202 Radha Ghale
203 Rekha Gurung
204 Kalpana Sop [65]
205 Bimala Nepali
206 Asha BK [66]
207 Rajan Bishwakarma
208 Kopila BK
209 Rupa BK
210 Nani Maya Neopali
211 Kopila Bohara
212 Laxmi Pariyar Sewa
213 Bishnu Maya Pariyar [67]
214 Radhika Bhujel
215 Uma Kumari Badi
216 Fulawati Rajbansi
217 Malati Devi Chaudhary
218 Namita Kumari Chaudhary
219 Pati Tharuin
220 Sabitri Devi Chaudhary [68]
221 Pampha Dhimal
222 Pepi Tharuni
223 Saraswati Chaudhary
224 Bhoteni Devi Khawas [69]
225 Laxmi Devi Bhandari [70]
226 Ganga Devi Chaudhary
227 Sundari Devi haruni
228 Dhamendra Bikram Nembang
229 Bikemndra Kumar Limbu
230 Dinesh Rai
231 Srawan Kumar Rai
232 Mohan Kumar Rai [71]
233 Pratap Singh Lama
234 Dhruva Shrestha
235 Dil Man Pakhrin [72]
236 Ourna Bahadur Tamang
237 Mohan Kumar Singh Mathema
238 Hira Lal Tandukar
239 Ananda Raj Joshi
240 Hari Prasad Shrestha
241 Pramod Kumar Shrestha
242 Raj Kumar Nakarmi
243 Dinbandhu Shrestha
244 Kalyan Kumar Gurung
245 Durga Bahadur Ranamagar
246 Amar Singh Pun [73]
247 Jhul Bahadur Aley [74]
248 Gajendra Bahadur Aley
249 Tama Bahadure Daire
250 Bhim Bahadur Dura
251 Rabindra Raj Shrestha
252 Lal Kaji Gurung
253 Dibya Mani Rajbhandari
254 Tek Prasad Gurung
255 Chandra Dwaj Gurung
256 Indra Bahadur Gurung
257 Jeevgan Prem Shrestha
258 Manohar Narayan Shrestha [75]
259 Angelu Sherpa
260 Pradip Kumar Sunuwar
261 Thal Kumar Linkha
262 Ravi Prakash Rai
263 Ganesh Bahadur Thapa (Magar)
264 Nabin CXHitrtakar
265 Raju Shrestha
266 Meena Kumari Srivastava
267 Arjun Kumar Shrestha
268 Lal Bahadur Ghale [76]
269 Buddha Lama
270 Kawel Bahadur Lama (Tamang)
271 Tsering Kapne Lama
272 Bhusandwaj Rajalwat
273 Kadga Bahadur Basyal [77]
274 Man Bahadur Nepali
275 Jayaram Tamata
276 Bijul Kumar BK Dulal
277 Lilman Damai
278 Karnabir Kami
279 Shiva Narayan Gangai
280 Ranjit Karna [78]
281 Amiya Kumar Yadav [79]
282 Bhola Pajiyar
283 Upendra Prasad Chaudhary
284 Harishanker Mishra
285 Upendra Prasad Kushwaha
286 Ram Shrestha Prasad Shah
287 Abdul Kalam Musalman
288 Lal Babu Singh Bhuinyar [80]
289 Matrika Prasad Yadav
290 Mukinath Yadav
291 Badshah Kurmi [81]
292 Abdul Hameed Siddiqui [82]
293 Rijwan Ahmed Shah
294 Dr Suresh Kumar Kanaudiya
295 Dharmendra Jha
296 Shashi Kanta Agrawal
297 Mahesh Kumar Jaju
298 Medani Mahato Dhanuk Mandal
299 Amrit Lal Rajbansi [83]
300 Ghuran Majhi
301 Birendra Kumar Majhi
302 Shanti Devi Chaudhary [84]
303 Mohan Chaudhary
304 Lahuram Tharu
305 Buddhi Sagar Chaudhary [85]
306 Smriti Narayan Chaudhary
307 Haresh Prasad Mahato [86]
308 Om Prakash Sharma
309 Narendra Prasad Mishra
310 Sheikh Rasheed Ali
311 Om Prakash
312 Kishori Shah
313 Mukhtar Ahmed [87]
314 Bhagirath Kumar Poddar
315 Rakesh Kumar Singh
316 Bashishta Narayan Prasad Kurmi
317 Basi Ullah Musalman
318 Dilli Bahadur Chaudhary [88]
319 Pyare Lal Rana [89]
320 Ramasamajha Chaudhary
321 Shyam Lal Rana Tharu
322 Bhagwati Prasad Tharu
323 Som Prasad Chaudhary
324 Ram Sundar Maharaf
325 Surya Dev Das Urao
326 Bangali Hajara Dusad
327 Maikulal Balmiki [90]
328 Sita Mijar
329 Padma Singh BK
330 Lok Bahadur Biswokarma
331 Narbhan Kami [91]
332 Bir Bahadur Sunar
333 Shambhu Hajara Dusad
334 Dharmandra Paswan
335 Ram Baran Paswan

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/02/10 at 18:21