ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

Posts Tagged ‘スジャータ

ピストルか偽造パスポートか: シャハ家vsコイララ家

パラス元皇太子発砲事件は,いよいよミステリーじみてきた。パラス氏はそもそもピストルなど持たず発砲はしていない(つまりNC=インド=コイララの陰謀)という説から,パラス氏に夜中12時に「ジャングルにトラを見に行こう」としつこく誘われたスジャータ副首相娘婿が断ったら皆殺しにしてやるとピストルを向けられたという説まで,実ににぎやかだ。

一方,被害者とされるスジャータ副首相娘婿ラウェル・チョーダリ氏についても,マフィアの親分だとか,外相を利用したパスポート偽造でぼろ儲けしているといった,えげつない暴露攻撃が始まった。

いやはや,すさまじい。マオイストがパラス元皇太子弁護に回ったくらいで驚いていては,ネパール観察はつとまらない。

とにかく一つ分かったことは,世界中の人々は例外なく王様,王族が大好きだということ。ベルルスコーニ首相も愛すべき人物だが,ブランド力では王族にはかなわない。

民主主義や共和制は正しいかもしれないが,面白くない。このことを忘れると,足元をすくわれるだろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/16 at 20:43

マオイスト,パラス元皇太子支持

これだからネパール政治は面白い(少々不謹慎な表現だが)。なんと,われらがネパール共産党毛沢東派(マオイスト)がパラス元皇太子の弁護に回ったのだ。極右=極左共闘!

それも下っ端ではない。マオイスト政治局Kul Prasad K.C.,マオイスト・チトワン代表Anil Sharma,マオイスト・スポークスマンD. Sharmaらが,パラス氏はそんなことはやっていない,と弁護している(Telegraph, Dec 13)。

マオイストによれば,これはインドとNC(コングレス)のでっち上げだという。あるいは,もめ事はあったとしても、他の重要問題を隠すため仕組まれたものであり,パラス氏はむしろネパールの名誉と国益を守ろうとしたのだという。美事な分析だ。プラチャンダ議長のご聖断が待たれる。

こうした王族や国家中枢にかかわる出来事は,なかなか真相が分からない。CIAやRAWの情報がウィキリークスに掲載されるのを待たねばなるまい。あるいは,少なくともPeoples Review報道と比較検証すべきだろう。自衛隊情報なら『朝雲新聞』,共産党情報なら『赤旗』を見るように。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/15 at 16:19