ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

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文化の交差する交差点の文化

ネパールで興味が尽きないのが,交差点。人や車が行き交い,文化が交差し,新たな文化が生まれる。下掲は,ディリバザール西出口。これぞ,ネパール現代文化の華。見飽きない。

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 ■ディリバザール西出口。バグバザール側より。

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 ■蜘蛛の巣配線,消灯信号,作動中(?)の監視カメラ/風力国旗ワイパー付ソーラーパネル

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/12/14 at 19:42

カテゴリー: 文化, 旅行

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電動三輪車,タライ快走

カトマンズの電動三輪小型バス(サファ・テンポ)は,坂道が多いせいか生息吐息,このままでは排ガス排出車との競争に負け,姿を消しそうな雲行きだ。

ところが,広大な平地のタライでは,電動三輪タクシーが多数走っている。新しくてピカピカ,音もなく走り寄り,客を拾い,さっそうと走り去る。

構造はいたって簡単。三輪車車体に電動モーターをつけ,蓄電池を乗せ,その電力で走る。部品さえあれば,私でもすぐ組み立てられそうだ。

人力三輪車(リキシャ)もまだ多いが,電動三輪車の方が速く,美しく,カッコよいので,いずれとってかわられそうだ。

問題はコスト。蓄電池の購入・維持にどの程度のコストがかかるのか? 蓄電池は技術開発が急速に進み,また太陽光発電用にもますます多数使用されるようになってきているので,購入・維持コストは今後低下していくものと思われる。

理想は,太陽光発電との組み合わせ。これも,技術的にはいたって簡単。私でも,すぐできる。太陽光発電の効率とコストがさらに下がれば,いずれ太陽光発電・充電による電動車運用の夢が実現するだろう。

このように,持続可能エコ電動車がさらに増えていけば,タライは,低公害交通のモデル地域になるだろう。頑張れ,静かで美しく,かわいい電動三輪車!

▼電動三輪タクシー
最初の写真のみビラトナガル郊外,他はイタハリ。動力は,蓄電池電動モーターが主,ペダル人力が補助。また,電動モータのみのタイプもある。速度は,人力三輪車よりはるかに速く,エンジン駆動車より遅い。平地での中短距離輸送に最適。
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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/02/08 at 14:29

太陽光発電の光明

夜8時すぎ,ソーラーLED街灯を見にラーニポカリ付近に行ってきた。新設街灯は見た限りではすべて点灯していたし,ソーラーLED照明バス停にも明かりがともっていた。ただし,少し古いと思われる,ガネッシュマン像周辺の街灯は,いくつか消えていた。

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 ■ラーニポカリ西側

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 ■LED街灯とラーニポカリ

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 ■ガネッシュマン像周辺の消灯LED街灯/LED照明バス停

ソーラーLED街灯の仕様は,素人には正確にはわからないが,基本構成は次のようなものらしい。
 ▼太陽光発電板 1枚
 ▼LED照明板 12V/DC 40W 1枚
 ▼蓄電池 1組

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 ■上から太陽光発電板,照明板,蓄電池箱/LED電球照明板

40Wと表示してあったので,たいして明るくないのではと思っていたら,実際に夜みてみると,かなり明るく,十分実用にたえるものであった。この基本セットを2つ組み合わせたものもあり,これだとさらに明るい。

製造国は,照明板が中国製なので,他の部品もおそらくそうだろうが,まだ確認はしていない。

太陽光発電は,都市部だけでなく,地方にも広がっている。設置はいたって簡単なので,増設し,うまく維持すれば,ネパールの人々の生活を大きく変えることになるであろう。

太陽光発電の光明は限りなく大きい。ネパールが,原発に固執する日本を飛び越え,太陽光発電超先進国になる可能性は大だ。むろん,中国援助によること大ではあろうが。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/02/06 at 16:50

カテゴリー: その他, 経済, 中国

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ソーラーLEDの街灯とバス停

憲法制定が泥沼停滞中なので,カトマンズ市内を見ることにした。すぐ目についたのが,太陽光発電の街灯とバス停。道路沿いに大量設置中だ。

連日長時間停電なので,電線配電をあきらめ,一足飛びに最先端のエコ持続可能ソーラーLED照明へのポストモダン化。スゴイ,スゴイと驚嘆,感動,雨あられ。憲法に続き,街灯でもバス停照明でも,日本を追い越しつつある。

設置予算は,どこから出ているのか? 街灯の柱は鋼鉄かアルミ(たぶん鋼鉄)で,とにかく立派。上部に太陽光発電板,中間に蓄電池が取り付けられている。バス停の場合は,屋根の上に太陽光発電板,蓄電池はたぶん天井部分収納であろう。

スゴイ,たしかにスゴイが,全体として,どことなく野暮ったく,あか抜けない。もし援助しているとすれば,中国かな?

そう思いながら歩いていると,ありました! ネパール民主主義再建の父の一人,ガネッシュマン・シン像の前にこれ見よがしに林立しているソーラー照明の,像のすぐそばの最も目立つ支柱に,「中国西蔵自治区○○○○」の掲示。○部分は消えているが,英語表記では「贈呈」となっている。他はどうかは不明だが,少なくともここでは中国が援助していた。スゴイぞ,中国!

が,しかし,そこはネパール,太陽光エコ照明でネパールが一気に西洋文明近代を超克するかというと,どうも,そううまくはいきそうにない。少し前に設置された同様の仕様のソーラー発電式街灯を見ると,受光面にはすでに厚くほこりが積もり,どう見ても発電しているようには見えない。日本援助の信号機以上の,文字通り立ち枯れソーラー街灯となっているのだ。年に何回か掃除すれば,使えそうなのに,それすらやっていないようだ。この調子では,蓄電池メンテナンスもやっていないのだろう。(実際の点灯状況は,後日,夜間観察し,報告する。)

いやはや,前近代からの近代以後への一足飛びの跳躍は,かくも難しいことなのだ。街路灯にして然りとすれば,憲法においては,なおさらのことではないのだろうか?

150127■H.エベレスト前

150124a■王宮博物館前

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  ■ガネッシュマン像前/同贈呈表示板

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  ■バス停/埃まみれ太陽光発電版と従来型信号機 

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/02/03 at 12:40

交差点に見る前近代・近代・近代以後

ネパールの交差点は,文化の交差点であり,一目でネパール文化のありようが見て取れる。この写真は,ナラヤンヒティ王宮博物館前。左が交通警官,右下が信号機,そして右上がソーラーLED照明。
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これは,ニューバネスワル(制憲議会前)。左が交通警官,中央がソーラーLED照明,右が信号機。
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これらの交差点において,交通警官は,人々の動きを見て交通整理をしている。これは人の支配としての人治であり,したがって「前近代」。

これに対し,信号機は,定められた規則により合理的・機械的に交通整理。これは非人間的な合理的な規則による支配であり,法治(法の支配)であり,したがって「近代」。

そして,ソーラーLED照明は,人間が作ったものながら,設置後は自然光の恵みにより自動的に発電し交差点を照らす。その限りでは人為を超克しており,いわば「近代以後」。

カトマンズの交差点では,見た限りでは,信号機は全滅,まともに機能しているものは一つもない。点灯していても,点滅であり,実際の交通整理は,交通警官が手信号でやっている。つまり,近代原理の象徴たる信号機は,日本援助などで何回も導入が試みられてきたにもかかわらず,ネパール社会には受け入れられず,打ち捨てられ,埃まみれの立ち枯れ信号機の無残な姿をさらすことになっている。交差点において,「近代」は「前近代」に完全敗北したのだ。

では,ソーラーLED照明はどうか? うまく維持され機能すれば,「近代」を超克する「近代以後」の象徴となり,世界中の絶賛を浴びることになるだろう。「近代」なきネパールにおける「近代以後(ポストモダン)」の輝かしい勝利。さて,どうなるか? 興味深い。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/01/26 at 14:17