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インドを怒らせたデウバ首相

デウバ首相訪印(8月24~27日)の裏話を,オム・アスタ・ライが『ネパリ・タイムズ』に書いている。
 ▼Om Astha Rai, “Deuba, Delhi and Doklam,” Nepali Times, 25-31 August 2017

それによると,モディ首相は24日の公式首脳会談の前に,予定外のお茶の席にデウバ首相を招き,ドクラム問題でインド支持を要請しようとしたらしい。本当に要請したか否かはわからないが,その後の公式会談では,前述のように,ドクラム問題には全く触れられなかった。

 ■訪印団到着(在印ネ大使館HP,8月23日)

公式会談後の「インド基金」レセプションでは,こんなやり取りもあったそうだ。
R・V・パスワン消費問題担当大臣:「第三国がネパールを攻撃したらインドはネパールを守るから,もし第三国がインドを攻撃したらネパールはインドを支援すべきだ。・・・・(中国はチベットを「呑み込んだ」が)インドはネパールをそうはさせはしない」。

このバスワン大臣の発言に対し,デウバ首相は,「中国はネパールのよき友だ・・・・。中国はネパールの主権をいつも尊重してきた」と答えた。

このデウバ首相の木で鼻をくくったような返答はインド側を苛立たせたに違いない,とライはみている。

レセプションでデウバ首相の隣に座っていたのは,親中派と見られているKB・マハラ外相(MC)。そのマハラ外相に,レセプション終了後,インド側の政治家,外交官,退役軍人らが,首相にあのような発言をさせたのは外相ではないかと詰問したという。

 ■インド基金レセプション(ツイッター8月24日)

このようにインド側はドクラム問題についてはネパール側からインド支持の言質をとれなかったが,それでも共同声明には次の一項を加えることには成功した。

防衛・安全協力の強化
「11.両国首相は,これまでの防衛協力に満足の意を表し,そして,インド軍とネパール軍の緊密な協力をさらに推進することを確認した。」

ネパール訪印団メンバーの一人は,これはネパールをブータン化させる恐れのある約束だ,とライに語ったという。

軍事協力推進の約束が小国にとって危険な側面を持つことは事実だが,それを織り込んでも,インドは今回の印ネ首脳会談から期待したほどの成果は得られなかったのではないだろうか。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/08/28 at 21:11

第13回欧印首脳会談共同声明,ネパール激怒

第13回欧印首脳会談がブリュッセルで3月30日に開催され,インド側からはモディ首相,欧州側からはドナルド・トゥスク欧州理事会議長とジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長が出席,「共同声明」(3月30日付)が発表された。
 *Joint Statement 13th EU-India Summit, Brussels, 30 March 2016

「共同声明」は41項目にも及ぶ包括的なもの。
 ●戦略的欧印連携の強化:1-6
 ●外交,人権および安全保障の協力促進:7-23
 ●貿易経済協力による成長と雇用促進:24-34
 ●未来世代のためのグローバルな繁栄:35-38
 ●戦略的連携への市民参加促進:39-41

この「共同声明」は,第17項目において,ネパールに言及し,次のように述べている。
「17 EUとインドは,2015年大震災後のネパール再建を,能力開発や長期的開発事業をも含め,継続して支援していくことを確約した。また,EUとインドは,ネパールにおいて憲法を持続可能な包摂的なものとすることが必要だということについても合意した。憲法上の残された諸問題を一定期間内に解決し,政治的安定と経済的発展を促進するためである。[以下,モルディブ関係]」

このネパール言及部分について,ネパール政府は激怒した。なぜか? 先の「中国・ネパール共同声明」とも関連づけ,検討していくことにする。

 160404■モディ首相記者会見:ブリュッセル(印首相HP)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/04/04 at 16:08

カテゴリー: インド, ネパール, 外交, 憲法

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