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研修生仲介業ガイドラインの改定,ネパール労働省
ネパール労働省は12月26日,JITCO(日本国際研修機構)研修労働者仲介業のガイドラインを改訂した。現在の155業者に加え,さらに新規参入を認めるとのこと。
現行ガイドラインでは,研修労働希望者から徴収できる訓練費は1人5万ルピー。かなりの大金だが,それでも仲介業者たちは,足らないからもっとよこせ,20万ルピーにせよ,と要求している。
事前訓練費が20万ルピーにもなれば,あるいは5万ルピーでも裏金が必要なら,ネパール人研修労働者の多くが債務奴隷状態となり,日本に送られることになる可能性が高い。
いま,JITCOからのネパール人研修労働者の求人が,かなりあるらしい。日本の中小企業や農漁業にとって,ネパール人研修労働者の雇用は魅力的なようだ。それらの職種のため,どのような事前訓練が必要で,日本での研修労働により実際にどのような技術が身に付くかは,わたしには皆目見当もつかないが。
【参照】
研修実習生,長崎でも提訴
ネパール研修生仲介業者の大宣伝開始
ネパール人研修労働者の大量採用:日ネ関係は新時代へ
外国人研修労働の違法性認定:熊本地裁
外国人研修制度の欺瞞性:報道ステーション
ネパール人研修労働者受入
ネパール労働者の対日輸出:ネパール労働省
対日ネパール人輸出,あるいは新三角貿易
谷川昌幸(C)
年3000円で売られる少女,カムラリ
谷川昌幸(C)
CNNが,年3000~5000円で奉公に出される(売られる)少女たち,Kamlariについてレポートしている。
1.カムラリとは
Kamlariとは,「少女債務労働者」のこと。古くからあり,いまも根強く残っている。
2.親に売られる
少女たちを売るのは,家族。生活苦のため,年25~50ドルで,少女を仲介人を介して奉公に出す。家の外に出せば,少女の養育費も家族は節約できる。
いずれも,わずかな金だが,それすら貧困農民には工面できない。
3.債務奉公から売春へ
奉公に出された少女たちは,雇用主の家で子守り,掃除などの家事雑用をさせられる。学校に通わせるという約束もするらしいが,たいていは反故にされる。
カムラリは奴隷ではないので,10年くらい奉公し,16~18歳になると,主人の言うことを聞かなくなり,カムラリ奉公を拒否して家に戻るか(家計から見て難しいだろう),それとも夜の商売,そして売春へと流れていく。
4.カムラリ,2万人
カムラリは,タルー族の多いDang, Deukhariが中心であり,2万人位いるという。両地方の総人口はいま分からないが,少女2万人はかなりの比率になるはずだ。
日本にも同じような子供奉公があったが,いまは21世紀,こんなあからさまな人権侵害が許されるはずがない。
5.頑張れ,マオイスト
カムラリのような社会悪を一気に解決できるのは,いまのところマオイストしかいない。というのも,カムラリはネパールの社会構造に組み込まれた根深い問題であり,蛮勇をふるって社会構造を破壊することのできる本物の革命派にしか,解決できそうにないからだ。
和平で早く権力の分け前を手にしたい気持ちは分からぬではないが,革命政党の本分を忘れてもらっては困る。マオイストには,あくまでも被抑圧民族,土地無し農民,女性,下層労働者,下位カースト等の立場に立ち,社会構造の悪に立ち向かってもらいたいものである。
* Seth Doane, "Nepal dad sold girl for $25, paid in installments," CNN, Sep.26,2006.