ネパール評論 Nepal Review

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京都の米軍基地(103):反対ビラなし

元旦に行ってみて驚いたのは,第五に,米軍基地反対ビラが,後述看板を除けば,一つも見られなかったこと。基地運用開始前後頃までは,今回走った道路沿いに反対ポスターやビラが多数掲示されていた。ところが,注意深く見ていたが,袖志や尾和の集落内を含め,今回は一つもなかった。

これは,反対派の戦術転換の結果であろうが,その背後には,すでに出来上がってしまったものはもはやどうしようもないという,何らかの諦め心情が多かれ少なかれあるのではないかと思われる。「国益」を掲げ,官僚主義的狡知と利権で強引に既成事実を積み重ねていく権力との闘いは,難しい。

そうした中,平海岸駐車場向い道路わきの看板と,島津米軍住宅隣の看板は,残っていた。勇気ある反対闘争だ。

170105c■元日の平海岸

170105a170105b■平海岸駐車場向いの反対看板

170105d■島津米軍住宅隣の反対看板。駐車は「Y」ナンバー車(数字消去)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/05 at 09:45

京都の米軍基地(68):翼賛奉仕へ粛々と

経ヶ岬進駐米軍への翼賛奉仕体制づくりが,米軍主導で,粛々と進められている。権力もカネもあるから,住民は翼賛奉仕に加担した方が得策,反対派はじり貧,見る影もない。

150423f■「つかみ取られる日本(!?)」(米軍FB)

1.視察・宴会
米軍最前線最先端基地には,米日要人の視察が続々。4月13日には防衛大臣政務官ご一行が,はるばる秘境・経ヶ岬にまで,ご機嫌伺いにこられた。視察後は,もちろん宗主国のための宴会。視察団:防衛大臣政務官・石川博崇,防衛省地方協力局地方調整課長・藤代誠,航空幕僚監部総務部長・荒木文博,中部航空方面隊副司令官・金子真一,中部航空警戒管制団司令・山本祐一ほか(敬称略)。

その数日後(たぶん4月19日)には,京都府の山田知事が視察。日本のメディアはあまり報じないが,誠実な米軍は,ちゃんと報告してくれている。

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 ■防衛大臣政務官等の視察(米軍FB)/宴会(米軍FB)

150421a■山田知事視察(米軍FB)

2.日米友好協会
地元も盛り上がっている。4月16日には,特定非営利活動法人「京丹後市日米友好協会」が設立された。目的は,「京丹後市民と米国人をはじめとする基地関係者との相互理解と友好関係を増進し、地域社会の安心安全に寄与すること」。

米軍人・軍属およびその家族との交流なのに,なぜ「日米友好」なのか? 相手は,毎日のように世界のどこかで戦争をしている,世界最強の恐ろしい軍隊。目的と名称が一致していない。が,われらが京都府知事は,もちろん「国益」のため,法人設立を認可した。

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 ■協会マーク(米軍FB)/協会会合(米軍FB)

3.消防協定
その数日後の4月21日には,京丹後市が,「在日米陸軍基地管理隊緊急業務局統合消防本部」という,いかにもおどろおどろしい米軍機関との間で,消防協定を締結した。

「協定書」はまだ未見だが,報道によると,米軍基地で火災が発生した場合,米軍の要請を受け,市の消防隊が消火にあたるのだそうだ。

大丈夫かな? 基地内は日本の治外法権。しかも,危険物ごろごろ。一応,燃料タンクなどの情報は提供されるそうだが,本当に危険なもの,つまり軍事秘密であり「特定秘密」でもありうる恐ろしい危険物の情報など,ちっぽけな自治体の消防になど教えるはずもない。

それなのに,中山市長は満面の笑みをたたえつつ,米軍統合消防長と固く握手し,「協定書」を取り交わした。市長によれば,「今回の協定によって、米軍の安全と同時に市民の安全も守れることにつながる」(NHK京都4月21日)という。

どうして? 危険きわまりない外国軍基地の火災現場に突入し,滅私奉公させられるのは,市長ではなく,市民を守るはずの消防隊員なのに。

150423b■協定書交換(米軍FB)

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 ■協定書交換(NHK京都)/米軍責任者(NHK京都)

4.エルモ京丹後支部
独立行政法人「駐留軍等労働者労務管理機構(エルモ)」も,たぶん4月上旬に,開設。「経ヶ岬通信所の日本人雇用者のため」だそうだ。それにしても,「エルモ」とは,ちょっと気恥ずかしくなるような,が,いかにもそれらしい,名称ではある。

150423c■開設文書交換(?)(米軍FB)

*「レーダーサイト火災時の消火協力 京丹後市と米軍が協定 消火設備の事前点検も」産経ネット版,2015.4.22
*「米軍基地と京丹後市が協定」NHK京都ネット版,2015.4.21
*14th MDB,FB

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/04/23 at 18:43

京都の米軍基地(62):レーダー稼働と秘密指定とイエスマン首長

米軍が12月26日,Xバンドレーダーの運用を開始した(公表同日午後9時)。警察庁の特定秘密指定発表と同時ないし直後の,絶妙のタイミングだ!

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 ■Xバンドレーダー(京丹後市HP)

1.特定秘密の指定
特定秘密保護法(秘密法)は,すでに2013年12月6日,自公強行採決により成立していたが,施行は2014年12月10日から。

このスケジュールにあわせ,政府は指定されるべき秘密の選定作業を進め,朝日新聞(12月27日)によれば,すでに政府10機関が約370件を特定秘密に指定しているという。いかにも秘密法らしいのは,機関自ら発表したのは今回の警察庁が初めてで,他の諸機関は自ら積極的には発表はしていないこと。秘密は秘密にしておきたいというのが本音であろう。

警察庁発表の主な秘密は,情報収集衛星,テロ,外国政府などとの協力,スパイ活動,部隊の戦術・運用,情報提供者などの人的情報源。これらの秘密は秘密であって具体的なことは皆目見当もつかないが,Xバンドレーダーに関することは何でも,この秘密の網のどこかに引っかかりそうだ。

秘密指定は,警察庁のものだけではない。朝日新聞(12月27日)調べでは,他にも多数ある。
  防衛省 244件
  内閣官房(内閣情報調査室など) 49件
  海上保安庁 15件
  経産省 45件
  総務省 2件
  法務省 1件
  国家安全保障会議 1件

2.Xバンドレーダーの稼働
京丹後のXバンドレーダーは,この秘密法体制(国民監視体制)発足と同時に運用を開始した。単なる偶然の一致ではあるまい。

Xバンドレーダーは最先端の監視装置であり,北朝鮮はむろんのこと,中国をも常時監視する。この監視装置には,それを守る最先端の強力な秘密防衛体制=住民監視体制が不可欠だ。特定秘密保護法は,まさしくその要請に応えるもの。京丹後市は,Xバンドレーダーを受け入れることにより,かつての日本三大秘境の一つから,一躍,日本最先端の秘密法モデル地域に向かって,大きく前進したのである。

Xバンドレーダーは,単なる機械ではない。Xバンドレーダーは,それを支える社会体制の中でのみ機能する。その体制を,「Xバンドレーダー体制」と呼ぶ。

3.仲井真前知事と中山市長と基地利権
「Xバンドレーダー体制」は,中に入ってしまえば,とりわけ有力者にとっては居心地がよい。中山京丹後市長は,運用開始に関するコメント(12月26日)で,こう語っている。

「施設の本格開始に当たり、我が国の平和と安全という尊い国益への貢献を真摯に願うとともに、自治体としては、同時に、様々な面での住民の安全、安心の確保が大前提であるとして、この間、このための準備や対策に国、米軍、京都府、地元住民はじめ関係者の皆さんとともに、万全に取り組んできました。・・・・」(赤字=引用者)

このコメントを目にしてすぐ思い浮かんだのが,安倍首相との会談後の仲井真・前沖縄県知事のことである。前知事はこう語った。

「安倍総理大臣、菅官房長官にはこのような機会を私どもに与えていただきまして、心から感謝申し上げます。また、今、総理大臣自らご自身で、我々がお願いした事に対する回答の内容をご説明いただきまして、ありがとうございました。いろいろ驚くべき、立派な内容をご提示いただきました。沖縄県民を代表して、心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。」(首相官邸「仲井眞沖縄県知事との面談」平成25年12月25日,赤字=引用者)

141227a ■安倍・仲井真会談(2013年12月25日,官邸HP)

この二人の基地自治体首長の姿勢は,中央政府の基地利権による懐柔にオドオドしながら追従する,という点でよく似通っている。自治体(地域政府)は,本来,国家に先在し,「地方自治の本旨」(憲法92条)に則り統治されるべきなのに,彼らはその誇りと責務を忘れ,自ら国家の下請け機関に甘んじてしまっている。

だから,「尊い国益への貢献」の前提条件として繰り返し強調される「住民の安全安心」も,住民自身のための「住民の安全安心」と錯覚してはならない。それは,正しくは米軍と日本政府のための「住民の安全安心」であり,より正確には「お上のための住民監視」にほならない。

4.米軍基地と秘密法の威嚇効果
下掲文書は,レーダー運用開始後,京丹後市が公表したもの。この赤字警告を無視して,故意に,あるいは何かの弾みで,誰かに事前にこの内容を漏らしてしまったらどうなるか? あるいは,何気なくしゃべったことが,結果的に,この文書の内容と同じだったとすると,どうなるか? 

秘密法施行以前であっても,職務秘密の漏洩は多かれ少なかれ処罰される場合があるが,秘密法施行後は,はるかに重罰であり,その威嚇効果は絶大となる。

米軍やXバンドレーダーについても,「見ざる,聞かざる,言わざる」となることは避けられず,かくして京丹後はG・オーウェルも真っ青の住民監視管理社会となってしまうであろう。

 ▼防衛省文書(京丹後市HP)
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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/12/27 at 19:12

京都の米軍基地(61):米軍のプレゼンス・プレゼント

最先進にして最強の米国と,極東の後進国日本の辺境地。はや勝負あり! 米軍のプレゼンスに,京丹後はメロメロなのだ。

たとえば,京丹後市国際交流協会企画の「国際交流会」(12月21日)。米軍基地からもオルブライト司令官ら5人(朝日デジタルでは4人)が招待されて参加,久美浜の「豪商稲葉本家」を見学し,会食した。参加費(飲み食い代など)を米軍側も負担したか否かは,報道では不明。

この交流会は,いかにも日本流(!)といった,少々気恥ずかしくなるような“おもてなし”。日本女性の大正琴を聴き,和室でばら寿司を箸で食べ,お茶を楽しんだ。普通の日本人はとうの昔忘れてしまった,外国向け日本文化のご披露だ。

むろん絵になる。さっそく米軍は宣伝に使いまくっている。

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 ■交流会案内/交流会(中隊FB)

141222c ■交流会(中隊FB)

辺境地の丹後にとって,米軍進駐は,願ってもない僥倖。米国の文化は世界最新であり,米語(英語)は世界共通の超一流言語。極東の辺地の辛気くさい日本語など,グローバル化時代には,なんの役にも立たない。米国の文化と言語を学ぶにも,米軍進駐は願ってもない好機なのだ。

地元は,米軍向けの日本語講座を準備しているらしいが,これはムダ,やめた方がよい。逆だ。地元民が米語(英語)を学び,道路標識も店内表示も,すべて米語に書き換え,米軍関係者を見たらまず米語で話しかけるよう努力すべきだ。すでに米軍基地との連絡の公用語は,米語となっているらしい(未確認)。

そもそも日本国元首の安倍首相からして,洋魂和才ないし洋魂洋才が目標であり,初等教育英語必修化など米語(英語)の日本普及に余念がない。これが安倍首相の掲げる「国益」であり,丹後が「国益」第一を掲げるなら,当然それから見習うべきだ。

いずれそのうち,丹後進駐の米兵や軍属やその家族,ときには彼らの子供たちが,小中高校の授業や市民向け語学講座で,ボランティアとして,あるいは特別講師として,本場の本物のネイティブな米語を教えてくれるようになるであろう。日本人の米語はまがい物,日本人英語教師は格下。かくして,一流の米国人と米国文化,二流の日本人と日本文化という序列がじわじわ地域に浸透していき,やがて“米国人をさえ見ればただ腰を屈するのみ”が習い性となってしまうだろう。

安倍首相がお手本だ。安倍首相は,国際社会で日本元首として発言するときでも,平気で日本語を放棄し,カタカナ米語(英語)を使う。日本語を放棄して「国益」追求などバカバカしくて,アホらしくて,お話にもならないが,安倍首相にはそんな問題意識など,ひとかけらもない。京丹後市は,その安倍首相が唱える「国益」を第一とし崇めている。

米国は日本人のそのような性向を鋭く見抜き,巧妙に行動している。アングロサクソンは,世界辺境の三流言語であった英語を,ほんの数百年で超一流の世界共通語にしたこと一つを取ってみても,政治戦略に長けており,きわめて現実的だ。ロマンではなく,実利で彼らは動いている。

米軍は,ロマンチックな善意一杯の日本流“おもてなし”は宣伝にめいっぱい利用しつつ,他方では,こんな中隊シンボルマークを堂々と掲げ,地元住民を威圧している。彼らは,最前線の軍隊であり,イザとなれば,本国のため――京丹後住民のためではなく――命を賭けて戦う覚悟だ。すべてはその手段。利用できるとなれば,大正琴を聴きもすれば,箸で寿司も食う。ただ,それだけ。それが,アングロサクソン流なのだ。

141222a ■常在戦場の第14ミサイル中隊(中隊FB)

その結果,はや,こんなトンデモナイ規制ですら,地元住民はすんなり受け入れてしまっている。この飛行制限区域,つまり危険区域には,経ヶ岬はおろか,国道178号線や袖志海岸など,陸地部分も広く含まれている。経ヶ岬展望台に行くと,なにかのはずみで「人間の丸焼き」になってしまうかもしれない。

141222e ■飛行制限区域(京丹後市)

【参照】
「米軍人と住民交流会 京都・京丹後市」読売テレビ,2014-12-21
「ばらずしランチで国際交流 京丹後」朝日デジタル,2014-12-22
金田そうじん「経ヶ岬Xバンドレーダー基地に勤務する米国人の生活を支援する「フレンドシップクラブ」を立ち上げよう」2014-12-7
金田そうじん「ウエルカム アメリカン フレンズ」2014-12-19

谷川昌幸(C)

京都の米軍基地(52):福島質問への政府答弁

安倍首相が,福島みずほ参議院議員提出の質問書(6月20日)に対する答弁書(6月27日)を提出した。要点は以下の通り。

「Xバンド・レーダー・システムの我が国への追加配備は、我が国に飛来する弾道ミサイル情報の確度及び同時追尾能力を更に向上させ、弾道ミサイル防衛により万全を期する必要性を踏まえたもの」

「弾道ミサイル防衛システムは、・・・・専ら防御的なものである。・・・・「・・・・軍拡競争を煽ることにつながる」との御指摘は当たらない・・・・。」

「工事着工日の情報を含め、米側との具体的なやり取りについては、相手国との信頼関係もあり、お答えを差し控えたい。」

「Xバンド・レーダー・システムの出力等の詳細については、米軍の能力に関わるものであることから米国は公表しておらず、防衛省としても公表を差し控えている。・・・・必要に応じて同システムの周囲に立入禁止区域を設定する・・・・。」

⇒⇒答弁書第一七七号,またはWld-peace資料室

これが,「国益」やそのための「軍事秘密」の正体だ。米軍とその下働き日本政府には,地元住民の自由や権利を守るつもりは,毛頭ない。辺境丹後は,ワシントンと東京の「安全と利益」のための安上がりの捨て石にしかすぎない。

福島みずほ議員は8日,経ヶ岬の米軍基地建設現場を視察し,9日には府庁でXバンドレーダー設置反対を申し入れている。

140710 ■福島議員ツイッター

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/07/10 at 11:09

京都の米軍基地(47):関連事業・交付金の抗いがたい魅力

1.森本インター
経ヶ岬米軍基地へのアクセス・インターとなる鳥取豊岡宮津自動車道「森本インター」の工事が,着々と進んでいる。2016年完成予定で,この12月とされるXバンドレーダー搬入には間に合わないが,開通後は,このインターが米軍により頻繁に利用されることになるだろう。

「森本インター~経ヶ岬」は,丹後半島の奥地,小集落が散在するだけで,昼間でも人通りは少ない。ましてや日没後ともなると,森閑,人っ子1人見当たらないところも少なくない。米軍マル秘作戦には絶好の立地だが,地元住民にとっては,治外法権に近い米軍人・軍属の往来は薄気味悪く,不安は募るばかりだろう。

140621c ■事業箇所(「道路事業事前評価審査表」)

2.土建の魅力
この宮津自動車道のうち,いま工事中の野田川大宮道路は,全長4.3km,事業主体は京都府で工事期間は2005~2016年。わずか4.3kmだが,大きな橋とトンネルのため,総事業費160億円の大事業だ。といっても,事業の重要部分は,大林組,宮地エンジニアリングなど,地域外の大手・中堅企業が受注している。

しかし,それでも地元企業にも,幾分かは工事が回される。「森本インター」の場合は,下図のように,「マルキ・山崎組JV」。 「最高落札金額168,602,040円」と報道されているので,もしこれが両社JVの落札金額だとすると,全体の1%程度となる。わずかだが,うるおう。

土建を中心とする公共事業は,地方経済にとって魅力的であり,欠かせないものだ。

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 ■森本インター工事(2014-6-17)

3.米軍再配備交付金
米軍基地受入と直接関係するのが,「米軍再編交付金」。京丹後市には,今年度6億1300万円(前年度繰り越し分7900万円)が,交付される。10年間で30億円程度の見込み。福祉,防災,教育などに当てられるという。

府事業としては,「上野平バイパス」が19億円,「丹後町三宅~弥栄町久地」が9億5千万円。府の6月補正予算には,基地関連道路整備に1億5千万円が計上された。7割は防衛省負担という。

こうした直接的・間接的に米軍基地と絡む事業の拡大は,地元経済にとっては抗いがたい魅力だ。米軍基地受入派も,Xバンドレーダーが日本の安全に寄与し「国益」に叶うなどとは,本心では信じてはいまい。また,米軍は,たとえ「鬼畜米英」ではなくとも,やはり武器を持つ外国の軍隊であり,恐ろしいであろう。が,背に腹は代えられない。過疎地・丹後は,今日,食わなければならないのだ。

その今日食うための口実として,明日の「国益」ほど,便利で使い勝手のよいものはない。名誉と実益が,ともに手に入る。一挙両得。過疎地・丹後にとって,こんなよい話しはまたとはないのであろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/06/21 at 11:30

京都の米軍基地(44):コケにされコケた京丹後市

米軍への「お願いのお願い」を条件に基地受入を決めた京丹後市が,予想通りコケにされ,早くもコケた。

防衛省が基地工事開始を府・市に通告したのが26日昼,翌27日早朝にはもう工事が始まった(TBSニュース「米軍Xバンドレーダー配備、京都・京丹後で着工」)。工事概要の説明はなし。工事受注業者らも市民には不明。(注)

これはヒドイ。わがアパートでは,小さな修理工事や室内改装ですら,何週間も前に通知し工事概要が掲示される。米軍やその下働き防衛省には,その程度の最低限の市民的良識すらないのだ。

各紙報道によれば,27日午前6時半頃から基地用地(米軍専用施設区域)に大型ダンプやショベルカーなど10台以上が順次到着し,整地やフェンス設置工事が始められたそうだ。あれ,京丹後市はどう言っていたっけ? 「工事を行う際には,通勤時間帯・・・・は避け」(「広報きょうたんご」2014年6月)

米軍はむろんのこと防衛省にも,「お願い」や「お願いのお願い」を聞くつもりは毛頭ない。そんなものを真に受けると,虚仮にされ転けること必定。

むろん,優秀な官僚出身市長や市議会選良は,そんなことなど,十二分に承知している。すべて分かった上で,住民を虚仮にし,「国益」という名の「私益」を図ろうとしているのだ。

基地再編交付金は,今年度,5億3千万円(総額30億円程度)。分捕り合戦が始まり,さじ加減の醍醐味が,陣笠にまで,それなりに再配分されるだろう。

 *毎日新聞5月24,26日;京都新聞5月26-27日;赤旗5月28日;読売新聞5月24日
 (注)現在の工事業者は「ミライト・テクノロジーズ・アクティJV」。(株)ミライト・テクノロジーズは住友電工系で,本社は大阪。もう1社は,米軍関係事業を多く手がけている(株)アクティ(本社:岡山市)ではないかと思われる。地元企業の参加はまだ不明。(6月6日追加修正)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/05/29 at 16:57