ネパール評論 Nepal Review

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ルンビニ開発に2百万ドル拠出,韓国

韓国国際協力庁(KOICA)は,ルンビニ「国際平和都市」計画に,2百万ドル拠出することを決め,ネパール文化省もこれを受諾した。協定署名は11月12日の予定。

リパブリカ(11月5日)によれば,パン・ギムン国連事務総長が,この2百万ドル拠出を根回ししたという。

なるほど,そういうことだったのか! プラチャンダのルンビニ開発には,中米に加え韓国も積極的に関与しており,韓国出身国連事務総長まで取り込んでいた。韓国も,地政学的に重要なルンビニに注目していたのだ。

これでプラチャンダ使節団の国連事務総長との会談実現の可能性が大きくなった。オバマ大統領,クリントン国務大臣とはどうかわからないが。

落日日本はどうなっているのだろうか? カヤの外ではないか?

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/11/05 at 10:40

カテゴリー: インド, 経済, 外交, 中国

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ルンビニを国際平和都市に,プラチャンダの野望

1.政治家プラチャンダの野望
プラチャンダ議長が,世界政治の檜舞台に立とうとしている。権力欲は政治家の本性であり,プラチャンダ議長が世界的政治家への野望を抱くことは決して悪いことではない。

2.プラチャンダ訪米の目的
すでに紹介したとおり,プラチャンダ議長は,中国系NGO「アジア太平洋交流協力基金(APECF)」の共同議長であり,またネパール政府「ルンビニ開発国家指導委員会」の議長(委員長)でもある。

そのプラチャンダが,ネパール政府ルンビニ開発委員会議長として訪米し,パン・キムン国連事務総長,オバマ大統領,クリントン国務長官らと会談,ルンビニ開発への協力を要請することになった。

またプラチャンダの法螺話かと思われるかもしれないが,決してそうではない。プラチャンダは,APECFの共同議長であり,また自らが果敢に決断し成立させた「和平7項目合意」の手土産もある。さらに,隠し球は,対印牽制。これは凄い,スゴすぎる! やはり,プラチャンダは大物だ。

3.素性不透明のパトロン,APECF
ルンビニ開発のパトロンは,APECF。素性不透明の中国系NGOだが,すでにルンビニ開発に30億ドル拠出を表明しており,現地ルンビニにも覆面調査団を何回もだし,下調べを終えている。また,APECFの実質的運営者と思われるXiao Wunan執行共同議長は2ヶ月前,オーストラリアでパン・キムン国連事務総長と会い,ルンビニ開発について説明,よい感触を得たという。

APECFは,中国の仏教団体を中心に,開発資金を募ることにしている。

■国際ルンビニ開発委員会  議長:パン・キムン国連事務総長(予定),実行委員長:プラチャンダ(予定)
■APECF  執行共同議長:Xiao Wunan,共同議長:プラチャンダ
■ルンビニ総合開発国家指導委員会  議長:プラチャンダ

この希有壮大なルンビニ開発構想は,すでにネパール政府のプロジェクトになっており,「国際ルンビニ開発委員会」が成立したら,APECFもその中に組み込むことになっている。

4.「国際平和都市」ルンビニ
プラチャンダは,抱負をこう語っている。

「ゴータマ・ブッダは,平和のシンボルとして世界中で尊敬されている。われわれは,地球上のあらゆる紛争を解決するためのセンターとして,ルンビニを開発したいと願っている。・・・・ニューヨークに行くのは,ルンビニを国際平和センターとするためである。」(Republica, Nov4)

5.現実主義者プラチャンダの成算
ルンビニを「国際平和都市」に! これはプラチャンダの観念的夢想ではない。国際的な権力関係と利害関係,および地政学的な計算に加え,国内の利害関係へも十分目配りし,さらにはプラチャンダ一族の利益もちゃっかり図りながら,彼はこのルンビニ開発計画を進めていくつもりなのだ。

国連と米中には「平和構築」の大義名分,内外企業には開発利益,そして国内の有象無象には目もくらむばかりの巨大利権配分――誰にも反対の理由はない,インドを除けば

もし目論見通り,プラチャンダ訪米団がパン・キムン国連事務総長,オバマ大統領,クリントン国務長官らと会談し,たとえ大筋だけであってもルンビニ開発への賛同が得られたならば,プラチャンダは,世界的政治家の仲間入りを果たし,そして新憲法制定後の新生ネパール共和国(大統領制移行予定)の初代大統領となるであろう。民主ネパールの建国の父プラチャンダ! ノーベル平和賞も夢ではない。

* Republica, Nov4, Peoples Review, Nov3.

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/11/04 at 20:41

カテゴリー: インド, 経済, 外交, 中国

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プラチャンダのルンビニ開発,国連をも取り込む

プラチャンダ議長は,エベレストに赤旗を立てただけに,やはりスケールがでかい。ルンビニ開発に,今度は,国連を取り込むため訪米し,11月7日,パン・キムン事務総長と交渉するという。

周知のように,インドはネパールを「属国」と見なしており,外国勢力のネパール介入を警戒してきた。国連も例外ではなく,ことネパールに関しては,インドと国連は犬猿の仲なのだ。国連がネパールに入れば,欧米や中国がついてくる。

プラチャンダ議長は,そうした国際関係を分かった上で,国連を使ってインドを牽制し,ネパール国益を守りつつ,開発利益を手にしようとしている。

しかも,プラチャンダ議長が共同議長を務める中国系NGO「APECF」には,なぜかアメリカ政財界の大物が名を連ねている。国連は,APECF共同議長たるプラチャンダ議長の要請をむげに断るわけにはいかないだろう。もし仮にパン・キムン国連事務総長が,プラチャンダ議長の要請に応え,「大ルンビニ開発国際委員会」の委員長(議長)を引き受けることになれば,たとえ形だけであれ,その効果は計り知れない。米中は,国連・APECFを介してタライに正々堂々と入ってこれる。

これはインド政府のもっとも恐れる事態だ。タライは「インド領」なのに,中米権益が拡大すれば,タライの「シッキム化」は絶望的となる。

国連が,プラチャンダ議長の誘いに乗るかどうか? 目が離せない。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/10/27 at 19:19

UNMIN撤退はインド外交の勝利

Hindustan Times(15 Jan)によれば,UNMIN撤退はインド国連外交の「大勝利」だという。

「インドはUNMIN延長阻止を国連安保理メンバーに働きかけてきた。国連安保理は昨年9月以降の進展の欠如を理由にUNMIN終結を票決した。」

「危うい状況だ。ネパールの政治家が自分たちで問題を解決すべきだ。」

インドが国連のネパール介入を嫌っていたことは周知の事実だが,安保理でのこのような動きは初耳だ。インドの外交力はたいしたものだ

それともう一つ,興味深いのは,Pakistan Defence(17 Jan)がこの記事を丸ごと転載し,しかも上記引用部分に強調を付していることだ。軍事情報関係メディアらしいが,パキスタンは対インドの観点から,インドのネパール政策に神経をとがらせている。

いやはや,南アジアは難しいところだ。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/17 at 23:06

カテゴリー: インド, ネパール, 外交

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UNMIN平和構築支援は失敗,バン国連事務総長

バン国連事務総長は,UNMIN撤退式典メッセージにおいて,「残念ながら進展は不十分だった」と述べ,UNMIN平和構築支援の失敗を事実上認めた(UN News service, 14 Jan)。

ランドグレンUNMIN代表自身が安保理で,ネパール平和プロセスは「座礁状態」にあり,UNMIN撤退後はマオイスト武装蜂起か軍クーデターの可能性がある,と説明したのだから,バン事務総長の失敗メッセージも当然といえよう。(Cf. “Nepal’s Restive Revolutionaries–Unease about a new Maoist revolt flares up as U.N.peace monitors leave,” Newsweek, 13 Jan)

もちろん,バン事務総長もUNMINの功績をたたえてはいる。

「UNMINは,歴史的な2008年制憲議会選挙を支援した。これは,武器監視協定・停戦協定の実施をモニターする任務と並ぶUNMINの主要任務の一つであった」(UN News Service, 14 Jan)。

たしかに,UNMINの停戦監視はある意味では「大成功」(ランドグレン代表,UN Daily News, 10 Jan)であったし,制憲議会選挙も成功裡に実施された。

しかし,その反面,肝心のPLA統合は全くの手つかずだし,また「歴史的」と賞賛された制憲議会選挙にしても,選挙民主主義イデオロギーからすればそういえるだけのことであって,実際には,それは平和実現にはほとんど貢献していない。むしろ,選挙はアイデンティティ政治を激化させ,統治を困難にさせる側面の方がはるかに大きかった。これは制憲議会選挙後の政治の不安定化をみれば一目瞭然である。首相ですら,2010年7月以来,16回の選挙をやってもまだ決められないのだ。

さらに新憲法制定にしても,たとえつじつま合わせのため憲法を作文し各条文を新理論でけばけばしく飾り立ててみても,それでどうなるものでもない。画餅にすぎない。その絵空事新憲法作文ですら,まだ出来ていない。

選挙民主主義イデオロギー,包摂民主主義イデオロギー,連邦制イデオロギー,民族自治イデオロギーなど,様々な新薬をネパールにぶちまけ,いくら副作用が出ても,あとは知らんよ,と出て行く。そりゃ,いくらなんでも無責任ではないか?

バン事務総長は「諸政党には信頼構築努力をひとえにお願いしたい」(UN News service, 14 Jan)といっている。民主主義未成熟で相互不信があまりにも強く,そのため国連は平和構築支援に失敗した,と考えているからであろう。

しかし,M.ウェーバーが言うように,政治は結果責任である。ネパールが途上国で,民主主義未成熟はわかりきったこと。そこに,先進諸国でも実現不可能なような最先端の高尚な政治諸理念を持ち込み,押しつけた。責任は,先進国,国連側にある。

マイノリティの権利は,包摂民主主義でも比例選挙でも守られはしない。たとえ代表されたとしても,人口比(2001年)でラウテは49万分の1(0.003%),シェルパですら147分の1(0.7%)にすぎない。多数決では絶対に勝てないし,さりとて拒否権を認めれば,何も決められない。民主主義では人権は守られない。

マイノリティの権利,弱者の人権を本当に守るつもりなら,真の意味の「法の支配」と,多数派を押さえ込み,法を適用することの出来る強力無比の中央権力が不可欠だ。そんな常識ですら無視して無謀に介入するから,こんなことになるのだ。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/15 at 16:01

UNMINはマオイストの金蔓だ,ネパール首相

ネパールの非マオイスト政治家・知識人らが,ランドグレンUNMIN代表の安保理発言(1月5日)に対し,烈火のごとく怒っている。たとえば,マダブクマール・ネパール首相は1月7日,こう罵倒した――

「UNMINはマオイストの金蔓になった。・・・・だからマオイストはUNMIN任期延長を願うのだ。・・・・UNMIN撤退で天が落ちるようなことはない。・・・・われらは自らの手で平和と憲法制定を実現できる。」(ekantipur, 7 Jan)

すさまじい怒りだ。一国の首相の言葉とは信じられないくらいだ。国連ネパール代表のギャンチャンドラ・アチャルヤも1月6日,こう非難した――

「[マオイスト人民蜂起や大統領統治あるいは軍クーデターの可能性があるというランドグレン代表の]説明には,何の根拠もない。ネパール政府はそのような分析や評価を全面的に拒否する。」(ekantipur, 7 Jan)

ネパール政府が,自分たちでやれるからUNMINは出て行け,と要求するのに対し,ランドグレン代表は,いやいや,ネパール政治は未熟でまだ自立できない,UNMIN任務は未達成であり,したがって国連関与がまだまだ必要だ,と主張する。

妙なことになってきた。ランドグレン代表は実質的には自らUNMINの失敗を認め,だからUNMIN任期延長か,それが無理なら看板を変えただけの国連監視機関の設置が必要だ,と主張する。彼女は,現状ではUNMIN管理下のPLA資料・武器弾薬・施設や宿営所運営監視権限をネパール政府には引き渡さないと明言しているから,いやでもUNMINか別名の国連機関が居残ることになるわけだ。そう彼女は要求していることになる。

ここに,ランドグレン代表とマオイストとの共闘ないし共犯関係が成立する。UNMINは停戦後平和構築に失敗したから,成功するまで(つまり半永続的に)ネパールに居残りたい,というのが,おそらく本音だろう。一方,マオイストも,ネパール首相が「UNMINはマオイストの金蔓だ」と喝破したことを,内心では,シカリ,その通りと認め,金蔓UNMINにいつまでも居残ってほしいと願っているようだ。ランドグレン代表は安保理でこんなことまで言っている――

「新政府の構築,マオイスト兵の国軍統合・社会復帰,新憲法の制定という最重要課題については,これまでほとんど進展がない。・・・・本日,UNMIN任期終了10日前の今でも,UNMINがその監視任務を引き渡すことのできるメカニズムは存在しない。UNMIN撤退後,何が起こるか分からない。・・・・UNMIN撤退が無法状態を生み出すおそれがある。」(Telegraph, 7 Jan)

正直というか,無責任というか,驚くべき発言だ。むしろ“私は停戦後平和構築に失敗したので,責任をとって辞任します”というべきではなかったか。

ネパールの政治家たちは実にしたたかだ。UNMINは,老練ネパール政治に翻弄され,さんざん搾り取られ,非難罵声を浴び,撤退していく。いや,撤退すら許されず,さらに搾り取られることになるかもしれない。酷な評価だが,テレグラフが次の言葉を記事の結びとしたのもやむをえないかもしれない。

「ランドグレンは,ネパール撤退(ouster)を屈辱の追放(ouster)と感じていると思う。」(Telegraph, 7 Jan)

(Telegraph, 7 Jan)

(注)UNMIN関連記事一覧は,右の「検索」かタグでご覧ください。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/08 at 12:56

UNMIN延長拒否、ネパール首相

ネパール政府のランドグレンUNMIN代表宛書簡(12月31日)の内容が明らかになった。新聞報道によれば、マダブクマール・ネパール首相は、UNMIN延長を拒否し、人民解放軍(PLA)監視は「軍統合特別委員会」が引き継ぐ、と明言している。

国軍については、別のメカニズムをつくり、こちらに監視させる。国軍民主化も、国防省設置「国軍民主化委員会」にゆだねる。

要するに、UNMINは関係書類と施設・設備を引き渡し、さっさと出て行け、ということらしい。UNMINは、PLAの武器調査・保管、PLA戦闘員の資格審査・名簿作成、宿営所の運営監視などを担当しており、もし関係資料や施設をそっくり政府側に引き渡し撤退すれば、PLAは丸裸となる。国軍はめでたく国連監視から解放。反革命的名案だ。ネパール首相は本気だろうか?

マオイストは、ランドグレンUNMIN代表にプラチャンダ議長のUNMIN延長要請書簡を託しており、ネパール首相のこんなえげつないマオイスト攻撃を座視できるはずがない。

マオイストが頼りにするのは、皮肉なことに、今回もまたもっとも非民主的な機関である最高裁である。ネパール首相のUNMIN代表宛書簡を憲法違反として最高裁に訴え、無効判決を出させようというのだ。

ネパールは、いよいよ国家の体をなさなくなってきた。政府とマオイストが、正反対の要請書簡を国連(UNMIN)に送りつけ、国連のお裁きを請う。国内では、議会が解決すべき政治問題を非民主的最高裁に丸投げしてしまう。これが、世界でもっとも民主的な方法で選出された601人巨大議会の体たらくなのだ。

UNMIN任期終了まであと10日。現状では完全撤退は無理であり、政府、マオイスト双方の顔が立つよう、看板を書きかえ、実質的にはUNMINに近い任務を担う国連機関が設置される可能性が高い。

さて、その場合、世界展開を目指すわが中央即応集団派遣陸自隊員はどうなるのだろう。こちらも目が離せない。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/04 at 12:09

UNMIN代表、マオイストの使い走り

偉大なプラチャンダ議長が12月30日、カリン・ランドグレンUNMIN代表と会い、UNMIN延長について打診した(ekantipur,31Dec)。

ランドグレン代表の回答は伝えられていないが、マオイストはUNMINを2011年5月28日まで延長することを要請する書簡を書き、その写しをランドグレン代表に渡し、しかもその書簡正文をランドグレン代表に国連本部に持って行ってもらうことにしたというから、UNMIN延長についてはランドグレン代表も内諾を与えているのだろう。マオイストのUNMIN延長要請書簡は、1月5日開催の安保理で審議される予定。

状況はよく分からないが、政府側もUNMIN延長書簡をすでに出しているという。あれあれ、役立たずだから出て行け、と大見得を切ったのは誰だったかな?
 (注)政府のUNMIN延長書簡は誤報。ネパール首相は延長拒否書簡を送った(2011.1.5)。UNMIN延長拒否、ネパール首相

どうも、国連の方が分が悪い。いくら何でも国連には、アメリカが「テロリスト」リストに掲載しているマオイストと共闘を組むことはできまい。かといって、マオイスト要請を無視して撤退すれば、UNMIN失敗の無惨を世界にさらすことになる。これもできまい。

とすると、UNMINにかわる平和構築メカニズムをつくり、これに切り替えることになるのではないか。役人の得意技、看板の掛け替えである。

もしそうなった場合、われらが日本国陸上自衛隊中央即応集団派遣陸上自衛隊員諸氏の活動の評価と、その継承はどうなるのであろうか?
UNMIN代表と日本企業宣伝。戦争も平和もメシのタネ

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/31 at 23:37

プラチャンダ議長の国連ラブコール

マオイスト常任委員会が12月21日,UNMIN任期6ヶ月延長要請のラブレターを国連に送ることを決めた。また,こちらはいまいちはっきりしないが,どうやら制憲議会任期の延長も要求するらしい。

さすが,プラチャンダ議長は偉い。彼以上の政治家は,今のネパールには見あたらない。

プラチャンダ議長は,一方で,バイダ(キラン)派の「人民蜂起」オプションを容認しつつ(つまり保険を掛け),国連に接近し,しかも特権を失いたくない600名巨大議員団の歓心をくすぐる作戦に出ている。二重三重の必勝作戦。うまい。

国連は追い詰められている。マオイスト提案に乗りUNMIN延長,あるいは類似メカニズムによる継承を図れば,マオイスト=国連がNC=UML=RPPと対決するという構図になる。インドは怒るに決まっているし,「国連=マオイスト共闘」は西側メディアの好奇の目にさらされることになるだろう。

かといって,もしマオイスト要求を拒絶して撤退し,その結果,人民蜂起(人民戦争再開)となれば,国連介入失敗となり,国連のメンツ丸つぶれ,関係者の経歴に傷がつく。国連は,ネパール平和構築を失敗させるわけにはいかないのだ。

プラチャンダ議長はネアカであり,愛すべき人物だ。と同時に,現実を見据え,合理的に計算し,冷酷果敢に決断し行動できる本物の政治家でもある。もし彼がいなければ,ネパールはおそらく泥沼の内戦継続か,アナーキーか,さもなければ過酷な軍事独裁になっていたであろう。

国連もNC,UMLも,プラチャンダ議長に位負けしている。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/22 at 10:43

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