ネパール評論 Nepal Review

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労農党は大統領統治支持

労農党のナラヤンマン・ビジュチェ議長が11月5日,大統領統治への移行を訴えた。

いまネパール政治はせっぱ詰まっている。マダブクマール・ネパール首相は,なかなかのくせ者だが,予算を人質に取られ,身動きがとれなくなった。なんとか打開をと,ラムチャンドラ・ポウデル氏(NC)を1月ばかり首相に選出し,とりあえず予算を通そう,と提案してみたり,それがだめなら首相を辞め全権を大統領に委ね,大統領の下で予算を通してもらおう,といったりしている。

このネパール首相の提案には,マオイストもUMLも猛反対だが,ここにきて首相に救いの手をさしのべたのが,おなじみビジュチェ労農党議長。彼はかなり前から大統領統治を提案していた。

ビジェチェ議長は,バクタプールの小党の党首だが,支持基盤は安定しており,政治危機になると登場し重要な役割を果たす名士,今回も案外,彼の目指す方向に政治が動き始めるかもしれない。ネパール首相もネパール国家も,いよいよせっぱ詰まってきたのだから。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/11/06 at 21:17

カテゴリー: 議会, 政党, 政治

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首相選挙,16回目も失敗: 大統領委任統治へ?

11月4日,16回目の首相選挙が行われたが,唯一の立候補者,われらがポウデル氏(コングレス党)は過半数にはるかに及ばず,またしても選出されなかった。次回は,ティハール後の11月17日。

■ポウデル候補:賛成82,反対2,白票17。出席101,制憲議会定員601。

大統領統治の提案:ネパール首相

この16回目の首相選挙失敗を受け,マダブクマール・ネパール首相が,爆弾発言をした。eKantipur(Nov4)によれば,もしマオイストやUMLがポウデル候補を支持しないなら,国家統治権を大統領に委ねる,といったという。Nepalnews.com(Nov4)では,もし予算が通らなければ,統治権を大統領に引き渡し辞任する,といったそうだ。いずれにせよ,これはネパール首相の脅しであり,このままではそうなる可能性が高い。

そもそも制憲議会は回を追うごとに出席者が減少し,今回はわずか101人,全議員の17%にしかすぎない。定足数の規定はないのだろうか? こんな数字では,制憲議会は正統性をほぼ失ってしまっている。

この状況では,ネパール首相が言うように,大統領統治に移行した方がよい。私は以前から大統領委任独裁の必要性を強調してきた。現在のネパールには,先進諸国御用学者好みの民主主義は,百害あって一利なし。やめた方がよい。

制憲議会は,首相に先を越される前に,民主主義を一時棚上げし,大統領への独裁権限の委任を決議すべきだ。人民のための大統領委任独裁である。

老獪ネパール首相か大統領委任独裁か
首相権限カットの思い違い
大統領統治へ
 
ネパール首相の大統領統治発言を批判するデウバ氏 / その横の米政府民主主義宣伝(nepalnews.com, Nov4)

谷川昌幸(C)

 

Written by Tanigawa

2010/11/04 at 22:19

プラチャンダ議長,憲法起草「7人委員会」委員長就任

谷川昌幸(C)

制憲議会ネムワン議長の提唱により諸政党が10月11日,高レベル「7人委員会(7 member taskforce)」を組織し,13日プラチャンダ議長を委員長に指名,憲法制定作業の促進を図ることになった。

7人委員会
  委員長: プラチャンダ(UCPN-M議長)
  委 員: カナル(CPN-UML議長)
  委 員: RC. ポウデル(NC議員会長,副党首)
  委 員: NM. ビジュッチェ(労農党党首)
  委 員: ウペンドラ・ヤダブ(MJF党首)
  委 員: プレム・シン(民主党党首,法務大臣)
  委 員: ルクミニ・チョウダリ(制憲議会議員)
                                                                   (Rising Nepal, Oct.11)

憲法草案作成については,分野別専門委員会が昨年,委員会草案を作成し議論してきたが,いまのところ合意にはいたっていない。予定では,分野別専門委員会の報告書提出締切10月17日,「憲法委員会(CC)」による憲法草案作成締切11月17日である。

この草案制定作業が大幅に遅れていたので,「7人委員会」が調査し,報告書を10月24日までに提出することになったのである。

7人委員会は10月19日,争点11のうち9つで合意に達した,と発表した。残るのは,統治制度と選挙制度だという。一見,順調そうだが,実際にはそうでもない。

大統領制か議院内閣制か?
  マオイスト: 大統領が統治する大統領制
  NC,UML: 議院内閣制。大統領は儀礼的元首

これは大問題である。選挙制度については報道なし。また,はしごを外され,メンツをつぶされた憲法委員会(CC)のニランバ・アチャルヤ議長は,政党有力者だけで決めた7人委員会には憲法上の権限はないと批判しているし,マオイストのアミキ・シュレチャン常任委員は,プラチャンダ議長の7人委員会委員長就任のことはまったく聞いていない,と不快感を露わにしている。

制憲過程を支援してきたUNMINの任期は2011年1月15日までであり,ネパール諸政党はいよいよ追い詰められてきた。期限までに,憲法制定と人民解放軍(PLA)問題の解決に目途をつけなければならない。

ネパールの政治家たちは,いつもてんでんばらばら,勝手なことを言い張りまとまりがないように見えるが,イザとなれば,結構うまく話をまとめる。落としどころを心得ている。7人委員会の設置にしても,たしかにボス談合,非民主的ではあるが,マオイストのプラチャンダ議長を委員長に据えたところなど,なかなかやるな,と感心する。

憲法制定やPLA問題解決には,まだまだ難問山積だが,最後の土壇場で,何とか決着をつけるのではないだろうか?

* eKantipur, Oct.13,19; Nepalnews.com,Oct.15,19

 

Written by Tanigawa

2010/10/20 at 12:34

カテゴリー: 憲法

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