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死命を制すセキュリティ・ソフト
ネットなしには生きづらくなった現代。世界世論を常に監視し,決定的なところでその動向を決するのは,いまやセキュリティ・ソフトだ。
たとえば,もしこのブログの反動性もしくは革命性をセキュリティソフト会社の誰かが「危険」と判断し,「これは報告されている安全でない Web サイトです。このページを閲覧しないことを推奨します」といった警告を出せば,たちまち誰もこのブログを読まなくなる。
これは杞憂ではない。マオイスト系の”The Red Star”が,この数ヶ月間,McAfeeによりそうした警告を出されていた。
たしかに「赤星」なんか読むと「赤く」なる。MacAfee=米帝にとって危険であり,だからこそ警告を出したのだろう(たぶん?)。ところが,マオイスト左派が既得権益に恋々とし,プラチャンダ=バブラム主流派にすり寄ると,この警告が削除された。安全と判定されたのだ。なんたるご都合主義!
いまやグーグル以上に警戒すべきは,セキュリティ・ソフト。そもそ「安全保障」をいうヤカラこそが「安全」のために軍拡し,「平和」のために戦争を仕掛けるのだ。
IT技術者の皆さんには,世界人民のために,ぜひともセキュリティ・ソフトの安全をチェックする「メタ・セキュリティ・ソフト」を開発していただきたい。
谷川昌幸(C)
ガバナンス崩壊: ネパールと日本
ネパールのガバナンス(統治)はアナーキー状態。ここまで来ると喜劇的であり,諸外国もそれを想定して交際しているから,害も少ない。国連にUNMIN派遣を要請したくせに,役立たずだから帰れ,と要求する。あるいは,プラチャンダ議長は,「PLAはせいぜい数千人。UNMINには3万人と吹っ掛け,21,602人を認めさせた。どうだ,スゴイだろう」と暴露し,あっけらかんとしている。とんでもないことなのに,みな,そんなもんだよ,と認めている。ネパール人は,天性のネアカなのだ。
これに対し,日本のガバナンス崩壊はジメジメ惨め。10月29日,警察のマル秘テロ情報が大量にネットに流出したと思ったら,今度は4日,尖閣沖の中国船衝突事件の動画がネットに流出した。ガバナンスぼろぼろ。しかも,その対応が実に陰気。ネパール式,プラチャンダ流に,あっれ,出ちゃった,ゴメンネとやれば,楽しめるが,日本の関係者は沈痛そのもの,陰気くさくてたまらん。これでは,事態はますます悪化するばかりだ。
日本の没落については,すでに何回も指摘した。このガバナンス崩壊もその一つだが,ここでもう一つ注目すべきは,日本のHDI(人間開発指数)の下落――
▼HDI(2005年):日本=11位
ついに日本はここまで落ちぶれた。5年後の現在はもっと下落しているだろう。しかし,どうせ落ちるなら,楽しくやろう。情報じゃじゃ漏れ,日本に機密なし。大いに結構。HDI世界11位。それがどうした。清貧こそ日本の伝統だ。それがイヤなら,「長屋の花見」でも楽しもうではないか。
谷川昌幸(C)