ネパール評論 Nepal Review

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京都の米軍基地(7):議会審議

京丹後市議会が,米軍Xバンドレーダー基地設置について,審議している。ユーチューブに転載し,全世界にばらまこうと思ったが,IT素人の悲しさ,ファイルのダウンロードができなかった。とりあえず,市議会HPへリンクしておく。無断ダウンロード・世界配布以前に消去されないことを願っている。(▼クリック,再生) [追加6月19日:音声のみユーチューブに掲載しました。]

▼2013年3月13日議員全員協議会 議会HP ユーチューブ
130611a

▼2013年3月22日議員全員協議会 議会HP ユーチューブ
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▼2013年5月20日議員全員協議会 議会HP ユーチューブ
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[参考] 金田琮仁議員(清風クラブ)「Xバンドレーダー」に対しての私の考えです(2013年04月17日)

「日本の平和と安心、安全については隣国による不安定な行動に危惧される今、我が国の防衛のあり方に、国民として、京丹後市民として、あらためて考える時がきたのではないか。・・・・」

「・・・・こちら側の質問事項に対して、電磁波に対する健康面や、米国人への治安に対する安全面、地域との関わりと交流、情報交換や事件事故へ対応する連絡会、などについては、予測以上の答弁であり不安はない。」

「・・・・地域の経済的効果を求めるならば、むしろ京丹後市は、積極的に関与し、市内の経済対策としての効果が見込める様、促すべきだ。」

「今回のXバンドレーダー配備計画において、京丹後市民としては、今こそ日本の防衛と平和、さらに東南アジアと世界の平和のために、少しでも貢献する、との思いを込めて、推進すべきだと考える。」

【全文はブログ参照 金田そうじんのフルスイングレポート
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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/06/11 at 18:42

京都の米軍基地(1)

小事にかまけていたら,一大事の発生に気づかなかった。なんと,京都の丹後に,米軍基地が新設されるというのだ。よりによって京を米帝に差し出すとは,「美しい国」の「国家の品格」も地に落ちたものだ。

◆設置場所:航空自衛隊経ヶ岬分屯基地
◆米軍施設:移動式早期警戒Xバンドレーダー
◆米軍関係人員:約160人

とんでもない計画だが,2013年2月23日の押しかけ日米首脳会談で,安倍首相がオバマ大統領に,基地建設を貢ぎ物として差し出してしまった。だから地元には,すでに決定されたものとして,一方的に建設計画の概要が説明されているにすぎない。

この説明は,明白な「ウソ」に基づき,単なる手順として,平然と進められている。以下,京都府庁で行われた,京都府知事に対する防衛省の大嘘説明(「Xバンドレーダーに係る説明概要」2013年3月22日)。

▼Xバンドレーダー基地は,「我が国を防衛するという観点で導入し配置も決定」(古屋地方調整課長)
▼京丹後市が標的になるのではとの質問に対し,「様々なレーダーがあり,冗長性があるため1つのレーダーを攻撃する特段のメリットが相手方には無い」(同上)
▼「また,米軍の施設であり,攻撃した場合には米国の対応が予想されるため,これにより大きな抑止力が働いている」(同上)

これらの説明は,真っ赤なウソだ。まず第一に,このレーダー基地が米国防衛を主目的としていることは,自明のことだ。

また,標的にならないとは,よくもヌケヌケと,小学生にも分かるウソをつけたものだ。「冗長性」などと,一般人には意味不明のジャーゴンを使わざるをえなかったのは,そのため。冗長性があるのなら,わざわざ屋上屋を重ねる必要はない。冗長性がないからこそ,丹後に新設するのだ。

さらに,米国の軍事力がテロ集団やテロ国家に対して抑止力として機能しないことも,いまでは常識。米国は,自国の核兵器や通常兵器が抑止力を失ってきたので,身代わりの攻撃目標を日本に引き受けさせようとしているのだ。これも常識。

しかし,これらの真っ赤なウソは,「大きなウソ」であるため,地元の人々はウソと反論できず,すでに見返りを最大限分捕るための条件闘争に入りつつある。

これは一大事。遅ればせながら,情報を集め,対策を考えていきたい。

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■航空自衛隊経ヶ岬分屯基地(航空自衛隊HP)

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■米軍Xバンドレーダー建設計画(防衛省HP)

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■Xバンドレーダー(防衛省HP)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/05/16 at 06:55

ガンジーを虚仮にしたオバマ大統領

谷川昌幸(C)
オバマ大統領のノーベル平和賞受賞演説(12月10日)を読んで,こんなはずではなかった,と落胆している人も少なくあるまい。「オバマ感謝祭」を開催し,「オバマ法被」を着て「オバマみこし」を担ぎ練り歩いた長崎においても,失望の声が聞かれ始めた。
 
オバマ大統領は,ガンジーやキング牧師を引用し称賛しながらも,「正しい戦争」,つまり防衛戦争と人道介入戦争を認め,ガンジーの非暴力・不服従による抵抗の教えを否定してしまった。
 
オバマ大統領は,演説において戦争を必要悪としてはっきりと認めており,したがって彼の核廃絶宣言も従来の核軍縮の枠を越えるものではない。
 
彼は正戦を認めるのだから,当然,核抑止力も認めている。核が大国によりきちんと管理されている限り,アメリカの核は世界最大の抑止力を持つから,アメリカにこれを廃絶する理由はない。
 
しかし,核拡散が続き,核がテロリストの手に渡ると,アメリカの核兵器はそれに対し何の抑止力もない。むしろ,核攻撃へのテロリストの意欲を掻き立てるだけだ。
 
オバマ大統領は,この状況に危機感を抱き,核拡散を防止するため核廃絶を唱えているにすぎない。だから,核の大国管理が回復すれば,核廃絶を唱える理由はなくなり,オバマ大統領,あるいは後継米大統領は,核廃絶をいわなくなるであろう。
 
オバマ大統領は,あえていうなら,ガンジーを虚仮にした。ガンジーは一切の正戦を否定したのであり,正戦を認めるオバマ大統領はガンジーを引き合いに出すべきではなかったのだ。
 
しかし,それにもかかわらず,私はオバマ大統領を高く評価する。彼は,やはりブッシュ前大統領とは格が違う。オバマ大統領は,ガンジーやキング牧師の非暴力・不服従による抵抗の立場を十分に理解した上で,そしておそらく彼らを虚仮にすることになることがわかっていても,それでも彼らを引き合いに出さざるをえなかったのだ。オバマ大統領のノーベル賞受賞演説には,彼の誠実さと,それゆえにこそ生じる内面の苦悩が,滲み出ている。
 
オバマ大統領は傑出した政治家である。長崎・広島は,手放しのオバマ礼賛ではなく,彼の正戦論を徹底的に批判することによって,彼が核抑止論も力の均衡論も放棄し非暴力・非戦平和の立場に向かうよう,彼を激励し支援すべきであろう。
 

Written by Tanigawa

2009/12/13 at 21:01

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