ネパール評論 Nepal Review

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京都の米軍基地(106):文化侵略尖兵としての米語道路表示

京都新聞(1月13日)によれば,京都府庁は,米軍人・軍属のために,アメリカ語の道路情報表示を始めた。
  Beware Icy Road(路面凍結注意,凍結注意)
  Caution Heavy Snow(大雪注意)
植民地根性丸出し,卑屈この上なし! 米国人がやってきて運転するのなら,日本語表示を学んでからにすべきだ。

そもそも,アメリカ語より日本語(中国渡来漢字)の方が,はるかにわかりやすい。「Beware Icy Road」は13文字もあるのに,「路面凍結注意」は半分の6文字,「凍結注意」なら1/3の4文字。「Caution Heavy Snow」となると,16文字もあり,だらだらと,しまりがない。日本語なら,「大雪注意」,わずか4文字,1/4ですむ。断然,日本語(中国渡来漢字)表記の方が合理的だ。

このわずか4ないし6文字の日本語が覚えられないはずがない。もし,どうしても覚えられないなら,そんな人物に車運転の資格はない。日本政府は,もし独立主権国家の政府であるのなら,彼らの運転を断固拒否すべきである。

▼基地交付金で設置された住民監視カメラ
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 ■経ケ岬バス停/京丹後大宮IC入口

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/14 at 18:45

京都の米軍基地(94):米語文化攻勢

京丹後駐留米軍が本格的な文化攻勢を始めた。軍楽隊ないし軍人・軍属バンドの音楽やキリスト教の祭礼に加え,いよいよ文化侵略の最強手段たる米語(イギリス語アメリカ方言)教育の登場だ。

京丹後の子供たちは,おやつを与えられ,米軍人・軍属から米語を習い始めた。「習う」とは,お手本をならい(倣い),お手本通りできるようになることだから,京丹後の子供たちは米軍人・軍属をお手本とし,彼らの言葉をまね,彼らのように考え,振舞うようになろうとし始めたわけだ。

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 ■お菓子付き米語学習(京丹後米軍FB4月12&14日,子供の顔と名前は引用者削除)

言葉は,それ自体がイデオロギーの塊といってもよい。米軍米語の場合,それは米国と米軍のイデオロギーだ。京丹後の子供たちは,それらを倣い,習うことになる。

といっても,最初からイデオロギー丸出し,ということはない。かっこよい戦闘機や勇ましい軍艦などが,もろ見えということはない。そんな下策は,戦略大国たる米国はつかわない。さりげなく軍楽隊が「星条旗よ永遠なれ」を演奏したり,テキストのところどころに,それとなく米軍関係のことが出てきたり,あるいは先生役の軍人・軍属が口頭でそうしたことに触れることになろう。

たとえば,子供たちが米語単語を習っているこの写真。「d」のところは,イヌの「dog」ではなく,「dolphin」つまりイルカだ。たまたまかもしれないし,テキストも日本製かもしれないが,いずれにせよイルカといえば,すぐ思い浮かぶのが,ケネディ駐日大使。熱心なイルカ人権主義者であり,「イルカが殺される追い込み漁の非人道性」を非難し,日本沿岸漁民に対しイルカ漁をやめよと高飛車に要求した。

もし私が米軍人・軍属なら,「dolphin」を教えるとき,自国の著名な超大物大使ケネディさんがいかにイルカを大切にしているかを紹介し,「日本の皆さんも,アメリカやヨーロッパの先進文明国の人たちと同じように,かわいくて知能の高いイルカをかわいがりましょうネ」と,やさしく諭してあげることになるだろう。(参照:イルカ漁非難,その反キリスト教的含意と政治的戦略性

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 ■米語でイルカ学習(京丹後米軍FB4月14日)/ケネディ大使ツイッター2014年1月18日

これは,ほんの一例。そもそも母語習得――人格形成――途上の子供たちに外国人が外国語を教えるのは,その外国の価値観を子供たちに刷り込み,文化的従属に馴れさせることに他ならない。しかもこの場合,教師=お手本は,米国軍人・軍属だ。こんなことが,真の日米友好に寄与するはずがない。

160421d■米陸軍軍楽隊演奏会(京丹後米軍FB4月12日)

[参照]
ケネディ大使,ジュゴン保護を!
京都の米軍基地(34):イルカ軍団,丹後半島近海来襲

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/04/22 at 08:35

京都の米軍基地(92):子供への刷り込み

京丹後市進駐米軍が,子供向けイベントをせっせと開催し,おやつや歌舞音曲でご機嫌取りをしている。さすが戦略にたけた米軍,目の付け所がよい。

われわれ老人は,平和憲法の下で生活してきたため,少なくとも日本直接参加の戦争とは無縁,完全な「平和ボケ」に陥っている。だから,軍服や迷彩服の人に出会ったり,ましてや武器や軍用車などを目にすると,ギョッと驚き,とっさに逃げようとするか,あるいは逃げもできずその場で固まってしまう。「平和ボケ」老人の典型的症状だ。第二の自然となった本能に近い行動であり,それだけに治療は困難,処置なし。

米軍は,そんな「平和ボケ老人」など,眼中にはない。子供の成長は早い。物心つく前に軍人,軍属,武器,軍施設などを見せ,慣れさせてしまえば,ものの数年余もすれば成長し,軍隊アレルギーのない,米軍好みの日本少青年となってくれる。いわゆる「刷り込み」。

米軍参加催事は,米軍の進駐戦略の一環である。イースターやクリスマスともなると,米軍文化に加え,キリスト教文化も子供たちに刷り込まれる。

進駐軍に,そのような刷り込み作戦を許してよいのか? 「平和ボケ」老人も,ボケの恍惚にまどろんでいるわけにはいかないだろう。

米軍主催イースターエッグハント参加の子供たち(子供の顔引用者削除)
(1)京丹後市日米友好協会FB(3月27日)
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(2)京丹後市国際交流協会FB(3月27)
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[参照1]米軍基地建設を憂う宇川有志の会「文殊さん定期報告685」
★連合区長からの回答をまとめました!
⑦ 米軍主催イースターエッグの宇川アクティブライブハウスの使用許可は連合区長の一存でなされたものか?
回答 運営は連合区、ハウスの事務局長を中心にやっている。私は宇川の人々がここを利用して楽しく暮らしていけばいいのだから(外国人であれ子どもであれ)誰でも自由に利用すればいいと考える。[FB抜粋]

[参照2]宇川アクティブライフハウス(京丹後市HP)

[参照3]京都の米軍基地(91):武器を背に布教活動

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/03/29 at 11:18

カテゴリー: 軍事, 平和

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京都の米軍基地(91):武器を背に布教活動

欧米諸国の世界浸出・進出・侵出については,俗に「宣教師のあとに軍隊がくる」と言われてきた。むろん,「宣教師とともに軍隊」や「軍隊のあとに宣教師」ということもあった。いずれにせよ,キリスト教が欧米の世界浸出・進出・侵出に大きな役割を果たしてきたことは紛れもない事実である。

このことは,京丹後進駐米軍の「原住民」対策をみても明らかである。非キリスト教徒が大半の京丹後「原住民」に対し,米軍は「パンと歌舞音曲」をふるまい,キリスト教文化の宣伝に,これ努めている。クリスマス(キリスト生誕日)しかり,イースター(キリスト復活日)しかり。

キリスト教宣教は,教会や信者がやるのであれば全く自由。何の問題もない。聖書は偉大な文書だし,聖歌にも名曲が多い。キリスト教は最も尊敬すべき宗教の一つである。したがって,そのキリスト教の様々な布教活動が日本文化をさらに多様化し,豊かにしてくれることは,いうまでもない。日本にとって,それは疑いもなく望ましいことだ。

しかし,そのキリスト教布教を京丹後進駐米軍がやるとなると,話は別だ。米軍は,武器を持つ最強の「暴力装置」であり,カネ(予算)もふんだんに持っている。治外法権の特権さえある。その進駐米軍がキリスト教布教活動を直接的あるいは間接的にやったらどうなるか? 大人だって,利権がチラつけば,なびいていく。ましてや,判断力の未成熟な子供たちであれば。

イエス・キリストは,非暴力を説いた平和の人。悩める人,病める人に寄り添い,弱い人間の犯す無数の罪を引き受け,十字架に自らの生命を捧げた救い主。そのイエスが,京丹後での進駐米軍の直接的あるいは間接的な布教活動をご覧になったら,どう思われるか? これをよしとされるのであろうか?

(注)下掲「イベントのお知らせ」は,京丹後米軍FB3月7日掲載のもの。「問い合わせ・申し込み」は京丹後市国際交流協会となっているが,主催は米軍経ケ岬通信所(ポスター下部参照)。

イベントのお知らせ(14th Missile Defense Battery,2016年3月7日)
イースターはキリスト教徒にとって最も重要な祝日の一つで、キリストの復活を喜ぶ祝祭の日です。・・・・このような伝統的なイベントを一緒に楽しみませんか?
 日 時: 3/27(日)10:00-
 場 所:京丹後市アグリセンター大宮
 参加費:無料
 対 象:3歳以上12歳まで
 問い合わせ・申し込み:京丹後市国際交流協会
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【参照】京都の米軍基地(60):よき隣人としての米軍(2014年12月)
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[参照]京都の米軍基地(65): 米軍とキリスト教

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/03/12 at 13:18

英語帝国主義の対ネ猛攻

このところ米英,とくに米国のネパール向け英語(米語)攻勢がすさまじい。大使館が率先してフェイスブック,ツイッターなどで,連日のように,幼児か小学生のような英語の学習を呼び掛けている。「アメリカではそうは言わない。それは,間違いですよ!」とか。

子供ならまだしも,大人だと,つい「余計なお世話だ」「ここはネパールだ,ネパール流の英語を使ってどこが悪い」と反発したくもなるだろう。たしかに,米英がどう思おうが,別文化には英語にも別の使い方があって当然だ。理解できず困るのであれば,ネパールやインドあるいは日本など,別文化を謙虚に学び,そこでの英語の使われ方を学習すればよい。そうすれば,理解できるようになる。

言語民主主義ないし文化民主主義――なによりまずは,これが先決。非英語諸国が,一方的に自ら頭を垂れ,英語帝国主義に卑屈に屈従するいわれはない。

▼英語帝国主義の世界支配
160116■ウィキは英語版断トツ。日本語版2位(在ネ米大使館ツイッター)

▼在ネ大使館ツイッターによる英語宣伝
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■米/米/米/英

【参照】
愛国者必読: 施光恒『英語化は愚民化』
書評:水村美苗『日本語が亡びるとき』
安倍首相の国連演説とカタカナ英語の綾
安倍首相の怪著『美しい国へ』

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/02/02 at 14:11

京都の米軍基地(80): 子供利用の日常化

進駐米軍は,日本各地で日本の子供たちを米国益のために利用している。目的それ自体たる子供自身の権利(特にプライバシー)の無視であり,子供搾取といってもよいであろう。

Xバンドレーダー基地を設置した京丹後市でも,米軍は,基地の軍人・軍属や米軍軍楽隊を市内の子供園(幼稚園・保育園)に次々と送り込み,子供たちに米軍文化を刷り込む一方,その様子を写真に撮り,本国納税者に見せ,巨額軍事費負担を納得させようとしている。動員されている軍人・軍属個々人は「善意」かもしれないが,これは,異文化の外国にやってきて軍隊がやるべきことではない。

こうした米軍の子供利用は,たとえば途上国援助に熱心な先進国NGOが,現地の貧しい人々やかわいそうな子供たちの写真を撮りまくり,本国支援者たちに見せ寄付を募るのと,構造的には同じことである。そこでは,本来なら何よりも尊重されるべきはずの現地の人々自身の尊厳が,多かれ少なかれ,二の次とされてしまっている。

米軍の京丹後市子供園訪問も,第一に米国納税者を納得させるためであり,第二に基地周辺の住民を慰撫するためである。そのためには,無邪気に喜ぶ子供たちの笑顔は不可欠である。顔の削除は,もってのほか。米軍ホームページやフェイスブックに,子供たちの無修正写真が氾濫するのは当然といえよう。

日本人が日本人の子供に対してこんなことをすることは許されない。が,先進国たる宗主国アメリカにとって,日本原住民の子供の人権など,鴻毛よりも軽い。

▼第14ミサイル防衛中隊&在日米陸軍軍楽隊の子供園訪問
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 ■峰山子ども園(峰山町)(子供の顔引用者削除,経ヶ岬米軍FB9月1日)

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 ■丹後子ども園(丹後町)(子供の顔引用者削除,経ヶ岬米軍FB8月28日)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/09/02 at 19:00

京都の米軍基地(65): 米軍とキリスト教

米軍基地経ヶ岬通信所と京丹後市国際交流協会の主催で,キリスト教の復活祭を祝う「宗教行事」が実施されるそうだ。これが,その案内。

▼米軍フェイスブック 
イースター・エッグハント☆
日時:4月5日(日)10時~ 場所:セントラーレ・ホテル京丹後,参加費:無料
主催:米軍基地経ヶ岬通信所、京丹後市国際交流協会
内容:十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが、三日目に復活したことを記念・記憶する“復活祭(イースター)”を祝うため、特別に飾付けられたイースター・エッグ(お菓子が詰まったプラスチック卵)を、イースター・バニーというウサギが隠し、復活祭の朝にその隠された卵を子供たちが探すという文化が、主に欧米で毎年春に行われます。皆さんもこのエッグハンティングを体験してみませんか? アメリカの文化、そしてアメリカ人とふれあえる貴重な機会になりますので、多くのお子様・保護者様のご参加を受付けております!

▼「広報きょうたんご」(2015年2月15日)
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何よりもまず先に,ここで米日両案内文を比較してみよ! 正文は,もちろん米軍側案内。なぜ,日本側が,こんなとんでもない「誤訳」をしたのか? いうまでもあるまい。下記のような批判が,そのまま当てはまることを恐れたからにちがいない。しかし悲しいかな,主導権は米軍側にある。そんな植民地根性丸出しの日本側の卑屈な配慮などまったくお構いなく,正々堂々,平然と,宗教行事として,日本人住民に向け日本語で案内したのだ。正直な米軍! 立派な米軍!

この米軍側案内が呼びかけているように,復活祭は,宗教色が薄れてきたとはいえ,れっきとしたキリスト教の宗教行事。ブリタニカも,「イエス・キリストの復活を祝うキリスト教最古,最大の祝日」と説明している。

そのキリスト教行事としての復活祭を,キリスト教徒が自分たちだけで祝ったり,あるいは私的に友人や知人,あるいは一般の人々に参加を呼びかけるのは,もちろん自由である。そうした形であれば,大いに祝われてよいし,信者の友人に誘われたら,私も参加するかもしれない。

しかし,進駐米軍が軍として,そして京丹後市国際交流協会が協会として,復活祭を主催し,一般市民に参加を呼びかけるのは,いかがなものか?

参加費は無料となっているが,いったい誰が,経費を負担するのか? 米軍が出すのか? それとも,京丹後市国際交流協会が負担するのか? あるいは,折半か? ちなみに,交流協会は,設立と運営に市が深く関与している。

京丹後市国際交流協会は,市の企画推進課の肝いりで平成20年3月設立された。
 会員=個人143,団体4(H24),
 京丹後市補助金=110万円(H23),80万円(H24),根拠法令なし。単費財政負担

こうした事実を考え合わせるなら,この行事には,「政教分離の原則」の観点から,根本的な疑問を感じざるをえない。

また,それに加え,文化の観点からも,ここには見過ごせない問題がはらまれている。そもそも米軍はれっきとした軍隊であり,暴力装置である。その米軍が,軍事力を背に,進駐先の現地住民をキリスト教行事に勧誘する。これは,これまでに世界各地で深刻な紛争を引き起こし問題とされてきた,先進キリスト教強国による宗教侵略・文化侵略と,本質的には,同じことである。

様々な文化や宗教の競争的共存は,文化を発展させ豊かにしてくれるが,たとえ間接的にであれ,また金銭的にも多額ではないにせよ,ある特定の宗教ないし文化が軍隊や公権力をバックに宣伝される場合,文化間競争・宗教間競争は,もはや公平とはいえない。

そうした状況では,不利な立場に立たされる側の宗教や文化が反発し,根深く難しい宗教紛争や文化対立を引き起こす場合が多い。それは,途上国の現状を見れば,明らかである。

米軍は,米国を守るための先兵として,はるばる丹後半島にまでやってきたのだから,進駐先でやっかいなもめ事を引き起こすのは本意ではあるまい。外国軍が進駐先で嫌われるのは,いつどこでも同じこと。そう覚悟してあきらめ,できるだけ波風立てないように,ひっそり静かに駐留するよう心がけるべきだろう。

▼参考:復活祭関連本表紙
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[追加2015-03-18]
米軍は,3月14日,横浜で行われたカトリック「聖パトリック祭」パレードに参加した。ここでも政教一致,軍教一致。
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[参照]京都の米軍基地(91):武器を背に布教活動

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/03/15 at 14:41