ネパール評論 Nepal Review

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最高裁長官も女性に

カトマンズポスト(3月14日)によれば,司法委員会(憲法第153条設置)は3月13日,スシラ・カルキ最高裁判事を次期最高裁長官に推薦することを決めた。推薦通り任命されれば,4月中旬就任予定。

スシラ・カルキ最高裁判事は,1952年ビラトナガル生まれ。バナラス・ヒンドゥー大学大学院修了(政治学),トリブバン大学法学士。弁護士会推薦で最高裁判事就任。

カルキさんは,初の女性最高裁長官。これで大統領(BD・バンダリさん),連邦議会議長(O・ガルティさん)に加え,司法トップも女性となる。男性は首相(オリ氏)だけ。スゴイ!!

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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/03/14 at 18:15

カテゴリー: 司法

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シャルマ判事,最高裁長官就任

ダモダル・プラサド・シャルマ(दामोदरप्रसाद शर्मा)判事が4月11日,第22代最高裁長官(सर्बोच्च अदालतको प्रधान न्यायाधिश)に就任した。任期は,停年となる今年10月まで。

シャルマ判事は,憲法会議(संबौधानिक परिषद)では全会一致で長官に推薦されたが,議会の特別聴取委員会では,指導力不足,職権乱用の疑い,コネ人事の疑いなどの理由で反対があり,2/3の多数決による承認となった(Himalayan,1&2 Apr; Republica & Ekantipur, 1 Apr)。略歴は次の通り。

1949 カトマンズに生まれる。現在65歳
1975 郡裁判所判事
1991 上訴裁判所判事
2009 上訴裁判所所長
2005 最高裁判事
2013 最高裁長官代行(3月より)[レグミ長官が在職のまま選挙管理内閣首相となったため]
2014 最高裁長官就任(4月11日)

シャルマ長官の能力は,新聞報道だけではよく分からないが,しかし,任期が10月までとは,あまりにも短すぎる。司法部は保守的であり,年功が慣行となっているそうだが,この激変期,長官選任方法も見直すことが必要ではないだろうか。

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谷川昌幸(C)

    

Written by Tanigawa

2014/04/13 at 19:13

カテゴリー: 司法

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レグミ最高裁長官,暫定選挙管理内閣「議長」就任

3月13日,UCPN,NC,UML,UDMTの主要4党が,最高裁長官(Khil Raj Regmi)の下で制憲議会選挙を実施することに合意した。主な合意内容は,以下の通り。

(1)暫定選挙管理内閣
 (a)内閣の長は,「首相」ではなく,「議長」とする。「議長」には,レグミ最高裁長官を任命する。制憲議会選挙終了後,レグミ氏は「議長」を辞任し,最高裁長官に復職する。
 (b)大臣は11名とし,高位官職経験者の中から選任する。

(2)選挙実施日
 制憲議会選挙は,6月までに実施する。もし6月までに実施できない場合は,12月15日までに,選挙実施日を決定する。

(3)制憲議会の構成
 ・定数:491(小選挙区240,比例制240,内閣指名11)
   (旧制憲議会:定数601[小選挙区240,比例制335,首相指名26])

 ・任期:無期(任期規定なし)
  (旧制憲議会任期:2年)

(4)就任宣誓
 レグミ最高裁長官の暫定選挙管理内閣「議長」就任宣誓は,14日午前9時からの予定。

  130314 ■レグミ最高裁長官/暫定内閣議長(最高裁HP)

――以上が,13日の4党合意の骨子だが,いやはや泥縄というか,面妖というか,何ともいいようのないヒドイ内容だ。

これは,事実上,政治家の任務放棄宣言・降伏宣言だから,統治放棄された国家の管理を最高裁判所(司法)にお願いするのは,やむを得ない。(先述のように,本来なら大統領の下での選挙とすべきではあるが。)

また,政治家が自ら統治能力欠如を認めたのだから,官僚(行政)に国家運営を丸投げするのも,やむをえない。テクノクラート支配,専門家支配だが,素人の政治家に統治能力がなかったのだから,いくらみっともなくても,自業自得,いたしかたあるまい。

しかし,この丸投げには,暫定といいつつも,とんでもないおまけがついている。6月までに選挙ができなければ,12月15日までに選挙実施日を決定すればよい。結局,いつ選挙ができるのか,実際には,まったくわからない。

さらに,かりに,めでたく選挙ができ,新しい制憲議会が成立しても,この議会には任期の規定がない。無期限議会! いつまでも,永遠に存続可能なのだ。これでは,正式の憲法がいつ制定されるか,まったく見当もつかない。

このままでは,統治の正統性が限りなく蚕食されていき,「法の支配」はますます衰退し,ネパールは底なしの無政府状態に沈み込んでいくであろう。

◆暫定選挙管理内閣成立
この記事を書いている間に,レグミ最高裁長官が「議長」就任宣誓を行い,レグミ氏を「議長」とする暫定選挙管理内閣が正式に発足した。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/03/14 at 14:38

選挙実施理由提示命令と判事暗殺

1.選挙実施理由提示命令
最高裁(TA.アンサリ判事)は,S.バスネット弁護士からの公益訴訟を審理し,5月30日,バブラム・バタライ内閣に対し,制憲議会選挙の11月22日実施を決定した理由を,文書で,10日以内に提示するように命令した。ただし,選挙実施の停止命令は,認めなかった。

最高裁が選挙実施決定の理由説明を命じたのは,首相,内閣府,選挙管理委員会に対してだけであり,大統領と大統領府は回答の義務なし,とした。

先日も述べたように(マオイスト親政,平和革命への序曲か?),制憲議会=立法議会が後のことを何も決めないまま消滅してしまった現在,最も大きな正統性を有するのが最高裁,次が大統領であるのに対し,首相には法的合法性も政治的正統性もほとんどない。

もし最高裁が,30日の決定に従い,KR.レグミ最高裁長官を裁判長とする特別法廷で11月22日選挙実施決定の合憲性を審理すると,違憲と判定される可能性が高い。たとえ違憲と判定されなくても,バタライ内閣の非正統性が露わとなり,政府はほぼ完全に死に体となってしまうであろう。

■最高裁判事15名。赤印がバム判事。

2.バム判事暗殺
この危機状況の最中の5月31日,最高裁RB.バム判事が暗殺された。覆面をしたバイクの2人組が,午前11時頃,ラリトプールで車内のバム判事を銃撃,判事はすぐノルビック病院に運ばれたものの,助からなかった。

これはもちろんプロの仕業。数発の銃弾は正確に急所に命中しており,確実な殺害が目的だ。昨年9月26日のイスラム青年指導者暗殺のときと,まったく同じ手口(イスラム協会書記長,暗殺される)。ネパールには,このようなプロの暗殺者がいて暗躍していることは明白である。

難しいのは,どの勢力がこの暗殺を依頼したかである。バム判事は,収賄容疑で弾劾裁判を受けており,職務停止中。暗殺がこの収賄容疑事件に絡むものである可能性は否定できないが,しかし報道を見る限り,暗殺しなければならないほどの理由は見当たらない。やはり政治的な暗殺とみるべきだろう。

現場からは,”Nepalbad NJSSR Party”のパンフレットが見つかったという。正体不明の団体で,カモフラージュの可能性が高い。

とすると,現在のところ最も大きな正統性を持つ,したがって政治的影響力の強い最高裁をねらった,と見るべきだろう。しかも,弾劾裁判で職務停止中のバム判事が標的となった。誰かが,誰かに対して,政治的な警告を発したのではないか。

むろん私怨かもしれないし,真相は分からない。ネパールでは,ビレンドラ国王暗殺(王族殺害事件)も闇の中,イスラム青年指導者暗殺も闇の中。しかし,中枢にいる権力者・有力者には,誰が,あるいはどの方面の力が暗殺に動き,何を警告しているかは,ほぼ見当がついているはずだ。バム判事暗殺も,同じ構図であろう。

こうした暗殺事件が庶民にとっても無縁でないと思われるのは,もっと矮小であれ,同じような手口が身の回りでも使われているのではないかという疑念がぬぐいきれないこと。紛争が泥沼化すると,手っ取り早く暗殺や謀殺で始末してしまう。関係者には何となく見当がつくが,確かなことは分からず,結局うやむやになるという図式だ。

暗殺,謀殺という漆黒の暗闇。不気味この上ない。仏陀の国には,このような暗黒の側面もあることを,決して忘れてはならないであろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/06/01 at 10:18

カテゴリー: 政治, 民主主義

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