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京都の米軍基地(62):レーダー稼働と秘密指定とイエスマン首長

米軍が12月26日,Xバンドレーダーの運用を開始した(公表同日午後9時)。警察庁の特定秘密指定発表と同時ないし直後の,絶妙のタイミングだ!

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 ■Xバンドレーダー(京丹後市HP)

1.特定秘密の指定
特定秘密保護法(秘密法)は,すでに2013年12月6日,自公強行採決により成立していたが,施行は2014年12月10日から。

このスケジュールにあわせ,政府は指定されるべき秘密の選定作業を進め,朝日新聞(12月27日)によれば,すでに政府10機関が約370件を特定秘密に指定しているという。いかにも秘密法らしいのは,機関自ら発表したのは今回の警察庁が初めてで,他の諸機関は自ら積極的には発表はしていないこと。秘密は秘密にしておきたいというのが本音であろう。

警察庁発表の主な秘密は,情報収集衛星,テロ,外国政府などとの協力,スパイ活動,部隊の戦術・運用,情報提供者などの人的情報源。これらの秘密は秘密であって具体的なことは皆目見当もつかないが,Xバンドレーダーに関することは何でも,この秘密の網のどこかに引っかかりそうだ。

秘密指定は,警察庁のものだけではない。朝日新聞(12月27日)調べでは,他にも多数ある。
  防衛省 244件
  内閣官房(内閣情報調査室など) 49件
  海上保安庁 15件
  経産省 45件
  総務省 2件
  法務省 1件
  国家安全保障会議 1件

2.Xバンドレーダーの稼働
京丹後のXバンドレーダーは,この秘密法体制(国民監視体制)発足と同時に運用を開始した。単なる偶然の一致ではあるまい。

Xバンドレーダーは最先端の監視装置であり,北朝鮮はむろんのこと,中国をも常時監視する。この監視装置には,それを守る最先端の強力な秘密防衛体制=住民監視体制が不可欠だ。特定秘密保護法は,まさしくその要請に応えるもの。京丹後市は,Xバンドレーダーを受け入れることにより,かつての日本三大秘境の一つから,一躍,日本最先端の秘密法モデル地域に向かって,大きく前進したのである。

Xバンドレーダーは,単なる機械ではない。Xバンドレーダーは,それを支える社会体制の中でのみ機能する。その体制を,「Xバンドレーダー体制」と呼ぶ。

3.仲井真前知事と中山市長と基地利権
「Xバンドレーダー体制」は,中に入ってしまえば,とりわけ有力者にとっては居心地がよい。中山京丹後市長は,運用開始に関するコメント(12月26日)で,こう語っている。

「施設の本格開始に当たり、我が国の平和と安全という尊い国益への貢献を真摯に願うとともに、自治体としては、同時に、様々な面での住民の安全、安心の確保が大前提であるとして、この間、このための準備や対策に国、米軍、京都府、地元住民はじめ関係者の皆さんとともに、万全に取り組んできました。・・・・」(赤字=引用者)

このコメントを目にしてすぐ思い浮かんだのが,安倍首相との会談後の仲井真・前沖縄県知事のことである。前知事はこう語った。

「安倍総理大臣、菅官房長官にはこのような機会を私どもに与えていただきまして、心から感謝申し上げます。また、今、総理大臣自らご自身で、我々がお願いした事に対する回答の内容をご説明いただきまして、ありがとうございました。いろいろ驚くべき、立派な内容をご提示いただきました。沖縄県民を代表して、心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。」(首相官邸「仲井眞沖縄県知事との面談」平成25年12月25日,赤字=引用者)

141227a ■安倍・仲井真会談(2013年12月25日,官邸HP)

この二人の基地自治体首長の姿勢は,中央政府の基地利権による懐柔にオドオドしながら追従する,という点でよく似通っている。自治体(地域政府)は,本来,国家に先在し,「地方自治の本旨」(憲法92条)に則り統治されるべきなのに,彼らはその誇りと責務を忘れ,自ら国家の下請け機関に甘んじてしまっている。

だから,「尊い国益への貢献」の前提条件として繰り返し強調される「住民の安全安心」も,住民自身のための「住民の安全安心」と錯覚してはならない。それは,正しくは米軍と日本政府のための「住民の安全安心」であり,より正確には「お上のための住民監視」にほならない。

4.米軍基地と秘密法の威嚇効果
下掲文書は,レーダー運用開始後,京丹後市が公表したもの。この赤字警告を無視して,故意に,あるいは何かの弾みで,誰かに事前にこの内容を漏らしてしまったらどうなるか? あるいは,何気なくしゃべったことが,結果的に,この文書の内容と同じだったとすると,どうなるか? 

秘密法施行以前であっても,職務秘密の漏洩は多かれ少なかれ処罰される場合があるが,秘密法施行後は,はるかに重罰であり,その威嚇効果は絶大となる。

米軍やXバンドレーダーについても,「見ざる,聞かざる,言わざる」となることは避けられず,かくして京丹後はG・オーウェルも真っ青の住民監視管理社会となってしまうであろう。

 ▼防衛省文書(京丹後市HP)
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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/12/27 at 19:12

京都の米軍基地(53):軍機を暴けるかストリートビュー

グーグルのストリートビューやアースは,両刃の剣だ。個人私生活(プライバシー)が暴かれ世界中にばらまかれ取消不能となる危険性がある反面,軍事秘密の端々も暴いてくれる可能性があるからだ。

下掲写真は2013年9月撮影のストリートビュー。米軍基地調査らしい写真もある反面,地元の人々の写真も容赦なく無断撮影され,世界中に公開されている。取消不能。

すさまじい時代になったものだ。Xバンドレーダーの電磁波より恐ろしい。

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 ■基地ボウリング調査(?)/右:米軍用地,左:反対立看

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 ■袖志村内/尾和バス停

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 ■尾和国道側/上野国道側

【参考】Google マップ/Earth 利用の追加規約(2012年3月1日)
「2. 使用の制限: ユーザーは、事前に Googleから書面による許可を得ることなく、次のことを行ってはなりません: (a)コンテンツまたはその一部を複製、翻訳、変更、または派生物を作成すること、・・・・」

あれあれ,Googleは,市民から,写真撮影の「書面による許可」をいつ得たのかな? 私には,自分の身体や日常生活や自宅などの写真を撮り世界中にばらまくことを,Googleに「書面」をもって許可した覚えはないのだが。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/08/01 at 11:23

京都の米軍基地(51):関所の監視カメラ

京丹後市の出入口=関所の一つに,監視カメラらしきものが設置されている。監視カメラ(スパイ盗撮カメラ)には詳しくないので,ひょっとすると違うかもしれないが,少なくとも外見からは監視カメラのように見える。

140709a 140709b ■設置監視カメラ/カメラ部分

1.監視の可能性の不気味さ
カメラ付近には,説明も標識も何もない。設置主体,設置目的不明。どこかにあるかもしれないが,ガードレールを乗り越え敷地内に入ると,侵入者とされ,頭上のカメラでバッチリ撮られ,逮捕されてしまうだろう。盗撮カメラを盗撮して逮捕されては,号泣兵庫県議以上にみっともない。

設置場所は峠なので,降雨・積雪監視用かもしてないが,そうしたことは,たいした問題ではない。設置目的が何であれ,盗撮された映像は,イザというとき,動かぬ証拠として何にでも利用できる。事実,おびただしい監視映像が,そのように利用され始めている。

この峠の監視カメラは,電話線で通信網に接続されているようだ(赤線表示)。つまり,誰かが,どこかで,ここを通るすべての人々の映像を見ている,監視=盗み見している,ということ。あるいは,いまはそうではなくても,そうしようと思えば,いつでもそうできる状態にあるということ。

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 ■通信網接続の監視カメラ

2.自衛隊の活発化
そして,さらに注目すべきは,先にも指摘したように,この地域では自衛隊の活動が活発化している。監視カメラを盗撮していたときも,自衛隊ジープが数台通過した。関連事業用のダンプも急増した。

140709d ■監視カメラ下通過の自衛隊ジープ

3.撮ると撃たれる恐れ:米軍
そして,忘れてならないのが,これからは自衛隊だけでなく米軍の車両も通行するということ。これは,恐ろしい。

日本は,国民も自衛隊も平和ボケ。国民は何にでも平気でカメラを向ける。自衛隊だって,格好の被写体にすぎない。事実,私も自衛隊ジープを激写したわけだ。自衛隊も自衛隊で,若い女性がカメラを向けたら,ピースサインさえしかねない。実戦経験ゼロ,緊張感なし。

ところが,米軍(や他の軍隊)はそうではない。カメラを向けようものなら,「撃たれる!」と判断し,反射的に撃ちかねない。キャノンは銃(キャノン)であり,撮る(シュート)は撃つ(シュート)。これは世界の常識だ。

Xバンドレーダー基地(米軍専用施設区域)付近は,特に危険だ。そのことは毎日放送(TBS)「見えない基地~京丹後・米軍レーダー計画を追う」(2014年1月19日放送)のなかの車力米軍基地レポートの部分を見れば,明らかだ。(参照:京都の米軍基地(31):MBS「見えない基地」再放送を米軍事会社 日本でも米レーダー警備、特権適用 青森・車力基地

基地外ではそれほどではないにせよ,不用意にカメラを向けると,連行されたり,すごまれたり,あるいは状況によっては撃たれてしまうかもしれない。それが,撃たれる前に撃たなければ生き残れない軍隊というものだ。実戦や訓練において,米軍の軍人や軍属(戦争引受会社被傭者)は,その戦場での生存術を身体化してしまっている。

米軍は見てはならないもの。見てはならないものを見るかもしれない住民は見張り監視すべきもの。見る-見られるのこの逆転こそが,Xバンドレーダー基地のブラックホール的恐ろしさだといってよいであろう。

【参照1】JR乗降客映像を無断流用 オムロンが「不審行動」解析(7月12日追加)
 電子機器大手オムロンが、JR東日本の4駅で撮影した乗降客の映像を、JR東に無断で別の研究に流用していたことが朝日新聞社の調べでわかった。不審行動を割り出すセンサー技術の研究に使い、総務省の外郭団体から約2億5千万円を受け取っていた。・・・・
 140712■オムロンの無断流用の流れ(朝日デジタル7月12日)

【参照2】撮影禁止:車力と経ヶ岬(7月15日追加)
京都平和委員会FBの写真によれば,車力では「当基地又はその活動を写真,図画,グラフ等に記録すること」が禁止されている。このうち,「活動(activities)」の部分はどうにでも解釈でき,特に危険。
 140715 ■車力米軍基地の警告(同FB写真の警告部分)
経ヶ岬米軍基地の場合,独立の「米軍専用施設区域」であり,車力以上に危険な治外法権のブラックホールとなりかねない。もしそうなれば,周辺のものは,吸い込まれ,呑み込まれて行くであろう。基地外からの望遠撮影はむろんのこと,たまたま写ってしまった場合であれ,米兵,あるいはもっと怖い軍属(戦争請負会社)警備員がすっ飛んでくるのではないか? グアムのように。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/07/09 at 10:41

プライバシーと「忘れられる権利」

1.「忘れられる権利」判決
EU司法裁判所が5月13日,スペイン男性の「忘れられる権利(rights to be forgotten)」を認め,グーグルに対し,過去の新聞掲載債務関係公告へのリンク削除を命令した。問題発生時の公告掲載は適法でも,時間の経過により「忘れられる権利」が成立する,という理屈だ。

以前であれば,新聞等で報道されても,小さな問題や事件はすぐ忘れられ,よほどのことがなければ,知るのは難しい。また,知ろうとも思わない。

ところが,インターネットの普及により,ネット上の記録は半永久的となり,容易に検索・発見することができるようになった。世界の誰でも,知りたいと思う人の名前や関連用語を入力し検索すれば,記録の有無,あればその内容が瞬時に表示される。いったんネットに記録されてしまえば,世界万民監視,一生,いや死後ですら,過去の束縛から逃れられない。

それは,いくらなんでもヒドイ,というのが良識,とくに保守主義の本場ヨーロッパの常識だ。EU司法裁判所が,今回,「忘れられる権利」を認めたのは当然と言ってよいであろう。

140617 ■Google検索

2.「知る権利」との関係
一方,「忘れられる権利」の適用には,現実には,難しい問題もある。以前であれば,時間が自然に「忘れられる権利」を成立させてくれた。ところが,ネット時代になると,誰かが人為的に「忘れられる権利」の成立を認定せざるをえない。殺到するであろう消去要求をどうさばくか? 削除基準をどうするか? 有力者や有力機関の権力や金力をバックとする削減要求から市民の「知る権利」をどう守るか? いずれも難しい問題である。が,もはや,その問題との格闘を避けて通ることはできない。

3.「プライバシーの権利」との関係
この「忘れられる権利」とは別だが,実際には不可分の関係にあるのが,どこまでプライバシーをネット上に掲載できるか,という問題。たとえば,グーグルのストリートビュー。

ストリートビューについては,何度か批判した。解像度が劇的に向上し,撮影場所も路地裏にまで入り込みつつある。プライバシー侵害は,すでに許容範囲を超えているのではないか?

たとえば,自宅前で洗濯物を干している女性,玄関で誰かと話している男性,車で誰かと出かける青年等々。申し訳程度にぼかしが入れてあるが,知人,地元民なら,すぐだれか判別できる。

ストリートビューでは,まだ名前検索はできないが,地名入力すれば場所の検索は可能。地域の個々人の生活や人間関係が具体的にわかる。グーグルにプライバシーを暴かれ,半永久的に保存され,世界中にばら撒かれたくなければ,トイレにでも隠れて生活せざるをえない。

また,グーグルに許されるのなら,私たちも車にカメラを装着し,あるいは自宅軒下に監視カメラを設置し,手あたり次第撮影し,ネット上に掲載してもよいことになる。自宅トイレなど密室を一歩出たら,プライバシーなきものと覚悟せよ!

4.神の域に近づくグーグルや百度
私たちは,神の前では一切の隠し事はできない。神は,寝室も風呂もトイレも,すべて見ておられる。そして,すべてを永遠に記憶され,いつでも呼び出し現前せしめられる。グーグルや百度は,着実に神の域に近づきつつある。

140617b ■百度検索

[参照]
京都の米軍基地(41):住民監視の現状
京都の米軍基地(37):丸裸の監視社会
自衛隊員の「つぶやき」:万人監視社会への警鐘
京都の米軍基地(32):捨て石としての沖縄・グアム・京丹後
京都の米軍基地(23):特定秘密としてのXバンドレーダー

谷川昌幸(C)

万人監視国家,ニッポン

『世界』5月号の公募グラビア,佐藤淳平「監視」が不気味だ。監視カメラが,駅でも,団地でも,歩道でも,店先でも,ベンチの上からも,公園の木陰からも,そして,どこかわからないが,そこからも,人々を常時監視している。

東京都内には,街頭「防犯カメラ」が,警察設置195台,自治体設置4959台もあるそうだ。市民は,プライバシーより「安心,安全」を重視し,もはや慣れっこになっている。が,「防犯カメラ」の防犯効果は,実際には,まだ実証されていないという(p.303)。人々は,漠たる不安に駆られ,効果も定かでない「防犯カメラ」設置に走っているのだ。

プライバシー(privacy)とは,「自由な私生活」ないし「私生活の自由」のことであり,public,つまり「公開」「公共」の反対概念だ。換言するなら,私生活の自由(見られない権利)があってはじめて,公的領域(見る権利,見せる権利)があるのであり,公共は公共だけでは存立しえない。

そもそも,人間にとって本当に大切なものは,隠されてある。信仰もストリップショーも,隠されてある「」や「秘所」がなければ,存立しえない。隠すために見せ,見せるために隠す。隠すもののない者は,もはや人間ではない。カミかヒトだ。

それにもかかわらず,いまや日本の国家や社会は,監視カメラ設置で住民の「私生活の自由」を根こそぎ剥奪しようとしている。愚かなことだ。自らの存立根拠を,自ら取り除こうとしている。

そもそも「防犯カメラ」が欺瞞的だ。正しくは,「監視カメラ」,あるいは「スパイカメラ」または「盗撮カメラ」と表現すべきだ。日本は,古来,言霊の国。人間らしい「見られない自由」「隠れる自由」を取り戻すためにも,ことばは,それ本来の意味で誠実に用いられるべきであろう。

▼巷にあふれる「防犯カメラ」(Google)
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谷川昌幸(C)

京都の米軍基地(41):住民監視の現状

米軍Xバンドレーダー配備に伴い住民監視が強化徹底されることは間違いないが,そのまえに,現状がどうか調べてみた。といっても,プロが監視を気づかれるようなヘマはしない。素人にできることは,ネットで調べることくらい。それでも,ビックリ仰天した。ネット公開のライブカメラだけでも,すでに,こんなにも普及している。

京丹後市のライブカメラ 2014年5月9日現在

ライブカメラは,いまでは小学生でも簡単に設置・運用できるから,実際には,これよりはるかに多く設置されているとみてよいであろう。といっても,むろん,これらは住民監視が直接の目的ではない。しかし,善意の「防犯カメラ」「防災カメラ」「情報提供カメラ」「顧客調査カメラ」等々であっても,その気になれば,いつでも「監視カメラ」「スパイカメラ」「のぞきカメラ」となりうる。事実,犯罪捜査では,すでに日常的にそのような使われ方をしている。京丹後でも,住民は,いたるところで見られている,と覚悟すべきだろう。

不気味な世の中になったものだが,米軍基地ができると,こんなものでは済まない。本人に気づかれない形で,徹底的に個人情報が収集され,イザとなれば,お国の「国益」のために活用される。だれしも後ろめたいことの一つや二つはある。つまり,権力は,その気になれば,いつでも,だれでもお縄にできるわけだ。

丹後観光には,丸裸覚悟で,おいでいただきたい。岩陰でこっそり水着に着替えても,あなたは見られている(かもしれない)!

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 ■宮津市・国道178号線/経ヶ岬・国道178号線

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 ■平・宇川/久僧・よしの里

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/05/09 at 19:59

京都の米軍基地(37):丸裸の監視社会

グーグル写真を見てビックリ,また一段と精細になった。こんなものが見られるなら,わざわざ丹後の秘境に行くまでもない。論より証拠――

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 ■空自分屯基地入り口/米軍用地/空自レーダー

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 ■尾和の国道沿い民家/同左,拡大/尾和村内バス停/右壁面,拡大

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 ■袖志の商店と民家/同左,民家前拡大/久僧:共産党・自衛隊・自民党共生ポスター

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 ■中浜民家/同左,拡大/袖志を無断撮影中のグーグル車

これらは,はるかに鮮明なグーグル画像を,素人が無料映像ソフトで縮小したもの。それでも,十分に判別できる。一応,人の顔や文字にはボカシを入れているが,申し訳程度,アリバイつくりにすぎず,誰が,どこで,何をしていたか,丸見え。丸裸に近いといってよい。

たとえば,袖志の女性や中浜の男性。あるいは,尾和の国道178号線沿い民家やバス停付近の民家,久僧の共産党・自衛隊・自民党共生ポスター掲示など。ポスターは見てもらうためだからよいとしても,自宅敷地内の無防備女性や男性を一方的に無断撮影し――その意味では盗撮し――世界にばらまき,永久保存・利用を可能とし,それでもって金儲けをしている。こんなことを,本当に,してもよいのだろうか?

しかし,それはそれとして,いま確認すべきは,一私企業ですら,ここまで自在にプライバシーを暴き,保存・利用できるということ。とすれば,米軍やCIAなど,あるいは自衛隊や公安機関などは,その何倍も強力な住民調査・監視技術を持ち,おそらくすでに何らかの形で利用していると想定せざるをえないであろう。

地元住民や京丹後に出入りするよそ者は,すべてどこかでチェックされ,経歴を照合され,分類・保存され,ひょっとするとケイタイ・スマホ情報も傍受され,監視されている可能性がある。まだどう利用されているかは分からないが,すでに山間部の峠などに,監視カメラがいくつか,さりげなく設置されている。

監視社会の恐ろしさは,実際には自分は監視されていなくても,監視されているかもしれないと思わされるところにある。丹後は,間違いなく万人監視の「Xバンドレーダー体制」に向かうであろう。

 ▼京都の米軍基地(13):「Xバンドレーダー体制」の危険性

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/04/16 at 12:04

ネット選挙運動規制の大いなる錯誤と危険性

インターネットやメールはド素人。スマホもラインも未経験。それでも,ネット選挙運動規制には苦笑を禁じえない。いや,それどころか,正直,恐怖さえ感じる。

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 ■総務省インターネット選挙運動HP

そもそもインターネットは,蜘蛛の巣の無法地帯。国境も大人・子供もあったものではない。NSAは覗き放題,企業は個人情報ただ取り大儲け。メールアドレス偽造など,小学生でもやっているという。そのインターネット世界を,総務省・選管は国内法で細々と規制するという。バカバカしい。

こんな時代錯誤の法規制で処罰されるのは,ネット選挙運動参加を試みる善意の市民だけ。もともと日本の選挙は,がんじがらめの「べからず選挙」。「改正公職選挙法」も同じこと。善意の市民の健全な常識では,なにが選挙違反になるのか,見当もつかない。恐ろしくて,選挙運動には関われない。

特にネット選挙運動は危険である。NSAが覗き見しているであろうし,企業は個々人の政治的意見を様々な個人データと関連づけ,記録保存し,いつでも顧客に提供できる態勢を整えているであろう。○○党支持者には白系スーツ,△△党シンパには赤かピンクのスーツ等々。

また,米英の足元にも及ばないであろうが,日本の各種「情報機関」も,国民個々人の政治的態度を知りうるのだから,こんなおいしい情報源をほおってはおくまい。自前で,あるいは企業に依頼し,市民のネット・メール選挙運動を監視し,記録保存しているにちがいない。

市民にとってネット選挙運動が危険なのは,第一に,何が違法なのかよく分からないこと,第二に,ネット世界に発信した情報は,そのまま,あるいは何者かに加工され,何者かに記録保存され,イザッというとき,動かぬ証拠として利用される恐れがあること。

たとえば,これが違法かどうかよく分からないが,選挙期間中の7月14日,The Times of India(ネット版)をみると,こんな選挙広告が出ていた。

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 ■辻泰弘候補の選挙広告(The Times of India, Jul.14)

おそらく記事連動あるいは検索連動広告であろう。検索語は「Arundhati Roy」。インドのマオイスト・シンパで,超過激派。記事は2002年3月7日付の「刑務所は思ったより悪くなかった」。ロイが,最高裁の法廷侮辱罪判決によりティハール刑務所に投獄された時のことを書いたものだ。

つまり,グーグルかどこかが,おそらく民主党の辻泰弘候補をインド過激派のアルンダティ・ロイと関連づけ,ここに表示したのだろう。(そうでなくても,ここにこう表示されれば,多かれ少なかれ,読者はロイとの関連づけと感じる。)これは何を意味するか? 辻候補にとって,それは選挙にどのような影響を及ぼしたのか?

あるいは,うっかりコピーし損ねたが,このページの下方には,あられもない半裸女性が出ていたが,ひょっとすると辻候補はこの半裸女性と関連づけられていたのかもしれない。もしそうだとすると,このインターネット選挙広告は,辻候補の選挙運動にとって,ロイとの関連づけ以上に大きな影響を及ぼした可能性がある。

おそらく民主党・辻泰弘候補は,自分のネット選挙広告がこのような使われ方をしていることは知らなかったであろう。

ことさように,インターネットもメールも,いいかげんであり,コントロール不能であり,危険なのだ。それを総務省・選管は,日本国内法で細々と規制するという。しかし,そんなことは不可能だ。

もちろん,立法者も総務省・選管も,それは十分承知の上だ。わかった上でこのような規制をするのは,おそらく,イザッというとき,権力にとって都合の悪い人物を,瞬時に見つけ出し,しょっ引くためであろう。ネットやメールをつかえば,データは半永久的に残る。権力にとって,こんな好都合な道具はあるまい。

ネットやメールは,いったん使用すれば,あとでそのデータが誰に,どう利用されるか,まったく分からない。ほとんどの人のほとんどのデータは見過ごされるが,イザッというとき,利用記録が命取りとなる危険性は誰にでもある。善良な市民は,ネット・メール選挙運動などには手を出さない方が,賢明であろう。

谷川昌幸(C)

 

Written by Tanigawa

2013/07/23 at 15:52

フェイスブックもスカイプも情報筒抜け

ワシントンポスト(朝日6月8日朝刊)やガーディアン(6月7日)によれば,アメリカ政府(国家安全保障局,FBIなど)が,フェイスブック,スカイプ,マイクロソフト(ホットメール),グーグル(Gメール),ヤフー,ユーチューブ,アップルなどの情報を,会社側から提供され,あるいは他の方法で,収集していることが明らかになった。

朝日6月8日夕刊によれば,オバマ大統領も,議会の承認を得ているとして,これを認めた。携帯通信情報も収集している。メールは読んでいないと大統領は釈明しているが,本当だろうか? これは対外情報監視法(FISA)に基づくPRISMプログラム。つまり合法だからだ。ワシントンポストの下図参照。

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■Washington Post, June 6,2013

しかし,こんなことは,まぁ常識。ネット情報,携帯情報など,すべてのデジタル情報が官民どこかに収集・保存され,政治的に,あるいは金儲けや他の目的のために,利用されていることは,明白だ。それがわかった上で,どこまで利用するか,ということにつきる。

で,つい先ほど,デスクトップ・パソコンが突然こわれた。警告ビープ音が出て,全く起動しない。一大事。私のことを私以上によく知っているはずのネット世界のどなたか,そちらに蓄積されている私の情報により,パソコン内情報を回復していただけないだろうか? プライバシー侵害などと,野暮なことはいいませんから。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/06/09 at 11:13

共通番号制度法とパノプチコン社会

共通番号制度法が2013年5月24日,自民,公明,民主,みんな,維新の賛成多数で可決成立した。反対は,共産,社民,生活など。

朝日記事(5月22日)によれば,2015年10月から,全国民に11桁の番号が振られ,下記のような個人情報が,その番号で一元管理される。運用は2016年1月から。

【収入や資産】
・給料や家族の状況 ・保有する不動産やその評価額
【医療・年金・福祉など】
・かかった医療機関や医療費の金額 ・医薬品による副作用の救済 ・新型インフルエンザなど感染力が強い病気での入院 ・年金の保険料や年金額 ・確定拠出年金(日本版401k)記録 ・介護保険の保険料やサービス利用 ・身体障害者手帳の交付 ・障害者支援施設などへの入所 ・障害者に対する自立支援給付 ・公営住宅を借りた記録 ・生活福祉資金貸し付け ・生活保護に関する記録 ・被災者生活再建支援金の支給 ・石綿による健康被害救済のための遺族給付 ・中国残留孤児への支援給付 ・心神喪失の状態で重大な他害行為を行った人の診断や治療
【雇用】
・雇用保険の失業給付 ・労災保険の給付 ・未払い賃金の立て替え払い ・職業訓練を受ける人への給付金
【子育て・教育】
・母子健康手帳の交付 ・受けた予防接種の時期や種類 ・児童手当の支給 ・高校の就学支援金 ・日本学生支援機構からの奨学金 ・学校でのケガなどに支給される日本スポーツ振興センターの給付金 ・里親の認定

この共通番号制度は,住基ネットやIC免許証(下記リンク参照)などとは桁違いに使い勝手のよいシステムだ。個人情報の宝の山。こんなおいしい情報は狙われ,あるいはあまりの巨大さ・複雑さのため「不注意」や「事故」で,必ず漏れる。そして,いったん漏れたら,その悪用による被害は広範・深甚で,回復はほぼ不可能だ。

いや,たとえ漏れ悪用されなくとも,この制度は権力による「善用」の方がむしろ恐ろしい。市民は,権力の前で丸裸にされ,優しく管理される。四六時中見守られ,どこにも隠れるところはない。プライバシーはない。

見えないところ,たとえば風呂場や寝室やトイレは,見えるところよりも本質的に危険である。強盗,痴漢,変質者が侵入するかもしれないし,あるいは病気や事故で生命が危うくなるかもしれない。だから,安全第一とするなら,防犯カメラや見守りカメラをつけ,誰かが,常時,見ている体制をとるべきである。

しかし,たいていの人は,そのような場所へのカメラ設置は拒絶する。なぜなら,いつも見られていることに,人は耐えられないからである。完全無影の白日の下,人は人としては生きられないと,直感的に感じ取る。人間の本性は,隠れつつ見せること,あるいは見せつつ隠すところにある。

共通番号制は,その人間本性への挑戦である。万人監視の「パノプチコン社会」への原理的転換。むろん,このパノプチコン社会でも生きられないことはないが,それは隠れることを一方の本性とする人間ではなく,生物としてのヒトにすぎない。

【参考】
ネット魚拓と「ログ保存法」
フェイスブックの恐怖(2)
フェイスブックも金次第?
フェイスブックとツイッター:現代の神の地上における代理人
Facebookの恐怖・再説
IT企業に丸裸にされる市民
危険なIC免許証,暗証番号の無効化を

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/05/26 at 10:11

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