ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

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ゴビンダ医師のハンスト闘争(24)

6.第15回ハンスト
(6)決死のハンスト(v) 
④強制摂食:いくつかの事例 A. 西洋近世・近代の奴隷と病人 B. イギリス

C. アメリカ もう一方の人権と民主主義の国,米国では,いまでも強制摂食が合憲・合法とされ,刑務所や収容所でしばしば実施されている。

米国では,自己決定権ないし「独りでいる権利」が「プライバシー権」として広く認められているが,そこには「自殺の権利」までは含まれてはいない(末期患者尊厳死は別問題)。また,国家には秩序維持の権利義務があり,そのために必要な場合にはプライバシー権の一部を制限することが出来る。ハンストをする権利は,そうした制限可能な権利の一つであり,必要な場合には,ハンスト死防止のための強制摂食が認められるとされている。

米国刑務所での強制摂食としては,早くには1917年,ニューヨークの刑務所内でハンストをした女性産児制限主義者に対し,実施された。以後,強制摂食は継続され,たとえばコロラド州の刑務所では,2001~2007年に,少なくとも900回の強制摂食が実施されたという。そこでは2014年にも,ハンストをした8~9人に対し,強制摂食が行われている。(*5)

さらにウィスコンシン州の刑務所では2016年,ハンストの3人に対し強制摂食が実施された(*15)。米国では,州により扱いは異なるが,刑務所での強制摂食はマニュアル化されているとみてよいであろう。

米国の強制摂食として最も悪名高いのが,米軍グアンタナモ収容所(キューバ)でのもの。グアンタナモでは,早くも2001年1月からハンストが始まり,最多の時は150人余がそれに参加した。このハンストについては,2013年までは報告されているが,それ以降は情報不開示となったため詳細不明。

グアンタナモ収容所は,いわば治外法権であり,収容者の扱いは残虐を極めた。ハンストにも,当然のように強制摂食が実施された。ここでは死ぬことは許されない。人間の最後の自由,死ぬ権利さえ奪われている。「核軍縮キャンペーン(CND)」は,2005年大会において,次のような緊急決議をしている。「大会は,グアンタナモの200人以上の拘留者によるハンストが摂食と鎮痛剤の強制により長期化し8週目に入っていることを懸念をもって指摘する。」

米国で,いま最も問題にされているのは,急増する難民・移民希望者に対する収容所や拘置所での強制摂食である。「移民関税局(ICE)」は,食事9回拒否でハンストと認定し,裁判所の許可の下,強制摂食を行っているという。

「ICEは,収容所収容者の生命を守り,収容所の秩序を維持していく。・・・・ハンストを行う収容者に対しては,その健康と安全のため,ICEは食物と水の摂取をきちんと見届けている。収容者のハンストが,生命あるいは健康にとって危険かどうかは,医療担当者が常に監視している。」(*1)

この2019年1月には,ICEテキサス収容所が,ハンストをしているインドとキューバからの難民申請者30人のうちの6人に対し,裁判所の許可を得て強制摂食をした。彼らは鼻から出血し,耐えがたい苦痛を訴えている(*8)。


■ICE強制摂食抗議デモ(NYT, 2019/01/31)/グアンタナモ強制摂食(Graphic News, 2013/05/01)

D. ロシア ロシアの刑務所では,ハンストに対し強制摂食が行われている。テロ等の罪で収監されたウクライナ人映画監督オレグ・センツォフは2018年5月から抗議ハンストを続けたが,この強制摂食を避けるため同年10月6日,ハンストをやめざるをえなかった。

E. 北朝鮮 北朝鮮教化所は2018年夏,看守に対する抗議ハンストを行った収監者2人に対し,ホースを口に入れ強制摂食させた。

F. イスラエル イスラエル議会は2015年,ハンストで抵抗するパレスチナ人収監者に対する強制摂食を合法化した。
■イスラエル議会強制摂食法制定(The Telegraph, 2015/07/30)

G. インド インドの人権活動家で「鉄の女」とも称されるイロム・ミャルミラが2000年,インド軍による住民虐殺に抗議しハンストを開始したのに対し,インド政府はチューブによる強制摂食を始めた。彼女は,これに耐え16年間もハンストを続けたが,闘争方針を変え州議会選挙に出て闘うため2016年8月9日,ハンストを終了した。


■Burning Bright: Irom Sharmila(Penguin, 2009)/シャルミラ-ハンスト10年目(Facebook, 2011/09/19)

*1 BURKE, GARANCE, “UN: US force-feeding immigrants may breach torture agreement,” AP,
*2 Burke, Garance and Martha Mendoza, “U.S. immigration officials are force-feeding detainees who’ve been refusing food at Texas centre,” AP, January 31, 2019
*3 DAUGHERTY,OWEN, “UN says US force-feeding detained immigrants may violate torture convention,” The Hill, 02/07/2019
*4 Greenberg, Joel K., “Hunger Striking Prisoners: The Constitutionality of Force-Feeding,” Fordham Law Review, Volume 51, Issue 4 Article 7, 1983
*5 Hsieh, Steven, “Colorado’s Federal Supermax Prison Is Force-Feeding Inmates on Hunger Strike: Solitary Watch reports that eight to nine prisoners are taking part in the strike, held at the federal government’s highest-security prison” The Nation, Feb 27, 2014
*6 Long, Clara “ICE Force-feeding Immigrant Detainees on Hunger Strike: Force-feeding is Cruel, Inhuman and Degrading,” Human Rights Watch, February 1, 2019
*7 Miller, Ian, A History of Force Feeding: Hunger Strikes, Prisons and Medical Ethics, 1909–1974, Springer Nature, 2016
*8 Stevens, Matt, “ICE Force-Feeds Detainees Who Are on Hunger Strike,” New York Times, Jan. 31, 2019
*9 “1910 Liverpool, Force-Feeding: The suffering of a suffragette,” Lapham’s Quarterly
*10 “Cartoon depicting force-feeding from The Daily Herald: Illustration depicts Asquith force-feeding an imprisoned suffragette,” British Library
*11 “Force-feeding,” Wikipedia
*12 “Force-feeding in English jails – a hidden history,” The University of Manchester, 5 Nov 2015
*13 “Force-feeding at Guantanamo Bay,” Graphic News, 05/01/2013
*14 “Prison officials force-feed inmates on hunger strike against solitary confinement,” RT, 29 Jun, 2016

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2019/02/28 at 18:04

平静に見えるオーストリア

6月末~7月初旬,ウィーンやザルツブルクなどを見てきたが,少なくとも外から見る限りオーストリアは平静であった。

オーストリアでは,5月に大統領選挙があり,リベラル系無所属(「緑の党」元党首)のアレクサンダー・デア・ベレン候補が,僅差で,極右「自由党」のノベルト・ホーファー候補に勝利した。不在者投票分でのギリギリ逆転勝利,文字通りの辛勝であった。

ところが,この開票結果に自由党が異議を唱え,憲法裁判所に選挙無効を訴えた。憲法裁判所は,この訴えを受理し,審理の結果,7月1日,不在者投票開票方法などが違法だったとして選挙無効の判決を下した。再選挙は,9~10月の予定。

このオーストリア大統領選挙は,全世界,特に欧州で,成り行きが注目されてきた。自由党は極右ナショナリスト政党。難民・移民受け入れに反対し,EU離脱を訴え,とくに男性,ブルーカラー労働者,農村部に支持を拡大してきた。その自由党が勝利すれば大変なことになる。注目され,心配されるのは当然だ。

こうした状況だから,オーストリアはいま騒然としているだろうと思っていたら,実際には,街も村も表面的には何事もないかのように平静。人々はコンサートに出かけ,高原や湖畔では早やバカンスを楽しんでいた。

これは,まったくもって不思議,不可解。バカンス明けの再選挙はいったいどうなるのだろう?

▼議会議場(上院/下院)
160720l 160722a

▼落書き(ハイドンハウス付近)
160722c

[参照]
*「オーストリア大統領選、やり直し 極右の伸び焦点」日経,2016/7/1
*稲木せつ子「オーストリアの大統領選は「史上初」だらけだ 憲法裁判所が選挙のやり直しを命令」東洋経済オンライン,2016年07月06日
*「オーストリア大統領選で違法行為、憲法裁がやり直し命令」朝日新聞,2016年7月1日

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/07/22 at 04:54

外国人研修生の過労死,朝日社説が告発

谷川昌幸(C)
7月14日付朝日社説が「外国人過労死,『実習』という名の『労働』」というタイトルで,外国人研修・技能実習制度を取り上げ,これを「『国際貢献』をうたう制度の欺瞞性」とし,「実態は『労働』なのに研修や実習などとごまかすのは,もう止めるべきだ」と厳しく断罪している。
 
ネパール人研修生は,ネパール・日本研修生協定(2003.12.3)は締結されているものの,これまではあまり多くなかった。ところが,今年に入って具体的な研修プログラムが策定され,ネパール人研修生の大量送り出し・受入に向かって関係者らが動き始めた。これは日ネ友好を願う者にとって憂慮すべき事態である。
 
朝日記事(7/3)によると,外国人研修制度(1981年制定)による来日は2008年度末で8万7千人。現在,日本にいる外国人研修生は,朝日記事(7/14)によると,約20万人。死者は2008年度35人。そのうち過労が原因と思われる脳・心臓疾患が16人となっている。
 
この現代の奴隷制とも呼ばれる外国人研修制度については,内外からの批判が高まり,ついにこの7月2日,労働基準監督署(茨木県鹿嶋)が中国人研修生の死を労災として認定するにいたった。この中国人研修生は月93~109時間の残業をさせられ,タイムカードも偽造され残業代は不払いであった。社長は労基法違反で送検されている。
 
このような外国人差別・人権侵害の欠陥研修生制度のもとでは,ネパール人労働者を受け入れるべきではない。もしこのまま大量受入を始めると,必ず問題が生じ,深刻な紛争となり,長年にわたって築き上げられてきた日ネの友好関係は瓦解してしまうであろう。
 
■関連ブログ記事
 
 ■外国人過労死―「実習」という名の「労働」(朝日新聞社説2010.7.14)
 日本の外国人研修・技能実習制度は、途上国から企業などが人を受け入れ、3年間の職場経験で得た技能を母国で役立ててもらうのが目的、ということになっている。ところが、その制度で来日した中国人男性が死亡したのは「過労死による労災」と労働基準監督署が認定した。
 奇妙な事態があらわにしたのは「国際貢献」をうたう制度の欺瞞(ぎまん)性だ。
 男性(当時31)は2005年12月に来日、茨城県のめっき加工会社で働いていたが、08年6月に亡くなった。直前の3カ月、月93~109時間の残業をしていたという。
 これは氷山の一角とみられる。現在日本にいる研修・実習生は中国などから約20万人。受け入れを支援する国際研修協力機構によると、08年度に35人が死亡した。このうち長時間労働が原因とみられる脳・心臓疾患は16人。09年度の死亡は27人にのぼった。
 「看板」とうらはらに、研修・実習生に、低賃金で過酷な労働を強いたり、残業代を払わなかったりピンハネしたりする事例が後を絶たない。
 さらに08年秋のリーマン・ショック以降は受け入れ先の仕事が激減し、中途解雇が目立ち始めた。新たな受け入れ先も紹介されず、泣く泣く帰国した人は少なくない。
 過労死するほど働かせ、状況が変われば解雇する。こんな「使い捨て」のやり方が許されるはずがない。
 問題点は国も認識はしている。関係法を改正し、来日2年目からだった労働関係法令の適用を1年目からにしたほか、国内の受け入れ機関の責任や罰則を強化した。だが、まだ問題の解決にはほど遠い。
 日本は、外国人労働者の受け入れを専門分野に限っている。これに対し、研修・実習生の受け入れ先は、多くが小規模製造業、水産加工、農業などで、日本人が敬遠する仕事での単純労働力の不足を補ってきた。少子高齢化のなかで、彼らがいなくては成り立たない単純労働の現場があるのだ。
 まず、こうした実態を詳しくつかむことだ。そのうえで、制度を根本的に再検討すべきである。実態は「労働」なのに研修や実習などとごまかすのは、もうやめるべきだ。
 当然、受け入れる限り、労働者を「使い捨て」にしてよいわけがない。日本社会のなかできちんと位置づけるべきだろう。生活、教育、福祉などの基盤整備や安全網を、どのように組み立てるのかなど、課題は多い。
 「実習生」などと言い換えるのは外国人労働者受け入れへの警戒感に配慮したためかも知れない。だが、まやかしの名前で呼び続けても、外国人労働者が日本にいないことにはならない。現実から目をそらし、日本の社会に必要な議論を先送りするだけだろう。

Written by Tanigawa

2010/07/15 at 12:01

カテゴリー: 経済, 人権

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外国人研修労働の違法性認定:熊本地裁

谷川昌幸(C)
熊本地裁は,1月29日,外国人研修・実習生の中国人女性4人を働かせていた天草市の縫製工場主と仲介機関に対し,過酷な違法労働をさせたとして,慰謝料などの支払いを命令した(朝日,1/30)。
 
判決によれば,「午前3時頃まで就労させ」,「残業代は時給300円」だった。そして,「縫製作業は研修とは名ばかりの労務の提供」であった。
 
研修実習生は,パスポートや預金通帳を取り上げられ,法定労働時間を大幅に上回る過酷な労働をさせられており,「奴隷」(原告)のような状態だったという。熊本地裁判決は,縫製業者だけでなく,仲介機関の「協同組合」の不法行為責任をも認めた。
 
原告は,国際研修協力機構(JITCO)に対しても賠償を要求したが,判決では「協力機構に法的義務はない」とされた。しかし,直接的な法的責任は認められなかったとはいえ,JITCOに政治的・道義的責任があることは明白である。
 
先に述べたように,ネパール側報道によれば,まもなくJITCOは職員をネパールに派遣し,ネパール側と研修労働者派遣について協議するらしい。しかし,いまの外国人研修・実習制度のままだと,問題が起こる危険性が極めて高い。
 
日ネ友好を大切に思うなら,われわれは,外国人研修・実習制度のこうした実態をネパール側に伝えるべきであろう。日本では,テレビや新聞で繰り返し報道され,告発本も何冊も出され,しかも裁判所ですらこの制度による「違法労働」「人格権の侵害」の事例を認めたのだ。知らないのは当事者のネパール人民だけ,というのではあまりに信義誠実に反する。
 

2010/01/20 ネパール人研修労働者受入  
対日ネパール人輸出,あるいは新三角貿易  
拝啓 マオイスト労相殿: これが研修奴隷だ! 
共産革命と対日「人民」輸出

Written by Tanigawa

2010/01/30 at 21:50

カテゴリー: 経済, 人権

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ネパール人研修労働者受入

谷川昌幸(C)
ネパール労働省は1月初旬,国際研修協力機構(JITCO)プログラムにより渡日するネパール人研修労働者のための事前教育プログラムを決定した。詳細は,2月初旬のJITCO職員訪ネの際,決定するという。ネ日研修生協定は,2003年12月3日に調印されている。
 
 ●事前研修(ネパール)
  日本語=読み書き:60日(90時間) ,会話:60日(90時間),専門用語:6時間/3日
  日本文化=30時間(10日),日本の食事=30時間(10日)
  受講料=7000ルピー,研修生斡旋=172業者
 ●来日後の研修
  職業研修=1ヶ月
 
外国人研修労働制度は,以前は「現代の奴隷制」と呼ばれるほど劣悪な労働条件であった。その後,批判され改善されたと聞くが,実態はどうであろうか?
 
研修生,雇用主夫婦を殺害し自殺(2009.11.12)
熊本県で,中国人研修生が研修先の農家の夫婦を殺し自殺。農繁期には朝5時から深夜まで働かされていたという。
 
外国人研修生の死者33人(2008)
交通事故4,漁船1,仕事中6,自殺1,病気15,その他6。研修生は20-30代であり,過労が主な原因と見られている。
 
研修生の労働条件(日弁連)
平均時給:300-500円,残業時間(月):80時間以上。100時間以上も少なくない。
 
韓国では研修労働制,廃止
宣元錫氏(朝日1/9)によれば,韓国では日本をモデルにした外国人研修制度は問題が多いためすでに廃止し,正規労働者として受け入れる雇用許可制にした。1月18日,韓国とネパールは,この労働者受入協定を2年更新した。韓国は,制度的にも多くの点で日本を追い越し,日本は変化に対応できない極東の後進国として取り残されつつある。
 
 ――いま日本企業がネパールに目を向け始めたのは,おそらく中国や東南アジアの人件費が上がり始めたからであろう。劣悪な労働条件に耐えられる勤勉な労働者を捜していたら,ネパールがあったというわけだ。これは,研修労働者ではないが,1月12日,長崎の漁船が転覆し,乗組員10人が行方不明になった。そのうち6人は中国人労働者。これを見ても,日本の工場,農漁業などの労働現場で外国人労働者がいかに必要とされているかがよく分かる。
 
しかし,ネパール人研修労働者を受け入れるのであれば,制度を整え,日本人労働者と同等の権利をきちんと保障すべきだ。「研修」名目で低賃金を正当化するような姑息な利己主義でネパール人研修生を大量に受入始めたら,必ず問題が生じる。日ネの友好関係も瞬く間に破壊されてしまうだろう。
 
(参照)

Written by Tanigawa

2010/01/20 at 09:19

ネパール労働者の対日輸出:ネパール労働省

谷川昌幸(C) 
ネパール労働省が,ネパール人労働者の対日輸出(export)促進を働きかけている。以前批判したように,これは「現代版奴隷労働」とさえいわれており,民主共和国はこのような売国的政策をとるべきではない。
 
Bishal Bhattarai,"Trainee export to Japan,"(ekantipur,Jul.15)によれば,ネパール労働省が日本国際研修協力機構(JITCO)と協定を締結したのが2003年12月3日。ところが,これまで日本に「輸出」できたネパール人はわずか63人。労働省のバッタライ氏は,これに不満を持ち,ネパール労働者をもっと日本に輸出せよと主張されるのだ。
 
いまの労働大臣はコングレスのMohammad Aftab Alam 氏。しかし,労働者「輸出」政策は,マオイスト政権の時も強力に推進されており,コングレスの「反人民性」のゆえではない。ネパール政府は一貫して労働者を商品とみなし,「輸出」促進を図ってきた。 ネパール労働省が日本の研修労働の実態を知らないはずがない。よく知っていながら,自国人民を研修生として日本に「輸出」するというのだ。
 
このところ,外国人研修生に限らず,日本の非正規労働は常軌を逸している。大学生向けの職場体験制度(インターンシップ)も,夏休み2ヶ月,びっちり働かされるようなものが少なくない。安上がりの補助労働だ。大学はますます企業の下請け機関となりつつある。就職には何の役にも立たない教育,世間から隔離された修道院のような大学こそ,これからは目指されるべきだ。
 
ネパールの労働者も日本の学生も,多少苦しくとも,資本に拝跪し「現代版奴隷労働」に甘んずるようなことは拒否すべきだろう。
 

Written by Tanigawa

2009/07/18 at 10:49

カテゴリー: 経済, 人権

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拝啓 マオイスト労相殿: これが研修奴隷だ!

谷川昌幸(C)

マオイスト労相殿は,失業対策として「人間資源」の対日輸出に鋭意取り組んでおられるようですが,日本労働市場はネパール人民の輸出先としてはあまり有利ではありません。全部とはいいませんが,外国人研修生は「現代の奴隷」と批判されています。今日(2/4)の朝日新聞記事「中国人研修生『18時間労働』」は,その実態を次のように暴露しています。

  研修生:中国人女性6人
  勤務先:大分の縫製会社
  勤務時間:午前8時~翌日午前3時
         休憩:昼食15分,夕食30分
  月給:3万円余(下記諸費差引後)
      寮費・光熱費:2万円
      管理費:3万円
      強制貯金:4万円
  中国側仲介保証金:60万円

すべてが事実かどうか分かりませんが,取材し記事にしているので,大筋ではこの通りだと思います。そして,このような研修労働が,他にも少なくないといわれています。

研修生たちによれば,「中国人は馬鹿だ」「強制帰国させる」と脅されていたそうです。若い女性たちが,60万円あまりで日本に売られ,半強制労働させられていたのです。月給3万円(強制貯金を入れても7万円)で,18時間労働! 「現代の奴隷制」といわざるをえません。

マオイスト労相殿,マオイスト首相殿,ネパールの人民同志をこのような「現代の奴隷」として日本に輸出してよいものでしょうか?

ネパールとの古き良き関係を維持発展させるため,「ネパール人間資源の対日輸出」政策の撤回を伏してお願いする次第です。

2009/01/30 共産革命と対日「人民」輸出
2009/01/19 対日ネパール人輸出,あるいは新三角貿易

Written by Tanigawa

2009/02/04 at 10:43