ネパール評論 Nepal Review

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京都の米軍基地(107):イースターで子供の米軍馴致

今年もまた,京丹後進駐米軍がイースターを利用して子供たちを洗脳し,その成果をあっけらかんと世界に向け宣伝している。米国国益のためなら,アジア辺境地の「無邪気な子供たち」のプライバシーなど,はなから問題にならない。

EASTER EGG HUNT」4月15日
(1)会場:京丹後文化会館 主催:米陸軍経ケ岬通信所 共催:京丹後市国際交流協会
(2)会場:道の駅てんきてんき丹後 主催:米陸軍経ケ岬通信所

招待されたのは,3歳から12歳までの子供たち。会場では,軍人,軍属ら米軍関係者が,おやつ付きで楽しく遊んでくれる。こんなことを繰り返せば,子供たちはごく自然に米軍に馴れ親しんでいく。そして,数年,おそくとも十数年もすれば,彼らは親米軍の日本国有権者となるわけだ。

一般に英米は,総合的な長期戦略に長けている。京丹後での米軍馴致作戦も,その典型だ。一見迂遠に見えるが,結局はそれが,米国防衛のための日本国土利用を,より安定的・効率的とし,そしてまた,より安上がりとするのだ。

さらにもう一つ注意すべきは,イースター(復活祭)は宗教儀式でもあるということ。もともとの起源は定かではないが,一般にイースターは「イエス・キリスト復活記念日」とされ,世界各地のキリスト教会で特別なイースター礼拝が執り行われている。

「EASTER EGG HUNT」は,そのキリスト教儀式としてのイースターを祝う祭事。それを米軍と京丹後市国際交流協会が共同で開催し,そこに地域の子供たちを招く。京丹後市国際交流協会には京丹後市から「運営補助金」や「事業補助金」が出されているから(今年度補助金額不明),「EASTER EGG HUNT」は直接的あるいは間接的に公金補助を受けていることになる。

このように,米軍と京丹後市は,基地運用開始からわずか2年余にして,はやズブズブの関係,市役所は米軍奉仕にこれ努めている。日本は,わざわざミサイルなどぶち込まなくても,こうして半植民地化できる。安上がり。感謝されさえする。もって範とすべし。


 ■ゲームとお菓子と英語と米軍(宣伝ポスター)/京丹後市国際交流協会FB(子供の顔消去)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/04/27 at 19:42

京都の米軍基地(95):怒涛の米軍文化攻勢

京丹後駐留米軍(経ケ岬通信所第14ミサイル防衛中隊)の文化攻勢が,ますます激しくなってきた。ターゲットは,子供,老人,一般住民,自治会役員,議会議員,官公庁職員など。洗脳(brainwashing)といっても過言ではない。下掲写真はその一部(子供の顔削除)。

▼「網野幼稚園」京丹後米軍&在日米陸軍軍楽隊演奏会(4月19日)
160611e(京丹後米軍FB5月4日)

▼「かぶと山こども園」京丹後米軍&在日米陸軍軍楽隊演奏会(4月20日)
160611g(京丹後米軍FB4月28日)

▼「袖志農民研修所」在日米陸軍軍楽隊演奏会(4月20日)
160611f(京丹後米軍FB4月28日)

▼「袖志文化交流会」米語教育(6月1日)
160611d160611h
(京丹後米軍FB6月3日/在日米軍司令部FB6月6日)

▼京丹後市議会有志の基地訪問(6月6日)
160611c(京丹後米軍FB6月8日)

▼日米交流音楽会(6月13日)
160611b■主催:防衛省/後援:京丹後市国際交流協会/出演:米空軍太平洋音楽隊&京丹後米軍

これらの写真を見るとわかるように,米軍は子供や老人あるいは一般市民向けの文化行事においても,たいてい軍服ないし制服を着ている。これは,米軍の作戦(operation)の一環だからであり,地域住民に米軍の存在を知らしめ,慣れさせ,馴染ませることが目的だ。米軍文化への洗脳。したがって,第一のターゲットとなるのは,当然,最も洗脳しやすい子供たちということになる。

洗脳には,理屈よりも情の方が手っ取り早く効果的だ。米兵が,かっこよい軍服や制服姿で遊んでくれたり,おやつをくれたり,軽快な音楽を奏でてくれたら,子供などたちまち米軍の虜になってしまうだろう。

物心がつき始めた子供や大人たちには,米語(英語)やキリスト教なども,米軍の格好の情宣手段となる。米語は世界共通語だと教え,日本語劣等感を植え付け,そして,そのうえで軍服着用の米兵が米語を教える,あるいは制服米兵がうろちょろする会場で軍人家族や軍属が米語を教える。米語(英語)帝国主義。お見事!

キリスト教も極めて有効。米軍には従軍司祭(従軍牧師・神父など)がいる。その直接的・間接的な監督の下,クリスマス,イースターなどの宗教行事が執り行われ,その一環として地元住民――とくに子供たち――が招かれる。あるいは,日本側主催のクリスマスなどに米軍人・軍属らが参加し,催しを軍事化・宗教化する。かくして,キリスト教の神は米軍駐留を祝福し,その場に集う日本人もその祝福のおこぼれにあずかる。お見事!

米軍からすれば,このような地元向け文化活動は当然のことだ。地元住民を洗脳し米軍の文化的優位を刷り込んでしまえば,米国益のための基地の維持・使用も容易となる。しかしながら,ここは京丹後,米軍文化に洗脳されるべきいわれはみじんもない。

とくに守られるべきは子供たち。米軍は,子供たちを洗脳するばかりか,行事参加の子供たちの写真や動画を撮りまくり,高画質・無修正のまま,それらを世界中にばらまいている。原住民の無邪気な子供たちを見守り育む慈父のような米軍!

子供たちの,このような政治利用,軍事利用は,断じて許されてはならない。

[参照]児童の権利に関する条約(1989年国連採択)
「児童は特別な保護及び援助についての権利を享有することができる」(前文)
「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、・・・・児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」(第3条)
「締約国は、思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利を尊重する。」(第14条)
「いかなる児童も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。」(第16条)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/06/11 at 10:08

京都の米軍基地(90):子供の軍事利用

京丹後の子供たちが,駐留米軍により盛んに利用されている。軍隊だから,軍事利用といってよいだろう。下掲は,京丹後米軍と在日米陸軍のFB(子供の顔引用者消去)。全世界向け軍広報。完全消去はほぼ不可能。

▼在日米陸軍FB(3月3,4日)
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160305b160305c

▼京丹後米軍FB(2月8,22日)
160305e
160305d160305f

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/03/05 at 18:39

カテゴリー: 軍事, 人権

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京都の米軍基地(82): 強者の権利

経ヶ岬進駐米軍は,地元住民にとって圧倒的な強者であり,早くも「強者の権利」を享受し始めた。「強者の権利」とは,平たくいえば,弱者に対し強者が行使する自由,つまり「Might is Right(力は正義,力は権利)」という考え方である。

現代民主国家は「法治国家」であり,国民も政府もすべて「法の支配」に服する。いかなる政治的,経済的,社会的,文化的強者といえども,自分のもつ「力」ないし「実力」を法を無視して行使することは許されない。法は,事実として様々な不平等が存在する国家社会において,弱者の自由と権利を守るためのものである。現代法治国家では,「強者の権利」は認められない。

ところが,経ヶ岬進駐米軍には,地元住民には認められていない様々な特権が認められている。米軍人・軍属は,形式的にはともあれ,実質的には地元住民の服する日本の法には完全には服さず,その限りで「治外法権」を享受している。

法が弱者を守るためのものだとするなら,「治外法権」は,そこでは弱者が法により守られず,「強者の権利」が容認されていることを意味する。京丹後では,米軍人・軍属は「強者の権利」を行使することが出来る。

たとえば,これらは経ヶ岬米軍FB掲載写真。士官使用と思われる車のナンバーが完全に消されている。推測にすぎないが,おそらく掲載に当たり,米軍側が自分たちのプライバシーか何かに配慮したのであろう。もしそうなら,この車をたまたま地元住民が撮っており,ナンバーを消さずフェイスブックか何かに掲載したらどうなるか? すぐ秘密保護法などが持ち出されることはないであろうが,米軍関係情報を無断で収集し,世界にばらまく要注意人物としてマークされるといったことは十分に考えられる。米軍側は,自分たちが権利だと思うものを,弱者たる地元住民に対し一方的に主張し,それを自分たちの力で守ろうとする。「強者の権利」である。

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 ■丹後半島ラリー(8月28-29日)米軍士官使用車ナンバーは消去。(米軍FB9月22日)

経ヶ岬米軍FBは,このように士官使用車のナンバーを消す一方,地元の子供や老人の写真は,顔が写ったものも含め,無修正で多数掲載している。米軍宣伝への利用である。

しかし,この場合,そのような写真の利用を,子供たちが米軍に対し承認しているとは到底考えられない。米軍人・軍属などが,お菓子や鳴り物を携え,子ども園(保育園・幼稚園)などにやってくれば,子供たちは無邪気にはしゃぎ,喜んで写真を撮らせるであろう。が,そこには写真撮影・利用への「インフォームド・コンセント(理解を得た上での同意)」はない。米軍は,地元関係諸機関に対する強者の立場を利用し,子供たちのプライバシーの自由や肖像権をほしいままに強奪している。日本の子供たちという最も弱い立場の弱者に対する「強者の権利」の行使である。

150901a150901d■峰山子ども園・米軍FB8月28日(子供の顔引用者消去)

150929c■ハロウィーン(11月1日)招待は子供だけ(幼児~中学生以下)。(米軍FB9月24日)

老人たちについても,同じことがいえる。老人ホームなどに入居している老人たちは,多くの場合,役所や施設管理者に対し弱い立場にある。あるいは,老齢や病気などのため,自分では十分に自分の権利を守れない状況にあることも少なくない。米軍人・軍属は,そのような老人施設にも好んでやってきて,入居者たちの写真を撮り,ホームページなどに掲載し,世界中に進駐米軍の宣伝をする。この場合も,入居者たちが明確な「インフォームド・コンセント(理解を得た上での同意)」を与えたとは考えられない。弱者たる地元老人に対し,米軍は「強者の権利」を行使しているのである。

150929a■京丹後市の特養訪問(8月24日)。(米軍FB9月9日)

京丹後における米軍の「強者の権利」行使はまだ始まったばかり,いずれ地域社会の他の様々な領域にも拡大していくことは避けられない。沖縄や他の米軍基地周辺と同様に。

谷川昌幸(C)