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カナルUML議長,首相選出へ

土壇場になって,マオイストはプラチャンダ党首擁立をあきらめ,UMLのカナル議長支持に回った。順調にいけば,今日,カナル議長が首相に選出され,UML-マオイスト連立政権が成立する。

もしUML-マオイスト政権が成立すれば,344議席を占め,安定政権となる。両党とも,共産主義政党であり,本来なら,一つであっても不思議ではない。共産主義大連立の成立となり,ますます中国へ接近することになろう。

 カナルUML議長(Republica, Feb3)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/02/03 at 20:59

カテゴリー: マオイスト, 議会, 政党, 民主主義

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首相選挙,17回目投票

今日(2月3日),首相選挙が実施される。通算17回目,議会規則改正後の新手続きによる第1回目だ。

■立候補者 
  マオイスト: プラチャンダ議長
  UML:     カナル議長
  NC:      ポウデル議員会長
  UDMF:    ガッチャダル副首相

予想では,今日の1回目投票では選出なし。5日予定の2回目,6日予定の3回目については,成否両論に分かれている。選出される場合は,プラチャンダ議長かカナル議長。3回目も選出されなければ,改めて最初からやり直しとなる。

ネパールの政治家はそれなりに練達しており,ギリギリになると,たいていは賢明な選択をしてきた。今回もそうなるのではないか。

とくにマオイストにとっては,人民解放軍(PLA)の指揮権を国家政府に委譲するという切り札を切っての首相選挙。他党以上に,首相選挙を失敗させるわけにはいかない。理想は,プラチャンダ首相,それがダメならカナル首相,プラチャンダ副首相という選択となろう。与党になれば,政府側にたちPLA統合を進めることが出来るからだ。

●首相選出手続き
・議員総数の過半数の得票で選出。ただし,議席定数の過半数(301)か,現議員総数の過半数(299)かは報道では不明。

・1回目投票:過半数で選出。
・2回目投票:1回目で過半数得票者がいない場合は,再投票。過半数で選出。
・3回目投票:2回目で過半数得票者がいない場合は,上位得票者2名による決選投票。過半数で選出。
・再選挙:投票ボイコットなどで3回目でも選出できない場合は,当該選出手続きは終了し,改めて最初から選挙をやり直す。以後,この繰り返しとなる。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/02/03 at 10:45

カテゴリー: 議会, 政党, 民主主義

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最高裁に尻ぬぐいさせる議会

ヤダブ大統領が,暫定憲法51条(3)により立法議会を招集した。明日,12月19日午後1時開会。要求したのは,与党利権を満喫しているUML,NC以外の主要政党だ。さて,何人が巨大催事(場)に集まるか?

そんな議会にしびれをきたした人々が,11月28日,最高裁に直訴に及んだ。「憲法法曹フォーラム」のC.K.ギャワリ弁護士らが,首相選挙におけるUMLの中立(白票ないし欠席)政策は憲法の精神に反する,首相選挙を最初からやり直せ,という判決を出すことを求める訴えを出したのだ。

この訴えに対し,17日,最高裁はこう裁決した。すなわち,唯一の立候補者ラムチャンドラ・ポウデル氏(NC)は,対立候補なしを理由に当選とはされず,当選には過半数票の獲得が必要だ。また,政党に中立を認めている議会法41,42条は憲法38条,70条(2)(6)に違反し無効である,と。つまり,首相選挙における投票は議員の義務というわけだ。

議会法の合憲・違憲解釈は微妙であり,軽々に判断はできないが,少なくともこの判決で最高裁がほんらい議会が解決すべき政治問題に割って入り,11月28日の提訴からわずか2週間余で問題をバッサリ一刀両断にし,始末してしまった(しようとした)ことは事実だ。

日本や他の大多数の国々では考えられないことだが,ネパールは司法積極主義の国だ。1994年には,アディカリ首相の議会解散に最高裁が違憲判決をだし,UML政権を葬り去ってしまった。議会政治が成熟していないので,最高裁に直訴をせざるをえないということだろうが,議会で解決できない政治問題を最高裁が本当に解決できるのかどうか,大いに疑問である。

司法,つまり「法の支配」は,ほんらい非民主的なものだ。それを忘れ,司法に尻ぬぐいしてもらうのは,議会制民主主義の自殺行為だ。他人に尻を拭ってもらってよいのは幼児だけだ,ということを忘れてはなるまい。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/18 at 12:53

首相選挙のドタバタ

第17回首相選挙は,もともと17日(水)の予定だったのに,なぜか今日15日(月)に前倒しされ,ところが,にもかかわらず15日は中止となり,18日(木)に延期となった。猫も目を剥くドタバタ。

立候補者はラムチャンドラ・ポウデルNC議員会長のみ。すでに16回も立候補したのでハクがつき,最高裁もポウデル候補でよいのではないかと示唆した。むろん司法部がこんなことを言うのはどうかと思うが,最高裁がそういいたくなる気持ちは分からないではない。

この最高裁発言を受け,コングレスは制憲議会ネムワン議長に対し,立候補はポウデル氏だけだからポウデル候補を首相と宣言すべきだ,と要求した。他党はもちろんこれに猛反対。司法部も巻き込み,ドタバタ,バタバタ,いよいよ混沌としてきた。

この調子では18日の第17回首相選挙も失敗しそうだ。やはり,これはどう見ても立候補者を出さないマオイストと統一共産党が悪い。わが敬愛する保守主義によれば,時間が正統性を生み出す。とすれば,他のどの理屈でもなく,16回も正々堂々と立候補したその事実だけで,ポウデル氏には他の誰よりも大きな首相候補者としての正統性が認められるようになるかもしれない。

司法部の最高裁が口を出すのはいただけないが,ポウデル氏が16回も立候補したということは歴然たる事実であり,これをこれから否定するのは,他党にはかなり勇気のいることであろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/11/15 at 22:48

カテゴリー: 議会, 政党

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