ネパール評論 Nepal Review

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第三の性パスポート,ネパール発行開始

性解放,ジェンダーフリーの世界最先進国ネパールで,ついに「第三の性」パスポートの発行が始まった。最初の取得者は,カイラリのトランスジェンダーの人となるらしい(Himalayan, 8 Aug)。

手続きは,まず「第三の性」市民登録をし,それを示して「第三の性」パスポートを取得する。

ネパールでは,すでに2007年,最高裁が「第三の性」市民登録の受理を命令する判決を下し,2013年の第2次制憲議会選挙でも「第三の性」有権者登録が実施された。この流れからして,「第三の性」パスポート発行は当然の結果といえよう。すでに何回か紹介したように,ネパールの出入国関係文書は「男」「女」「その他」の3カテゴリーとなっている。

ジェンダーフリー最先進国ネパールでは,これから先,「第三の性」のための制度や設備がどんどん整備されていくだろう。そして,「第三の性」といっても,LGBT(レスビアン,ゲイ,バイセクシャル,トランスジェンダー)など多様だから,「第三の性」がさらに個々人の固有の性的アイデンティティごとに細分化され,そのそれぞれについて自由と権利を保障するための制度と設備が整備されて行くにちがいない。人をその固有のアイデンティティにおいて尊重するとは,そういうことだから。

さて,そこで問題は,性的後進国・日本の対応。ネパール政府がパスポートで「第三の性」としての身分を保証し,旅行の安全を公式に要請しているとき,日本政府がそれを頭から無視することは難しかろう。日本の出入国に「第三の性」カテゴリーを追加せざるを得ないのではないだろうか?

そして,そうなれば論理的には日本国内でも,とりあえずは人々を「男」「女」「第三の性」の3カテゴリーに大別し,それぞれの人々に対応しうるよう制度や設備を整えて行かざるをえなくなる。たとえば,スポーツ種目の「男」「女」「第三の性」への組み替え,あるいは温泉施設における「男湯」「女湯」「第三の性湯」設置など。

これは悩ましい。超先進国ネパール以上に,後進国・日本にとっては。

▼ブルーダイアモンド協会
150807

▼「第三の性」出入国カード
150806a

[参照]
性的少数者の権利,先進国ネパールから学べ
M・F・X:ネパール「第三の性」旅券発行へ
「第三の性」パスポート,最高裁作成命令

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/08/07 at 16:51

カテゴリー: 文化, 人権

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未完議会で重要審議見切り発車

第2次制憲議会は,まだ内閣指名26議席が決まっていない。各種集団が包摂参加を要求し圧力をかけているが,主要政党は,談合により,とりあえず下記の配分を決めてしまったらしい。第4党の国民民主党(RPP)は排除されている。
  ・コングレス党(NC)——— 9
  ・統一共産党(OPN-UML)–7
  ・マオイスト(UCPN-M)—– 5
  ・その他———————- 5

しかも,制憲議会は厳密にはまだ未成立にもかかわらず,主要3党は,見切り発車で重要事項を次々と決定している。
  ・第1次制憲議会の審議結果の継承
  ・憲法起草委員会(68議員)など,各種委員会の構成・発足
  ・高等政治委員会(HLPC)の再開
140330■LGBT指名議席を要求しているBLue Diamond Society

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/03/30 at 11:31

カテゴリー: 議会, 憲法

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