ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

Posts Tagged ‘OERU

ネパール中西部大学の意欲的コロナ対策(3)

3.「E大学」化への取り組み
もう一つ注目すべきは,コロナ拡大防止ロックダウンに対応するためのEラーニングと,それと組合せの国際的教育連携の推進。欧米や中国・韓国のようなEラーニング先進国であれば驚くに当たらないが,ネパールの,それも開発の最も遅れた中西部の中規模新設大学での意欲的な取り組みであり,興味深い。

NB・シン学長は4月4日,OERU(Open Education Resource for Universities)との連携協定に調印した。OERUはユネスコ機関の一つであり,世界で41,アジアでは13の大学等が参加している。ネパールでは,Nepal Open Universityにつぎ,2校目。

さらに中西部大学は,オンライン教育の充実を図るため,Turnitinとも契約した(日付不明)。学長は,こう述べている。

「地理的障害,情報不足,電力不足といった様々な困難があるが,われわれは,この大学とこの地方の教育レベルを総合的に引き上げるため,必要な協力関係や技術の向上促進のため努力している。」(“Agreement for cooperation between MU and OERU,” sajhabisaunee.comm, 4 April 2077)

中西部大学の「E大学」化は,コロナ拡大防止ロックダウンにより促進されたことは確かだが,たとえそれがなかったとしても,大学の不便な立地や低開発の現状を考えると,いずれ採らざるをえない戦略であったことは明らかである。

「E大学」化により,中西部大学は瞬時にして世界とつながり,高水準の教育・研究環境を備えることになる。学生や住民への情報機器の普及など,問題は多々あれ,この分野の変化・革新は速い。後発国の技術的優位,一気に出遅れ日本を追い越すことになるかもしれない。

■WORK FROM HOME(youtube, Apr 21)

E教育プログラム(Nepalgatha, Apr 3)

4.地方大学グローバル化の一範例
ネパール中西部大学のコロナ対策は,以上のように,たいへん意欲的なものである。その取り組み姿勢は,グローバル化時代の中小規模地方大学にとって範例の一つたりうるといってもよいであろう。課題は多々あろうが,改革の成功を期待している。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2020/05/01 at 09:32

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。