ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

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瀬戸際政治,首相選とUNMIN延長

ネパール政治はいよいよ切羽詰まってきた。15日でUNMIN任期切れ,とにかく決めねばならない。

首相選挙は,1月12日に第17回投票が予定されていたが,マオイストに加えUMLもポウデル候補に反対投票することを決めたため,NCは結局ポウデル氏擁立をあきらめ,何らかの挙国政権の樹立を目指すことになった。まだどうなるかわからないが,次の第17回選挙で新首相選出の可能性が出てきた。むろん,新首相候補を誰にするかで合意があるわけではなく,またまたどたばたの再現となるかもしれない。

もう一つが,UNMIN撤退問題。これもよくわからない。ランドグレン代表は,「最後の」記者会見で,もし当事者の合意があれば,UNMIN延長もあり得るとか,国連は今後3年間ネパールに関与し続けるとか説明している。安保理は,明日14日の会議で,ネパール情勢をみつつ方針を決定する予定とのこと。まさしく瀬戸際政治,難しいものだ。

いずれにせよ,この数日でなんらかの選択と決定がなされるだろう。目が離せない。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/13 at 22:45

カテゴリー: 平和, 政治

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UNMINはマオイストの金蔓だ,ネパール首相

ネパールの非マオイスト政治家・知識人らが,ランドグレンUNMIN代表の安保理発言(1月5日)に対し,烈火のごとく怒っている。たとえば,マダブクマール・ネパール首相は1月7日,こう罵倒した――

「UNMINはマオイストの金蔓になった。・・・・だからマオイストはUNMIN任期延長を願うのだ。・・・・UNMIN撤退で天が落ちるようなことはない。・・・・われらは自らの手で平和と憲法制定を実現できる。」(ekantipur, 7 Jan)

すさまじい怒りだ。一国の首相の言葉とは信じられないくらいだ。国連ネパール代表のギャンチャンドラ・アチャルヤも1月6日,こう非難した――

「[マオイスト人民蜂起や大統領統治あるいは軍クーデターの可能性があるというランドグレン代表の]説明には,何の根拠もない。ネパール政府はそのような分析や評価を全面的に拒否する。」(ekantipur, 7 Jan)

ネパール政府が,自分たちでやれるからUNMINは出て行け,と要求するのに対し,ランドグレン代表は,いやいや,ネパール政治は未熟でまだ自立できない,UNMIN任務は未達成であり,したがって国連関与がまだまだ必要だ,と主張する。

妙なことになってきた。ランドグレン代表は実質的には自らUNMINの失敗を認め,だからUNMIN任期延長か,それが無理なら看板を変えただけの国連監視機関の設置が必要だ,と主張する。彼女は,現状ではUNMIN管理下のPLA資料・武器弾薬・施設や宿営所運営監視権限をネパール政府には引き渡さないと明言しているから,いやでもUNMINか別名の国連機関が居残ることになるわけだ。そう彼女は要求していることになる。

ここに,ランドグレン代表とマオイストとの共闘ないし共犯関係が成立する。UNMINは停戦後平和構築に失敗したから,成功するまで(つまり半永続的に)ネパールに居残りたい,というのが,おそらく本音だろう。一方,マオイストも,ネパール首相が「UNMINはマオイストの金蔓だ」と喝破したことを,内心では,シカリ,その通りと認め,金蔓UNMINにいつまでも居残ってほしいと願っているようだ。ランドグレン代表は安保理でこんなことまで言っている――

「新政府の構築,マオイスト兵の国軍統合・社会復帰,新憲法の制定という最重要課題については,これまでほとんど進展がない。・・・・本日,UNMIN任期終了10日前の今でも,UNMINがその監視任務を引き渡すことのできるメカニズムは存在しない。UNMIN撤退後,何が起こるか分からない。・・・・UNMIN撤退が無法状態を生み出すおそれがある。」(Telegraph, 7 Jan)

正直というか,無責任というか,驚くべき発言だ。むしろ“私は停戦後平和構築に失敗したので,責任をとって辞任します”というべきではなかったか。

ネパールの政治家たちは実にしたたかだ。UNMINは,老練ネパール政治に翻弄され,さんざん搾り取られ,非難罵声を浴び,撤退していく。いや,撤退すら許されず,さらに搾り取られることになるかもしれない。酷な評価だが,テレグラフが次の言葉を記事の結びとしたのもやむをえないかもしれない。

「ランドグレンは,ネパール撤退(ouster)を屈辱の追放(ouster)と感じていると思う。」(Telegraph, 7 Jan)

(Telegraph, 7 Jan)

(注)UNMIN関連記事一覧は,右の「検索」かタグでご覧ください。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/08 at 12:56

PLA無条件引き渡し拒否,UNMIN代表

ランドグレンUNMIN代表が1月6日,政府とマオイストの合意が成立しなければ,停戦監視関係資料・武器弾薬・施設を政府に引き渡すことはしない,と宣言した。

ネパール政府は12月31日,UNMINは「特別委員会」(ネパール政府)に一切合切引き渡し,さっさと出ていけ,といった趣旨の書簡を国連に提出していた。ランドグレン代表発言は,これへの反論であり,UNMINは人民解放軍(PLA)を政府(UML,NC)に無条件引き渡しはしない,と明言したわけだ。

ランドグレン代表は,ネパール政府国連宛書簡について,「この書簡が特別委員会での合意を反映しておらず,暫定憲法からも大きく逸脱するものであることは明白である」と政府を激しく非難し,そして「UNMINは合意に基づく後継メカニズムを全面的に支援する用意がある」と約束している。

さらに,こうも語っている。ネパールには,マオイスト人民蜂起のおそれに加え,「副大統領が最近求めたような大統領統治のおそれや,国軍クーデターのおそれもあった。そうなれば,平和とネパールの虚弱民主主義は危機に陥っていたであろう。」

まるでマオイスト応援団のような感じがする。そうしなければ,いまの停戦が崩壊するからであろうが,ここにもUNMIN(国連)の立場の難しさがよく現れている。

これはUNMIN評価にかかわることでもある。ランドグレン代表は「UNMINは4年の任務を終了しネパールを去るが,その活動は国連の誇りというべきであろう」と自画自賛している。たしかに,国連・UNMINが人民戦争停戦実現に果たした役割は大きく,これは高く評価されるべきだが,その一方,この段階での撤退に追い込まれたことは,停戦後平和構築には失敗したと見ざるを得ないだろう。

安保理では,ネパール政府のギャンチャンドラ・アチャルヤ代表も,UNMINの貢献を讃えた。が,その一方,ネパール政府はUNMINの任務を「特別委員会」に引き継がせる,ときちんと釘を刺している。UNMINは不要だ,と安保理で明言したわけだ。

こうなっては,UNMIN存続はもはや無理であろう。国連はUNMINの後始末をどうつけるか? これは難しい。

* “No arms Handover Sans Accord: Landgren,” Republica, 6 Jan 2011

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/07 at 12:37

UNMIN延長拒否、ネパール首相

ネパール政府のランドグレンUNMIN代表宛書簡(12月31日)の内容が明らかになった。新聞報道によれば、マダブクマール・ネパール首相は、UNMIN延長を拒否し、人民解放軍(PLA)監視は「軍統合特別委員会」が引き継ぐ、と明言している。

国軍については、別のメカニズムをつくり、こちらに監視させる。国軍民主化も、国防省設置「国軍民主化委員会」にゆだねる。

要するに、UNMINは関係書類と施設・設備を引き渡し、さっさと出て行け、ということらしい。UNMINは、PLAの武器調査・保管、PLA戦闘員の資格審査・名簿作成、宿営所の運営監視などを担当しており、もし関係資料や施設をそっくり政府側に引き渡し撤退すれば、PLAは丸裸となる。国軍はめでたく国連監視から解放。反革命的名案だ。ネパール首相は本気だろうか?

マオイストは、ランドグレンUNMIN代表にプラチャンダ議長のUNMIN延長要請書簡を託しており、ネパール首相のこんなえげつないマオイスト攻撃を座視できるはずがない。

マオイストが頼りにするのは、皮肉なことに、今回もまたもっとも非民主的な機関である最高裁である。ネパール首相のUNMIN代表宛書簡を憲法違反として最高裁に訴え、無効判決を出させようというのだ。

ネパールは、いよいよ国家の体をなさなくなってきた。政府とマオイストが、正反対の要請書簡を国連(UNMIN)に送りつけ、国連のお裁きを請う。国内では、議会が解決すべき政治問題を非民主的最高裁に丸投げしてしまう。これが、世界でもっとも民主的な方法で選出された601人巨大議会の体たらくなのだ。

UNMIN任期終了まであと10日。現状では完全撤退は無理であり、政府、マオイスト双方の顔が立つよう、看板を書きかえ、実質的にはUNMINに近い任務を担う国連機関が設置される可能性が高い。

さて、その場合、世界展開を目指すわが中央即応集団派遣陸自隊員はどうなるのだろう。こちらも目が離せない。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/04 at 12:09

UNMIN代表、マオイストの使い走り

偉大なプラチャンダ議長が12月30日、カリン・ランドグレンUNMIN代表と会い、UNMIN延長について打診した(ekantipur,31Dec)。

ランドグレン代表の回答は伝えられていないが、マオイストはUNMINを2011年5月28日まで延長することを要請する書簡を書き、その写しをランドグレン代表に渡し、しかもその書簡正文をランドグレン代表に国連本部に持って行ってもらうことにしたというから、UNMIN延長についてはランドグレン代表も内諾を与えているのだろう。マオイストのUNMIN延長要請書簡は、1月5日開催の安保理で審議される予定。

状況はよく分からないが、政府側もUNMIN延長書簡をすでに出しているという。あれあれ、役立たずだから出て行け、と大見得を切ったのは誰だったかな?
 (注)政府のUNMIN延長書簡は誤報。ネパール首相は延長拒否書簡を送った(2011.1.5)。UNMIN延長拒否、ネパール首相

どうも、国連の方が分が悪い。いくら何でも国連には、アメリカが「テロリスト」リストに掲載しているマオイストと共闘を組むことはできまい。かといって、マオイスト要請を無視して撤退すれば、UNMIN失敗の無惨を世界にさらすことになる。これもできまい。

とすると、UNMINにかわる平和構築メカニズムをつくり、これに切り替えることになるのではないか。役人の得意技、看板の掛け替えである。

もしそうなった場合、われらが日本国陸上自衛隊中央即応集団派遣陸上自衛隊員諸氏の活動の評価と、その継承はどうなるのであろうか?
UNMIN代表と日本企業宣伝。戦争も平和もメシのタネ

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/31 at 23:37

ヤダブ大統領,議会招集

ヤダブ大統領が12月28日,MK・ネパール暫定首相の助言に基づき,議会を招集した。1月9日開会。切迫した課題は2つ。

一つは,首相選出。17回目の首相選挙が12月中旬に予定されていたが,理由不明のまま先送りされてきた。時間が正統性を生み出すとすれば,MK・ネパール首相の統治もかなりの正統性を得ているはずだが,ネパールには保守主義はなく,こうした大人の知恵を述べる人は全く見当たらない。何が何でも民主的選挙で首相を選出するのだそうだ。というわけで,新春には17回目の首相選挙がにぎにぎしく挙行されるであろう。

もう一つの課題は,UNMIN撤退問題。マオイスト=UNMIN共闘が成立すれば,UNMINはめでたく派遣延長となる。もしインドが「ノー」に固執すれば,UNMINは追い出され,マオイスト人民解放軍(PLA)は,政府(=NC=UML=軍=インド)の監視下にはいることになるが,まさかPLAがおとなしく敵の軍門にくだるとは思えない。マオイストが分裂でもしなければ,人民蜂起,人民戦争再開となる可能性が大きくなる。

1月議会の2課題は,いずれも難問だ。絶望的とならざるをえない。ネパール流「いい加減」で何とか乗り切ってもらいたいものだ。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/28 at 23:49

カテゴリー: マオイスト, 議会, 政治

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プラチャンダ議長の国連ラブコール

マオイスト常任委員会が12月21日,UNMIN任期6ヶ月延長要請のラブレターを国連に送ることを決めた。また,こちらはいまいちはっきりしないが,どうやら制憲議会任期の延長も要求するらしい。

さすが,プラチャンダ議長は偉い。彼以上の政治家は,今のネパールには見あたらない。

プラチャンダ議長は,一方で,バイダ(キラン)派の「人民蜂起」オプションを容認しつつ(つまり保険を掛け),国連に接近し,しかも特権を失いたくない600名巨大議員団の歓心をくすぐる作戦に出ている。二重三重の必勝作戦。うまい。

国連は追い詰められている。マオイスト提案に乗りUNMIN延長,あるいは類似メカニズムによる継承を図れば,マオイスト=国連がNC=UML=RPPと対決するという構図になる。インドは怒るに決まっているし,「国連=マオイスト共闘」は西側メディアの好奇の目にさらされることになるだろう。

かといって,もしマオイスト要求を拒絶して撤退し,その結果,人民蜂起(人民戦争再開)となれば,国連介入失敗となり,国連のメンツ丸つぶれ,関係者の経歴に傷がつく。国連は,ネパール平和構築を失敗させるわけにはいかないのだ。

プラチャンダ議長はネアカであり,愛すべき人物だ。と同時に,現実を見据え,合理的に計算し,冷酷果敢に決断し行動できる本物の政治家でもある。もし彼がいなければ,ネパールはおそらく泥沼の内戦継続か,アナーキーか,さもなければ過酷な軍事独裁になっていたであろう。

国連もNC,UMLも,プラチャンダ議長に位負けしている。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/22 at 10:43

UNMINからAISCへ

UNMIN任期は2011年1月15日まで。今回はどうやら本気らしい。UNMIN撤退後,その仕事を継承するのが,AISC(Army Integration Special Committee)。その委員長(ないし議長)に,Balananda Sharma氏が11月30日任命され,さっそく活動計画を発表した。

AISC:PLAの武器と戦闘員の管理監視
 (1)活動調整センター(Operation and Situation Centre)
   幹部治安要員 16(国軍4,警察4,武装警察4,PLA4)
   職員 7(常勤3,予備4)
   宿営所要員 12(7宿営所に各1,21宿営所支所に5)
 (2)宿営所管理運営局

シャルマ委員長によると,各党の合意が得られれば,UNMINからの業務引継は1月以内に完了するという。あれ!とびっくりするくらい,よくできた話しだ。こんなに簡単にいくのなら,もっと早くやればよいのに,そこは外交上手のネパール,国連から最大限引き出してから,ということだろう。

しかし,本当に,うまくいのだろうか? 問題はPLA(人民解放軍)の指揮権。マオイストは,統合復帰計画が確定し,手続きが終了するまでは指揮権を渡さないといっている。当然といえば当然だ。

現在,マオイストの要求は,PLA19,000人の半分を国軍に統合,残りの半分は社会復帰というものだ。NCやUML,そして国軍にこれが呑めるかどうか?

マオイストがPLA指揮権をネパール政府に委譲すれば,当然,平和プロセスは大きく前進する。もしそうでなければ,UNMIN撤退は大混乱を引き起こす可能性が高い。どうなるか,ここ1ヶ月,注視していたい。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/04 at 16:32

カテゴリー: マオイスト, 平和

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陸自隊員UNMIN派遣,4ヶ月延長

日本政府は11月16日,「ネパール国際平和協力隊」(陸自隊員UNMIN派遣)を4ヶ月延長し,2011年3月31日までとした。

ネパール派遣陸自隊員は,日本政府が直接指揮しているわけではない。陸自隊員は,「中央即応集団(CRF)」司令部所属とされ,そこから「個人として」UNMINに派遣され,UNMIN指揮下で停戦監視活動に当たっているのだ。

この「中央即応集団」は2007年3月28日に編成され,国内の緊急事態(テロなど)への対処と,国際平和協力活動を主な任務としている。これは軍と民の間の灰色部分,自衛隊にとっては未開拓の広大な中間地帯である。防衛省はここに目をつけ,軍民協力を促進し,自衛隊の国内外での活動を急拡大させるための尖兵として,中央即応集団を設置したのである。

その自衛隊にとって,陸自隊員UNMIN派遣は絶好のチャンスであった。中央即応集団の編成が2007年3月28日(朝霞駐屯地発足3月31日),陸自隊員(中央即応集団司令部所属)のネパールへ向けての出発が3月30日。ネパール国際平和協力隊は,中央即応集団発足の祝砲,その尖兵といってよいであろう。

しかも,防衛庁は2006年12月の「省」昇格関連法の成立により「省」に昇格し,それと同時に,念願の自衛隊海外活動も晴れて「本来業務」となった。その防衛省にとって,自衛隊の「本来業務」としての初の海外活動が,このネパール国際平和協力隊だったのである。

ネパールは日本では絶大な人気があり,そこでの停戦監視活動にも危険はほとんど無い。ヒマラヤも象も寺院も,素朴な村や子供も,全部「本来業務」としての海外活動の宣伝に使い放題。日本政府が,当事国のネパールや国連以上に陸自隊員のネパール派遣(派兵)に積極的なのは,そのためであろう。前のめり,イケイケドンドンなのだ。
(防衛省幕僚監部HP)

周知のように,ネパールは印中両大国にもまれ外交上手,国連に平和構築支援を要請しつつ,国連が受諾して本格介入し,大金も投入し,引くに引けない状態になると,掌を返したように国連の「無能」を非難し,ちゃんとやれないなら「出ていけ」とさえ要求し,国連とギリギリの取引をしている。実にしたたか,たいしたものだ。

これに対し,国連も,UNMIN派遣期間の延長を当初の1年から,半年ごと,4ヶ月ごとに設定し,それをカードに,ちゃんとやらないなら本当に引き上げるぞ,と脅し,ネパール側の平和努力を要求している。国連もネパール側とギリギリの外交交渉をしているのだ。

国連の次のUNMIN派遣期限は,2011年1月15日まで。これ以上の延長はしない,と国連は宣言している。ネパール側に突きつけた最後通牒なのだ。(実際には,何らかの形で延長される可能性はある。)

これに対し,不思議なのが日本の陸自UNMIN派遣の期間延長。日本の「ネパール国際平和協力隊」派遣(日本出発)は3月30日,UNMIN発足の2ヶ月半後であったため,派遣期間設定がその分ずれることはあり得るが,3年も経過し,国連が「延長」カードを使うため延長期間を4ヶ月ごとに設定し始めても,日本政府はなぜかそれに合わせることをせず,国連の期間延長の先回りをし,UNMIN派遣期限よりも数ヶ月先を陸自派遣の期限に設定してきた。

2010年1月UNMIN期限5月15日まで延長に対し,3月陸自派遣7月31日まで延長。5月UNMIN9月15日まで延長に対し,7月陸自派遣11月30日まで延長。9月UNMIN2011年1月15日まで延長(最後)に対し,11月陸自派遣2011年3月31日まで延長。

陸自派遣期間は,発足時を除き,つねにUNMIN派遣期間より2ヶ月半先までとなっている。発足が2ヶ月半遅れたのと,期間設定の技術的な問題もあるのだろうが,3年以上もたっているのであり,調整ができないはずはない。

日本政府が,つねに国連の先回りをし,陸自派遣期間を延長してしまえば,日本政府は「延長」カードを使用できないし,国連の「延長」カードの効果も殺いでしまう。日本政府は,2大国中国とインドの間に陸自隊員を派遣している,つまり派兵しているのだ。見方によれば,これはかなり大胆な,危険な政策だ。一刻も早く任務を完了し撤退,つまり撤兵するということは考えていないのであろうか。

ネパール陸自隊員派遣は実際には派兵であり,憲法上許されるはずもないが,それをひとまず棚上げしても,なぜ日本政府が国連の先回りをして派遣期間を延長しなければならないのか,なぜそんなに前のめりにならなければならないのか,どう考えても合点がいかない。やはり,「ネパール国際平和協力隊」を自衛隊海外活動の尖兵として利用することが最大の目的となっているのではないだろうか?

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/11/22 at 10:17

カテゴリー: 外交, 平和

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子供利用の稚拙さ:政治家・陸自・サッカー

谷川昌幸(C)
現代の子供利用の御三家は,政治家・陸上自衛隊・サッカーだ。子供に「無垢の天子」虚像を着せ,利用する。幼稚な子供っぽい作戦だ。
 
日本ではまもなく選挙突入。またまた子供を抱いたり手を引いたりしている選挙ポスターが巷にあふれるだろう。
 
サッカーも見苦しい。子供に手を引かれないと怖くて競技場に入れないらしい。競技自体は好きだが,子供利用の「日の丸国粋主義」サッカーは,絶対に観ないことにしている。(これと対照的なのが,ラグビー。子供はおろか,監督ですら,フィールドには入れない。立派だ。)
 
そして,陸上自衛隊。イラクでもネパールでも,さんざん子供を利用している。子供を利用してでも活動の正当性を何とか認めさせたい,ということらしい。
ネパール派兵第3次隊報告より
 
そもそも,子供は小利口で,嫉妬深く,残忍な生き物だ。子供の無垢は,田舎の純朴と同じく,単なる願望にすぎない。
 
政治家や自衛隊やサッカーは,実際には,悪ガキどもに魂胆を見透かされ弄ばれている,という自覚がまるでない。滑稽で,もの悲しい。

Written by Tanigawa

2009/07/28 at 20:31

カテゴリー: 文化

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