ネパール評論 Nepal Review

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京都の米軍基地(109):ミサイル攻撃避難広報の空念仏

京丹後市は,米軍経ケ岬通信所の司令官交代とほぼ同じころ,7月号広報(6月23日発行)に「弾道ミサイル落下時の行動について」を掲載した。これは,内閣官房「国民保護ポータルサイト」のものをほぼそのまま転載したに過ぎないが,それでも米軍Xバンドレーダー基地があるがためミサイル攻撃の危険性を切実に感じ始めた京丹後市民にとっては,見過ごすことのできない気になる通知であった。

といっても,このミサイル攻撃対処広報は,噴飯もの。焼夷弾に防空頭巾と塵叩き,戦車に竹槍で戦えと教え訓練した日本軍国主義の臣民教化を彷彿とさせる。

▼弾道ミサイル落下時の行動について(京丹後市広報7月号)
 

あれあれ,どこまで本気!? 竹槍よりもはるかに非現実的。核弾頭は無論のこと,通常爆弾弾頭であっても,こんな対策でミサイル攻撃に対抗できるわけがない。しかも丹後は人口密度の低い農漁村・山村地帯。山腹に芋穴はあっても,地下街などない。

もし本気でミサイル攻撃に備えるつもりなら,堅固な核シェルター(非常食完備の空気清浄機付き地下壕)を丹後各地に必要数建設すべきだ。これなら,多少の犠牲軽減効果を期待できる。

ところが,東京の政府には,そのような多少とも現実的なミサイル攻撃対策を進めるつもりは,毛頭ない。彼らは,自分たちの宣伝する国民のミサイル攻撃対処策が全くの画餅であり空念仏であることを百も承知の上で,それを別の意図をもって広報しているのだ。

それは,軍国主義時代と同様,国民の危機感をあおり,世論を統一・動員し,挙国一致で軍事大国化を推進していくことにある。この意味では,内閣官房のミサイル攻撃対処広報は,きわめて現実的であり有効。特に京丹後市では,米軍Xバンドレーダーを誘致したがため他の地域以上にミサイル攻撃の危険性が高く,したがってそれだけこの対処広報の効果も大きくなるわけだ。

このようにみてくると,内閣官房や京丹後市役所に脅され,国防意識高揚に動員されていくのは,市民自身の安全にとって何の益にもならないことは明白だ。

最善の策は,そもそもの脅威の元である米軍基地を撤去させること。そして,それが実現するまでは,次善の策として,各戸に一つ,隣組ごとに一つ,田畑や山林や海岸の要所ごとに一つ,強力堅固な核シェルターを全額国費でもって建設,運営,維持させること。

米軍基地を押し付けた東京の政府には,この程度の経費負担は当然である。東京やワシントンを守るためのXバンドレーダー基地を押し付けておきながら,住民には「ミサイルが飛んで来たらすぐ逃げましょう!」といった空念仏を唱えさせて済ますのは,あまりにも卑怯だ。

▼地域シェルター(『ライフ』表紙)/4人用シェルター(アマゾン好評発売中)
 

【参考】核シェルター普及率(人口当たり)
 スイス100%,ノルウェー98%,アメリカ82%,イギリス67%,日本0.02%

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/08/08 at 09:48

京都の米軍基地(108):司令官交代で秘密主義へ?

米軍経ケ岬通信所の司令官が6月26日,サラ・カルデナス大佐からアントン・マクダフィー(Anton McDuffie)大尉に交代した。司令官交代式は,米軍御用達セントラーレ・ホテル京丹後の結婚式場付近で催行。

通信所初代司令官のオルブライト少佐はサービス精神旺盛なネアカ軍人だったし,二代目のカルデナス少佐もネット上にかなりの情報があり催事にもよく顔を出していた。ところが,三代目のマクダフィー大尉については,ネット上にもほとんど情報がない。毎日新聞は,皮肉交じりに,こう報道した。

「米軍経ケ岬通信所・・・・の司令官が26日付で交代することとなり、現司令官のカルデナス少佐と次期司令官のマクダフィー大尉が16日、・・・・府庁を訪れ、山田啓二知事にあいさつした。・・・・面会は米軍側の要望で冒頭を除き非公開とされた。府総務調整課の説明では、カルデナス司令官から「大変お世話になりました」との言葉があったが、マクダフィー次期司令官は終始沈黙。Xバンドレーダーの騒音解消のための商用電力導入と、米軍人・軍属が関係する交通事故が相次いでいることを念頭に交通安全の徹底を、山田知事が要請したが、米軍側から回答はなかったという。」(毎日新聞2017年6月17日,強調引用者)

「米軍経ケ岬通信所・・・・の新司令官、マクダフィー大尉は22日、京丹後市の三崎政直市長を訪ねて着任のあいさつをした。・・・・懇談は冒頭の写真撮影だけで非公開で行われ、三崎市長は市民の安全・安心のための取り組みを要請したという。」(毎日新聞2017年6月23日,強調引用者)

米軍はいよいよ本領発揮,アメリカ・ファースト,極秘任務遂行のため,秘密の底にむけ潜航し始めたのではないか。

▼司令官交代式(セントラーレ・ホテル京丹後,6月26日)


 *最初の写真Fliker: The 94th AADDC,最後の写真ウエストポイント士官学校HP,他は米軍通信所FBより。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/08/07 at 14:36

カテゴリー: 軍事

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京都の米軍基地(105):Xバンドレーダーと仏さま

穴文殊(九品寺)の参道入口に,文殊様をお守りするためであろうか,小さな仏さまが並んで鎮座されている。ほほえましく平和な情景。

ところが,あろうことか,その小さな仏さまたちの背後に大きなXバンドレーダー基地が造られ,兵士(あるいは戦争請負会社社員)が銃を構え警備している。形の上では,米軍は仏さまに守ってもらっているのだ。

米軍基地の向かい山裾は,地区の墓地。ここの仏さまたちも,眼前に米軍基地を見ることになった。ようやく「永遠の平和」のもとに還り,そこから現世の私たちの「平和」を願われているに違いない,ここの仏さまたち。経ケ岬の駐留米軍は,構図的には,その仏さまたちにも,見守られているのである。

170106h■穴文殊バス停・石仏・米軍基地

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■石仏とレーダードーム

170106g■墓地と基地

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/07 at 10:52

京都の米軍基地(102):殺風景な米軍住宅

元旦に行ってみて驚いたのは,第四に,網野町島津の米軍住宅(軍属用集合住宅)。丹後町袖志の基地近くにいくらでも土地はあるのに,なぜこれほど離れた島津に軍用住宅を調達したのか? 道路事情は,特需改修が急ピッチで進められているとはいえ,まだまだ良くはない。特に冬は,日本有数の豪雪地帯。大丈夫か? 住宅駐車場には,「Y」ナンバー車が多数ズラリと駐車していた。(「Y」ナンバー:軍人・軍属の個人所有車。様々な特権があり,事故処理困難な場合が少なくない。)

島津の米軍住宅は,外から見るかぎりでは,殺風景で寒々とした感じを否めなかった。周囲の地域社会と馴染むのは難しそうだ。正面にレストラン「Shatte mo Coco」の小さな看板は出ていたが,このような住宅での滞在が長くなれば,疎外感にさいなまれ,ストレスが募るのではないだろうか。

敵性言語を今もって受け入れない偏狭な日本本土の,かつては三大秘境の一つとまでいわれた遠隔地に進駐させられている米国軍人・軍属の皆さんにも,ご同情申し上げる。

170104■基地(上図)から遠い米軍住宅()(google)

170104a■米軍住宅正面

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■駐車場(看板は「米軍Xバンドレーダー基地反対・京都/近畿連絡会」設置)/駐車中の「京都Y・・・・」ナンバー車(番号数字消去)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/04 at 10:02

京都の米軍基地(101):手抜きに見える防備

元日に行ってみて驚いたことは,第三に,米軍基地が,想像していたよりも,はるかに無防備に見えたこと。正面には,それらしき門扉はないし,基地を取り囲む金網はイノシシ防止柵に毛の生えた程度のもの。基地内もろ出し,丸見え。

だから,前の道路をよそ見しながら歩くと基地敷地内に入り込みかねないし,基地バックに記念撮影するため寄りかかるとフェンスがバタッと基地内に倒れこみそうだ。さすが自由の国アメリカの軍事基地!

これは,おそらく地元が,一部を除き米軍大歓迎,極めて友好的であり,さして警戒を要しないからだろう。

こんな基地なら,軍人・軍属から本場のアメリカ語やアメリカ文化をただで習ったり,子供たちにアメリカの遊びを,おやつ付きで教えてもらったりしたくなるのももっともだ。武器や軍服もカッコよい。

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■米軍基地。右上は経ケ岬(頂上に展望台あり)

170103a■基地正面入口。手前が国道178号。歩道と基地敷地との明確な区別なし(奥にちゃちなコンクリ・ブロックはあるが)。

170103b■基地を囲む金網柵

170103d■軍服で住民サービス。おやつ付(経ケ岬米軍FB)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/03 at 10:28

京都の米軍基地(100):空自の便乗拡大

元旦に行ってみて驚いたのは,第二に,空自経ケ岬分屯基地の拡大。ざっと見たところ,設備も含め,2,3倍,あるいはそれ以上に拡大されつつある。米軍基地新設への便乗拡大と見ざるを得ない。少なくとも文民市民には。

京都には,舞鶴の海自,福知山の陸自,そしてここ経ケ岬に空自と米軍基地。京の都の西北は日米軍事基地の地と化しつつあるとみてよいであろう。

日本軍と米軍の軍人・軍属も増え,軍事基地関連産業も栄えるであろう。手っ取り早いむらおこし,町おこしだ。

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■拡大増設中の空自基地。後方の森左端(海側)が穴文殊(九品寺)

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■空自の新設建屋と後方山上レーダードーム

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/02 at 11:40

京都の米軍基地(99):平和の孤島のような穴文殊

2017年元旦,丹後町袖志の穴文殊(九品寺)に初詣に行った。東から西へ天橋立⇒伊根⇒蒲入⇒経ケ岬⇒穴文殊・米軍基地・空自基地⇒間人⇒琴引浜⇒島津米軍住宅⇒峰山。

いくつか新しい発見があったが,最も衝撃的であったのは,穴文殊。周囲をぐるりと,米軍と空自の軍事基地に取り囲まれている。国道178号からの細い参道だけが,外界との唯一の通路。軍事基地の真っ只中の平和の孤島のような穴文殊! 

米軍基地建設中に何回か見に行き,状況はわかっているつもりであった。が,実際に基地ができ,Xバンドレーダー用発電機の騒音の中で,至近距離の銃を持つ米兵に脅えながら参拝してみると,その無慈悲に涙せざるを得ない。かわいそうな文殊さん!

130516c■穴文殊を取り囲む米軍と空自の基地(建設計画図)

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■参道入口。右(東)側が米軍基地,左(西)側が空自基地。入るとすぐ参道左右に不気味な監視装置らしきものがある。

170101c■九品寺(穴文殊)本堂

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■本堂裏(北側)の海岸までのわずかな空地も米軍基地とされ,警告板が掲示されている(○印)。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/01/01 at 23:51