ネパール評論

ネパール研究会

イタリアの旅(12):グランドジョラスに見守られトレイルラン

フェレ谷底コースを下った翌日から天候一変,雲一つない晴天となった。そこで,もう一度,バスでフェレ谷終点の「アルヌーヴァ」バス停まで行き,今度は谷を挟んでグランドジョラスをイタリア側から正面に見ることのできる反対側の山を登って行った。

「アルヌーヴァ」バス停(1700m)の近くから登山道に入り,まず2005m付近にある避難小屋(?)まで登り,そこからほぼ水平にボナティ小屋(2026m)までトラバース,そして,そこから谷底の「ボナティ小屋入口」バス停まで下るというルート。標準コース時間は2時間だが,絶好のトレッキング日和,ぶらぶら道草をしながら,半日ほどかけて歩いた。

このコースでは,誰でも,つい時のたつのを忘れてしまうほど素晴らしい景観を楽しむことができる。アルプスの鋭鋒や迫りくる氷河,無数の可憐な花々,清冽な雪解け水が流れ下る幾筋もの沢,点在する石造りの小さな小屋・・・・まるで天上の散歩道のようだ。

こうした魅力もあってか,このコースではトレイルラン(山岳マラソン)が盛んだ。2日前に行ったベニ谷ではマウンテンバイク(山岳自転車競技)が多かったが,こちらでは自転車は見なかった。その代わり,牛のごとくのろのろ歩いている私の前や後ろから,次々とトレイルランナーが走ってくる。しかも,男女とも,信じがたいほどの,ものすごいスピード。まるでグランドジョラスに見守られ,叱咤激励されているかのよう。


 ▲アルヌーヴァ避難小屋(?)手前からの展望/フェレ谷奥に向けトレイルラン


 ▲グランドジョラス山群/不思議な形の花


 ▲フェレ谷(手前)とベニ谷(奥)/沢の花


 ▲廃屋とモンブラン/百合の花


 ▲ボナティ小屋/同小屋から望むモンブラン

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2017/08/01 @ 10:32