ネパール評論

ネパール研究会

仏僧のルンビニ開発反対デモ

仏教僧侶たちが,仏教の政治的利用への反対の声を上げ始めた。12月7日,カトマンズでは,数百人の僧侶らが「宗教に政治を持ち込むな!」といったプラカードを掲げ,デモ行進した。ネパールのお坊さんたちは,えらい。

 仏僧のデモ(クリック再生)

たしかに,プラチャンダは,偉大な政治家だ。彼にとって,仏教なんか掌中のコマの一つにすぎない。チベット封じ込めを狙う中国を引き込むための餌として,狡賢いキリスト教を屈服させるための「平和の哲学」として,そして洪水のように押し寄せるであろう開発利権の呼び水として,政治的に利用してどこが悪い。

平和学の教祖ガルトゥング博士も,ユダヤ教,キリスト教,イスラム教が危険な原理主義に陥りやすいのに対し,非暴力・慈悲を説く仏教は「世界が切実に必要としているものです」と述べ,仏教を絶賛しているではないか。

  ■仏教の政治的利用:ガルトゥング批判

マルクス主義者にして毛沢東主義者たるプラチャンダの掌の上で踊る仏様に,世界中の敬虔なキリスト教徒,ヒンドゥー教徒,イスラム教徒,そして罰当たりな無神論者らが拝跪し,大枚のお布施を差し出すかどうか,これは見物だ。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/12/08 @ 11:43

カテゴリー: インド, 経済, 外交, 宗教, 中国

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