ネパール評論

ネパール研究会

ガソリン値上げ,1リットル140ルピー

牛乳に続き,ガソリンも値上げされた。ネパール石油公社(NOC)によれば,以下の通り。 
 ▼カトマンズ価格
  ・ガソリン: 130ルピー → 140ルピー/L
  ・ディーゼル・灯油: 103ルピー →109ルピー/L
  ・LPガス: 1470ルピー/ボンベ(価格据え置き)
 ▼日本の価格
  ・ガソリン: 148~160円/L
  ・ディーゼル: 132~148円/L
  ・灯油: 98~110円/L

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■石油類価格推移(Economic Survey 2011/12)/NOCロゴ/NOC出資比率(政府98%)

先にも述べたように,ガソリンや灯油の価格は,日本とほぼ同等。それでも,NOCは,価格補填のため,1億7千万ルピー/月の赤字となっている。価格据え置きのLPガスは,ボンベ1本当たり860ルピーの赤字という。

こんなことは,いつまでも続かない。LPガスは,家庭用と業務用のボンベを色分けし,業務用は市場価格とする方針のようだが,価格統制は複雑となりがちで,公正な運用は難しいのではないか。

この値上げに対しては,ANNISU-Uなど学生団体が,さっそく反対デモを始めたが,NOCの赤字は,結局,誰かが負担せざるをえないことは分かっているらしく,報道の限りでは,抗議の矛先は値上げそのものというよりは,むしろNOCの横流しなど腐敗に向けられているようだ。ネパールの学生も,自由市場主義の洗礼を受け,ずいぶん大人になったものだ。
 (Republica, Ekantipur & Nepalnews, 14 Mar)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/03/15 @ 11:05

カテゴリー: 経済

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