ネパール評論

ネパール研究会

ガディマイ祭動物供犠,最高裁禁止命令

ネパール最高裁は8月4日,ガディマイ祭での動物供犠を禁止する適切な措置をとるよう政府に命令した。(参照:ガディマイ祭

ガディマイ祭では世界最大の動物供犠が行われ,これに対し欧米の動物人権擁護主義者らが,反人道的として,激しい反対運動を繰り広げてきた。牛や羊や豚や鶏をたらふく食いつつ,ネパールの動物供犠は残虐だと非難攻撃する。(欧米の屠殺は「人道的」であり「動物の人権」を尊重しているのだそうだ。)

ガディマイ祭には,たしかに不衛生や商業化など,改めるべき点は多々ある。が,それはそれとして,動物供犠そのものは,他の生命を食べて生きざるをえない人間の,人間的にしてあまりにも人間的な,したがって神聖な儀式であり,欧米の似非人道主義的な,手前勝手な攻撃にひるみ,安易にやめることはない。

祈りのネパール――その原点は動物供犠に見られる生命への畏れにあるのではないか。

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* “SC order against Gadhimai sacrifice,” Kathmandu Post, 4 Aug.

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/08/11 @ 08:45

カテゴリー: 宗教, 文化

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