ネパール評論

ネパール研究会

労農党は大統領統治支持

労農党のナラヤンマン・ビジュチェ議長が11月5日,大統領統治への移行を訴えた。

いまネパール政治はせっぱ詰まっている。マダブクマール・ネパール首相は,なかなかのくせ者だが,予算を人質に取られ,身動きがとれなくなった。なんとか打開をと,ラムチャンドラ・ポウデル氏(NC)を1月ばかり首相に選出し,とりあえず予算を通そう,と提案してみたり,それがだめなら首相を辞め全権を大統領に委ね,大統領の下で予算を通してもらおう,といったりしている。

このネパール首相の提案には,マオイストもUMLも猛反対だが,ここにきて首相に救いの手をさしのべたのが,おなじみビジュチェ労農党議長。彼はかなり前から大統領統治を提案していた。

ビジェチェ議長は,バクタプールの小党の党首だが,支持基盤は安定しており,政治危機になると登場し重要な役割を果たす名士,今回も案外,彼の目指す方向に政治が動き始めるかもしれない。ネパール首相もネパール国家も,いよいよせっぱ詰まってきたのだから。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/11/06 @ 21:17

カテゴリー: 議会, 政党, 政治

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