ネパール評論

ネパール研究会

首相選挙,17回目投票

今日(2月3日),首相選挙が実施される。通算17回目,議会規則改正後の新手続きによる第1回目だ。

■立候補者 
  マオイスト: プラチャンダ議長
  UML:     カナル議長
  NC:      ポウデル議員会長
  UDMF:    ガッチャダル副首相

予想では,今日の1回目投票では選出なし。5日予定の2回目,6日予定の3回目については,成否両論に分かれている。選出される場合は,プラチャンダ議長かカナル議長。3回目も選出されなければ,改めて最初からやり直しとなる。

ネパールの政治家はそれなりに練達しており,ギリギリになると,たいていは賢明な選択をしてきた。今回もそうなるのではないか。

とくにマオイストにとっては,人民解放軍(PLA)の指揮権を国家政府に委譲するという切り札を切っての首相選挙。他党以上に,首相選挙を失敗させるわけにはいかない。理想は,プラチャンダ首相,それがダメならカナル首相,プラチャンダ副首相という選択となろう。与党になれば,政府側にたちPLA統合を進めることが出来るからだ。

●首相選出手続き
・議員総数の過半数の得票で選出。ただし,議席定数の過半数(301)か,現議員総数の過半数(299)かは報道では不明。

・1回目投票:過半数で選出。
・2回目投票:1回目で過半数得票者がいない場合は,再投票。過半数で選出。
・3回目投票:2回目で過半数得票者がいない場合は,上位得票者2名による決選投票。過半数で選出。
・再選挙:投票ボイコットなどで3回目でも選出できない場合は,当該選出手続きは終了し,改めて最初から選挙をやり直す。以後,この繰り返しとなる。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/02/03 @ 10:45

カテゴリー: 議会, 政党, 民主主義

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