ネパール評論

ネパール研究会

ムニ教授とプラチャンダ議長

印ネパール学の権威ムニ教授が訪ネし,プラチャンダ議長と会見した。各紙報道によれば,プラチャンダ議長は,インドをネパール人民の敵としているわけではないが,マオイストの政権復帰を妨害しているのはインドだ,と釘を刺したという。さすがプラチャンダ議長,そつのない対応だ。

一方,ムニ教授については,そのネパール論をいくつか読んだことはあるが,まったく記憶に残っていない。各紙が伝える彼の発言も,ほとんど無意味だ。なぜ各紙がこんな報道をするのだろうか?

それとも,ムニ教授には隠された使命があるのかもしれない。各紙報道からは,それはまったく読み取れないが。

【追加】(2010/12/03)
ekantipur(2010/12/02)がムニ教授の長いインタビュー記事を掲載している。「印ネパール学の泰斗」と紹介されているが,この長文のインタビューを読んでも,日本の商業新聞ネパール記事以上の情報も分析も得られない。

たしかに,何であれ,大切なものは隠されてある。特にネパールのような混沌とした状況では,ロイさんのように無手勝流,本音をさらけ出していては生き残れない。しかし,隠されていれば,それだけ知りたくもなる。ムニ教授にはきっと隠されたネパール分析があるはずだ。ネパール・メディアには,そこを取材し,伝えてほしい。

谷川昌幸

Written by Tanigawa

2010/11/30 @ 20:56