ピストルか偽造パスポートか: シャハ家vsコイララ家
パラス元皇太子発砲事件は,いよいよミステリーじみてきた。パラス氏はそもそもピストルなど持たず発砲はしていない(つまりNC=インド=コイララの陰謀)という説から,パラス氏に夜中12時に「ジャングルにトラを見に行こう」としつこく誘われたスジャータ副首相娘婿が断ったら皆殺しにしてやるとピストルを向けられたという説まで,実ににぎやかだ。
一方,被害者とされるスジャータ副首相娘婿ラウェル・チョーダリ氏についても,マフィアの親分だとか,外相を利用したパスポート偽造でぼろ儲けしているといった,えげつない暴露攻撃が始まった。
いやはや,すさまじい。マオイストがパラス元皇太子弁護に回ったくらいで驚いていては,ネパール観察はつとまらない。
とにかく一つ分かったことは,世界中の人々は例外なく王様,王族が大好きだということ。ベルルスコーニ首相も愛すべき人物だが,ブランド力では王族にはかなわない。
民主主義や共和制は正しいかもしれないが,面白くない。このことを忘れると,足元をすくわれるだろう。
谷川昌幸(C)