ネパール評論

ネパール研究会

困ったときのインド外圧頼み

国論がもめると、ネパールは「インドの脅威」を外圧として利用する。いつもの常套手段。今回、憲法制定期限が近づき、切羽詰って持ち出したのが、インド領事の内政干渉発言。

報道では、5月18日、ビルガンジのホテル開催パーティにおいて、SD・メータ印領事が、出席していたNC,UML,マデシ権利フォーラムの地域代表らに向かって、マデシ支援行動を起こせ、と扇動したという。

マデシ諸党派は、統一マデシ州を要求してきたが、主要3党合意の「名無し11州案」では5州に分割されている。メータ領事は、これに反対し統一マデシ州のために立ち上がれ、とアジったというわけだ。

領事ともあろう外交官が、この微妙な時期に、そのような軽率な発言をするとは思えないが、そういったと報道され、マオイストからNC,UMLまで「内政干渉だ、ケシカラン!」と一斉に声を上げ、息巻いている。おかげで、一夜にして「挙国」世論の成立だ。

これは出来すぎだ。まさか、やらせではあるまいが。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/05/19 @ 14:11

カテゴリー: インド, 外交, 憲法, 民族

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