ネパール評論

ネパール研究会

女生徒自殺、試験成績を苦に

6月15日付各紙報道によれば、13日発表のSLC(School Leaving Certificate,中等教育修了試験)の結果を苦に、女生徒7人が自殺した。

SLCは第10学年(5+3+2)を修了した全生徒が受験する修了認定試験であり、結果は大学入試にも用いられる。成績は、合格S-A-B-Cと不合格(32点未満)の5段階で、今年度の合格者は47.2%であった。

ネパールは、日本以上に厳しい学歴社会であり、特にSLCは本人と学校の評価に直結する極めて重要な全国統一試験だ。親は子の立身出世を願い、少々無理をしてでも学校に通わせ、勉強させようとする。引き受けた学校の方も、親の期待に応え、また他校との競争に勝ち抜くためにも、生徒をしごき、SLC成績を少しでも上げようとする。

この親と学校のエゴと期待が生徒、特に女生徒に重くのしかかる。女子であるにもかかわらず、無理をして学校にやってもらった。それなのに、自分はSLC不合格となってしまった。親にも学校にも申し訳が立たない。そう落胆し、自分を責め、自殺へと追い込まれてしまったのだろう。

自殺した女生徒は16~17歳。悲惨、残酷この上ない。ネパールでも、近現代型の不幸が拡大し始めたようだ。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/06/15 @ 21:14

カテゴリー: 教育

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