信号機、ほぼ全滅(1):アメリカンクラブ前
幾度か議論してきたが、ネパールに来るたびに、ロータリー文化と信号機文化の原理的対立に注目せざるをえない。
▼信号機文化
カトマンズの交通信号機は、見た限りでは、ほぼ全滅。スタジアム前やカリマティのような大きな交差点でも、信号は消えていた。
「定点観測地」の旧文部省・アメリカンクラブ前の日本援助信号機も点灯の気配はない。ここは、観光客にとっては、ネパールでもっとも危険なところといってもよい。車ではなく、なにやら怪しい「アメリカンクラブ」だ。カメラを向けようものなら、警備兵に射殺されるか、逮捕されてしまう。くれぐれもご用心!
この旧文部省・アメリカンクラブ前の交差点に日本援助のハイテク信号機が設置され、赤黄青と機械的・規則的に点灯していたときは、大渋滞が日常化していた。しばらくして、赤点滅となったが、こんな中途半端な信号など誰も守りはしない。
そこで交差点の中央に小型ロータリーが設置された。点滅信号とロータリーの2原理併存でさらにややこしくなり、ますます信号はじゃまになった。そこで、完全に消灯してしまったというわけだろう。
昔からあった品格のある立派なロータリーを撤去し、日本援助で華々しくハイテク信号機を設置したのに、完全に元戻り。新設小型ロータリーは貧相だし、消灯信号機は木偶の坊、見苦しく無様なだけだ。切り倒して完全撤去した方がよい。
もう一つの「定点観測地」タパタリ交差点についても、いずれ見学し、報告したい。
(注)ネパールでも、いずれロータリーでは対応しきれない事態になるだろうが、見る限りでは、市内信号機はまだ時期尚早ということのようだ。
谷川昌幸(C)
コメントを投稿するにはログインしてください。