ネパール評論

ネパール研究会

京都の米軍基地(30):特定秘密指定前に

京の都の西北に米軍基地が新設され,Xバンドレーダーが搬入されると,レーダーや関連事項が「特定秘密」に指定されることは間違いない。

しかし,「秘密」は,状況から「存在」を確信できても,ブラックホールのようなものだから,周辺の風景を著しく歪めるばかりか,あらゆるものを中心部の「秘密」の中に引き込み,見えなく/見せなくする本質をもつ。

そうなれば,現在の空自経ヶ岬分屯基地ですら,見ることが許されない(と思わされしまう)ものになる。もしのぞき見しようものなら,「特定秘密」取得容疑で取り調べを受ける恐れがある。ほとんどの人にとって,それだけで十分な威嚇効果をもつ。

そこで,「特定秘密」が指定される前に,見えるものは全部見て,公知の事実にしてしまうのが賢明だ。特定秘密保護法の「特定秘密」も秘密保護法(1954年制定,2013年改正)の「特別防衛秘密」も,対象は「公になつていないもの」だけだからである。

「基地反対人間の鎖」は,もちろん尊敬すべき抵抗運動の一つだが,他方で,もう少しソフトに,軽やかに,“穴文殊撮影会”のようなものを開催し,作品をインターネット上や各地展示場所に掲示してはいかがであろうか。

この付近は国定公園であり,穴文殊をはじめ,いたるところに絶好の被写体がある。カメラ性能がよくなっているので,ケイタイでもスマホでも参加できるし,セミプロやプロの方々であれば,経ヶ岬展望台からも激写を楽しめる

多くの人々が撮影し,同時にネット掲載すれば,瞬時に「世界公知の事実」となり,「秘密」指定の根拠がなくなってしまう。たとえば,経ヶ岬展望台からの分屯基地激写,「丹後の観光・山頂展望台から丹後松島・犬ヶ岬方向を見る(丹後観光ナビ)」のように。以下,誰でも撮影できる,すでに公知の風景の例。

131223f ■基地全景。背後山頂は経ヶ岬展望台

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 ■分屯基地正面/基地向かいの不気味なアンテナ(軍用?)/岳山山頂レーダー

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■基地ビル/基地アンテナ

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/12/23 @ 15:12