ネパール評論

ネパール研究会

ガディマイ祭:動物供犠と人間の業(3)

(2)260年前始原説
最も流布しているのが,この260年前始原説。たかだか260年の歴史しかないとした方が批判しやすいせいか,ガディマイ祭反対派が,英仏独西日など様々な言語で,この説を世界中にばらまいている。流通しているという意味では,通説。900年前起源説の簡略版といってよいが,一部異なるところもある。

この説によれば,260年前,バリヤルプルの封建地主バグワン・チョーダリが,マクワンプル要塞に投獄されていたとき,夢の中で,ガディマイに人間と動物の血の犠牲を捧げるなら,問題はすべて解消されるというお告げを受けた。

出獄したバグワンが村の呪術師にお伺いを立てると,呪術師は自分の身体の5カ所から血を採り女神に捧げた。すると,壺から光が立ち現れ,これを合図に動物供犠が始められた。以後,5年に一度,このガディマイ祭が行われてきた。
 [参照]Merritt Clifton,”Origin of the Gadhi Mai Sacrifice,”(http://animals24-7.org./2014/03/12/427/); Rukmini Sekhar, “Gadhimai Festival: Harvest of Glood,”Daily Pioneer, Oct. 5, 2014; The Alternative-India, “Nepal’s Gadhimai Festival Draws Animal Blood and Millions Visitours,” (http://thealternative.in/); “Gadhimai-The Temple of Sacrifice”(Nepal Tourism Board:Explore Nepal)ほか多数。

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 ■マクワンプル要塞[Gadhi, Fort](Wiki) / ガディマイ寺院(Nepal Tourism Board)

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 ■Animals 24-7 / The Alternative.in

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/11/06 @ 19:18