ネパール評論

ネパール研究会

ミス・ネパール: コーラ帝国主義の完勝

ネパールのミス好きは,世界に冠たるもの。ミス,ミスだらけといってよいが,それらの中でも最も有名な,ミス中のミスは,おそらくTHT(The Hidden Treasure)主催の「ミスネパール」であろう。(ミスコンについては下欄タグ「ミスコン」クリック)

そのミスネパール最終審査が,この3月20日,権威ある「ネパール学芸会館」において華々しく開催され,美事,イシャニ・シュレスタさんが「2013年度ミスネパール」の栄冠を獲得された。もちろん,それにつづく「ミスネパール地球2013」も「ミスネパール国際」も,そして他の諸々の「ミス○○」も,みな文句なしに美しい。

130322 ■ミスネパール表彰式(THT-HPより)

今年のミスネパール・コンテストは,ファンタがメーン・スポンサー。コカコーラ社は,他にも「コカコーラ・フットボールカップ」など,多くのイベントを協賛している。大攻勢といってもよい。むろんコカコーラは営利目的の私企業であり宣伝活動をするのは当然だが,それにしても,最近は少々度が過ぎるのではないか。特に露骨な「女」の利用は,あまりにも品がない。

いまや,時代は激変した。マオイストは,かつて人民の友たりし頃,コーラを帝国主義の先兵とみなし,ネパール事業所を攻撃した。ところが,少し優勢になるとコーラ帝国主義批判は沙汰やみとなり,いまではコーラ片手にミスコンを観ていても,性搾取者とも帝国主義者とも非難される恐れはなくなった。マオイストも,コーラを飲んで,スカッと爽やかになったのだろうか?

「ファンタTHTミスネパール2013」は,コーラ帝国主義完勝の象徴といってもよいだろう。

130322a ■ファンタに飲まれる3美女(THT-HPより)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/03/22 @ 14:10