憲法反面教師としての日本
ネパールにとって,日本は長らく,多くのことを学びうる近代化モデル国であった。特に軽武装・専守防衛政策による高度経済成長は,地政学上見習うのが難しいにせよ,いや難しいからこそ,ネパールにとっては最もうらやましい日本の政策理念の一つであった。
平和で豊かな日本へのあこがれ。そして,それを可能にしてきたのが平和憲法であることは,教養あるネパール人なら,だれ一人知らない人はないくらい,ネパールでは周知の事実である。
ところが,その平和国家日本のイメージが,ネパールで今,崩れ始めた。信用を築くには長年の誠実な努力が必要だ。が,信用を失うのは,一瞬のこと。
たとえば,今日7月20日付のRepublica提携International New York Timesは,次のような挿絵を大きく掲載している。ここネパールでも,安倍政権の日本は軍国主義へまっしぐら,と見られ始めたのだ。
しかも,その軍国主義化は,憲法を踏みにじっての暴走によるものだ。安倍政権は,憲法はあっても守らなくてもよい,と世界に向けて宣言し,それを実践しつつあるのだ。
これは,いま憲法制定の最終局面にあるネパールにとっては,最大の反面教師である。その意味では,ネパールにとって,日本はいまでも大いに学ぶべき国家である。まったくもって皮肉なことだが!
■平和憲法を踏みにじり暴走するアベ日本軍(Republica提携INYT,20 July)
【追加】「平和主義と格闘する日本」Republica提携INYT社説(2015-07-21)
「日本人の多くは,アベの選択した道は正しくないとみている。」
谷川昌幸(C)
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