ネパール評論

ネパール研究会

震災深刻(3):ムルク付近

カトマンズからカカニに向かう道路を少し上った右側の谷にあるゴルドゥンガ,ナカンドルなどの村々の被害も大きい。

下の写真は,ムルクの現状。伝統的なレンガや土壁の家屋が,完全に倒壊している。また,豪華な鉄筋3階建ても,大きなひびが入り使用できない。

地震後3か月経過しているので,ここムルクでも他の地区でも,仮設住宅がつくられ,家を失った人々が住んでいる。

屋根はトタン波板が多い。これは,昼間フライトなら離着陸前の上空からカトマンズ付近を見下ろすと,よくわかる。トタン板は,かつては高価で手に入りにくかったが,いまでは支援があったからかもしれないが,少なくともカトマンズとその周辺では,大量に出回っている。

柱と壁は,竹が大活躍。加工が容易なのに,強い。夏の蚊,冬の寒さなどの対策を工夫すれば,かなり快適だろう。

壁がレンガや粘土のカマボコ型仮設住宅もある(写真参照)。少々狭いが,簡潔でデザインもよい。竹製住宅より快適かもしれない。これなら,だれにでもすぐできそうだ。

それにしても,ネパールの人々は,粘り強い。家屋倒壊で絶望のどん底に落ち込んで不思議はないのに,まるで何事もなかったかのごとく,淡々と,黙々と後片付けや家事や仕事をしている人が多い。以前から厳しい生活だったからかもしれないが。

▼ムルクの被害状況
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【参照】カトマンズ市街の震災「軽微」,観光支障なし(2015-07-16)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/07/21 @ 12:45

カテゴリー: 自然, 国際協力

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