京都の米軍基地(84): 司令官交代
米軍経ケ岬基地で10月23日,司令官交代式が行われた。初代オルブライト少佐に代わり第2代司令官に就任したのは,サラ・E・カルデナス(Sara E. Cardenas)少佐。前任地は横須賀。
前司令官のオルブライト少佐は,基地新設ということもあって,人当たりのよい,外向的な軍人であった。機会あるごとに気さくに出かけ,ネットで積極的に情報を流し,新聞にもよく登場した。さすが米軍,よい人選だ。
これに比べ,後任のカルデナス少佐は,いまのところ内向きで,サービス精神に欠ける。ネット情報もごくわずか。略歴は,ネットによると,次の通り。
学歴
American Military University; Master’s degree, Space Studies. 2009-2012
Embry-Riddle Aeronautical University; Bachelor of Science, Aerospace, Aeronautical and Astronautical Engineering. 1995-1999
職歴
Commander, 14th Missile Defense Battery. 2015年10月-現在
Liaison Officer to USFJ, 94th AAMDC. 2014年8月-2015年10月
Plans Officer, 32d AAMDC. 2014年3月-2014年6月
カルデナス司令官は,大学・大学院で宇宙・航空分野を専攻しているので,Xバンドレーダーを含め,この分野の専門家には違いない。が,それ以外のことはよくわからない。
このような内向きの軍事技術専門家が司令官となったとすると,米軍経ケ岬基地は,いよいよそれ本来のマル秘基地としての本領を発揮し始めるだろう。住民にとって,米軍基地はますます得体のしれない陰鬱で危険なブラックボックスのようなものとなり,米軍人・軍属との深刻な軋轢も増えていくだろう。「原住民」など,基地米軍の眼中にはない。
丹後を含め日本はどこでも,米軍にとっては極めて居心地のよいところだ。世界一安全だし,思いやり予算で贅沢三昧できるし,万が一,事故を起こしても逃げ得の奥の手が使える。そんな日本から米軍が基地を撤去するのは,よほどのこと。まずありえない。いったん設置したら,おしまい。どうにもならない。沖縄を見よ,一目瞭然ではないか。
早や既成事実となってしまった米軍基地――今後の抵抗は,この厳しい現実を見据えることから出発せざるをえないだろう。
■経ケ岬米軍FB2015年12月22日[追加2016-1-5]
谷川昌幸(C)
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