ネパール評論

ネパール研究会

「友好橋」争奪戦: 封鎖解除へ?

マデシ「国境封鎖」の主戦場たるビルガンジ・ラクサウル間「友好橋(ミテリ橋)」をめぐって,UDMF(統一民主マデシ戦線)と反UDMF派が争奪戦を始めた。

2月5日,反UDMF派商工業者らが友好橋付近のUDMF派テントや交通遮断物を取り壊し,その後,何台かのトラックが国境を通過した。しかし,その後,UDMF側は,再びテントや交通遮断物を設置しなおしたという。

たしかに,国境封鎖(2015年9月24日開始)への反対圧力は,このところ強まっている。庶民の生活苦が長期化する一方,密輸ヤミ商売が繁盛し,健全な経済活動が蝕まれ,しかも肝心の経済封鎖の効果も減殺されているからである。

UDMF自身も,すでに封鎖作戦の見直しを始めており,一部メディアは,2月6日の会議(カトマンズ開催)において正式に封鎖解除を決定するとも伝えている。しかし,UDMF内も分裂しており,封鎖解除が正式に決定されるかどうかも,また決定されても本当に実行されるかどうかも,まだわからない。

結局,しばらく様子見するより仕方ないということであろう。

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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/02/06 @ 14:06

カテゴリー: インド, 経済, 民族

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