ネパール評論

ネパール研究会

真実和解委員会の構成と機能(2)

2.真実和解委員会の設置目的
真実和解委員会(TRC)は,同委員会HPによれば,次のことを目的としている。

(1)「2007年暫定憲法」と「包括和平合意」の精神に則り,国家政府とマオイストとの間の武力紛争(1996年2月13日~2006年11月21日)の期間における「重大な人権侵害」(下注参照)を調査し,結果を報告すること。
(2)関係者相互の信頼と寛容の精神をはぐくみ,和解・平和のための環境を整えること。
(3)犠牲者への損害賠償の勧告。
(4)重大な人権侵害に関与した人々に対する法的措置の勧告。

(注)重大な人権侵害(gross violation of human rights)
非武装の人や民間人に対する次のような行為:
 ・虐殺
 ・拉致,人質として拘束
 ・強制失踪
 ・手足切断,身体障害を結果する加害行為
 ・身体的・精神的拷問
 ・私有財産または公有財産の略奪,不法占有,損壊,放火
 ・家屋または土地からの強制的追い出し
 ・国際人権や国際人道法に反する行為,あるいは他の人間性に反する犯罪

[参照]
What amounts to ‘a serious violation of international human rights law’?, Geneva Academy of International Humanitarian Law and Human Rights, August 2014
  160621

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/06/21 @ 19:13