ネパール評論

ネパール研究会

カトマンズを加徳満都に

昨日、1年ぶりにネパールに来た。キャセイ=ドラゴン便だが、快適そのもの、隔世の感がする。

1.旅慣れたネパール人・中国人
最大の驚きは、ネパール人、中国人など大半の乗客が小さな手荷物しか持ち込まないこと。ほとんど手ぶらの乗客も少なくない。以前だと、めいめいが大きな荷物を機内に持ち込み、収納スペースの分捕り合戦となったのだが、それも今は昔、いまでは皆が整然と乗り込み、定刻通りの出発となる。ネパール人も中国人も豊かになり、旅慣れてきたのだ。

その一方、昔とあまり変わらないのが、われら日本人。預けきれない重量超過荷物をリュックに詰め、機内に持ち込む。わがリュックも15Kg位はあった。貧乏くさく、みじめ。日本の没落を身を以て機内で披露した次第。

2.カトマンズから加徳満都へ
経済的にだけでなく文化的にも、日本の没落は明白。中国系航空会社の乗り入れ増加につれ、カトマンズは「加徳満都」になりつつある。そして、腹が立つのは、「カトマンズ」よりも「加徳満都」の方が断然文化的なこと。「パリ」よりも「巴里」、「ロンドン」よりも「倫敦」と同じこと。

以前なら、明治以降、そうした文化的な命名は、日本人が率先して行ってきた。ところが、日本はいまや英語帝国主義に屈服し、言語植民地に転落しつつある。そして、その日本に代わって、本家中国が漢字文化拡大の先兵となり始めたのだ。やはり中国にはかなわない。

どうみても、「加徳満都」の方が「カトマンズ」や「カトマンドゥ」よりも文化的に高尚だ。中国の後塵を拝すことになるが、日本も「加徳満都」に切り替えるべきではないだろうか。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/09/06 @ 18:08

カテゴリー: ネパール, 文化

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