ネパール評論

ネパール研究会

セックス超先進国ネパールに未来はあるか?

ネパールが性の超先進国であることは,その筋の人には周知の事実だ。すでに「第三の性」が公認され,国勢調査でも「男」「女」「第三の性」と分類されているという。調査結果が楽しみだ。
   ■第三の性,公認

「第三の性」とは,LGBTIのことだ。
  L=レスビアン
  G=ゲイ
  B=バイセクシャル
  T=トランスジェンダー
  I=インターセックス

しかし,もしそうだとすると,これら5つのセックスをまとめて「第三の性」とするのは,いかにも乱暴だ。LとBはずいぶん異なるであろうし,TとIも異なる性のはずだ。「第三の性」と分類することは,それぞれに固有の性アイデンティティの暴力的抑圧であり,人権侵害である。

これは許されない。早急に国勢調査や身分証を改め,男・女・L・G・B・T・Iの7種類とすべきである。性少数派差別に反対するのであれば,当然そうすべきだ。

あるいは,もしそれがイヤだというのなら,「男」「女」などと区別しないことだ。そもそも男女区別にLGBTIを加えてみても,何ら問題解決にはならない。だとしたら,発想を逆転させ,身分証明書には「ヒト」とだけ書くことにしたらよい。先祖返りではあるが。

* Himalayan Times, Dec13.

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/12/13 @ 22:35