ネパール評論

ネパール研究会

挙国NC内閣により新憲法制定

ネット版カンチプールによれば、5月2日、主要諸政党(マオイスト、NC,UML、統一マデシ戦線)は、挙国内閣による新憲法制定・総選挙実施に合意した。しかし、その手順は、極めてややこしい。

①バブラム首相を除く全閣僚の辞任、②バブラム首相のもとで全党参加の挙国内閣組織、③新憲法案の作成(5月27日までに)、④バブラム首相辞任、⑤NC首相選任(シタウラ書記長?)、⑥NC首相のもとで新憲法公布施行、⑦NC首相のもとで1年以内に総選挙実施。

こんなややこしい(高度な)手順を考え、マオイスト、NC両党のメンツを立てたのは、おそらくプラチャンダであろう。プラチャンダが、NCシタウラ書記長とひざ詰め談判し、談合により、合意に持ち込んだらしい。

この合意に基づき、3日、首相を除く全閣僚が、挙国内閣成立を条件に、辞表を提出した。

しかし、こんな複雑な、しかも実質的にはプラチャンダ=NC枢軸のような合意が実行できるかな、と思っていたら、さっそく挙国内閣といいつつも外された感じがするUMLが、そんな合意はしていない、まずバブラム首相が辞職せよ、と言い出した。挙国バブラム内閣には参加しないという。また、統一マデシ戦線も、合意したのは、内閣の組換えだけだ、とごね始めた。

いつもながら、はらはらドキドキ。しかし、ギリギリになれば何とかするのが、ネパール。いよいよ切羽詰ってきて、新憲法も、プラチャンダの剛腕と、このネパール式で、何とか制定できるのではないだろうか。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/05/04 @ 07:35

カテゴリー: 議会, 憲法

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