ネパール評論

ネパール研究会

紹介『東電OL事件:DNAが暴いた闇』

本書は、東電OL殺害事件の再審開始に大きな役割を果たした読売新聞スクープの取材ドキュメント。

取材は、読売新聞東京本社取材班が中心になって取り組み、真犯人が別にいる可能性を示すDNA鑑定結果が出たことをいち早くつかみ、2011年7月21日付朝刊で特報した。取材班は、その後も裏付け取材・報道を継続し、再審開始決定にジャーナリズムとして大きく貢献した。

この一連の記事は高く評価され、2012年度新聞協会賞が授与された。

この事件は、売買春に絡むものであり、一般の人々には、有罪はおかしいと感じていても、具体的には議論しづらいものであった。そうした中、「支える会」・弁護団・ジャーナリズムが、それぞれの立場から勇気と忍耐をもって真相の解明に努力され、ゴビンダ氏の無実を明らかにされたことは、高く評価されるであろう。

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■読売新聞社会部『東電OL事件:DNAが暴いた闇』中央公論社、2012年、1400円

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/12/26 @ 21:34

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